南スーダン即時撤退・共謀罪反対3・19国会前に4800人
 動揺深める安倍政権

 組織犯罪処罰法改正案(共謀罪)の閣議決定が迫る3月19日、毎19の日行動として、「自衛隊の南スーダン即時撤退・共謀罪反対3・19国会議員会館前行動」が闘われ、4800名が結集した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委。
 3月10日安倍政権は、南スーダンの自衛隊を5月末に撤退させる(司令部要員を除く)と発表した。昨年来、派兵継続・新任務付与に反対を続けてきた労働者市民の闘いに追いつめられ、森友学園疑惑でも追い込まれた安倍政権の窮地の策だ。大衆運動の爆発で罷免された韓国・朴クネ大統領の二の舞を恐れた、安倍政権の必死の挽回策でもある。さらに追撃し、安倍を退陣に追い込む時が来た。
 国会前では、まず筑紫建彦さん(解釈で9条を壊すな!実行委)が主催者挨拶、「3月18日、5人の自衛官が南スーダン政府軍に連行された。ウソで固めた南スーダン派遣の誤りが明らかになった。21日、共謀罪が閣議決定される。それは憲法改悪の先駆けだ。安倍政権の政治責任の追及、反転攻勢の時がきた」と訴えた。
 これを受けて、「共謀罪NO!実行委員会」の海渡雄一弁護士が発言、「問題点は、犯罪が起きてもいないのに話し合うだけで、捜査できることだ。盗聴器も仕掛ける。安倍政権の発言はウソだらけ、テロ対策もウソ、国民一人ひとりを対象にしないというのもウソ。ウソで固めて共謀罪を通そうとしている。共同通信の調査では、反対が賛成を上回った。3・21の朝はこの場に結集し、閣議決定を阻止しよう」と訴えた。
 沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの与儀睦美さんは、「昨日午後8時、山城博治さんが保釈された。5ヵ月に渡り不当にも拘束された山城さんが、やっと戻ってきた。全国からの署名・葉書が大きな力となった。運動すれば必ず結果が出る。」「今月末、岩礁破砕許可の期限が切れる。それでも政府は再申請せず、辺野古新基地建設工事を続けようとしている。3・31新宿アルタ前からの辺野古デモに参加を」と訴えた。
 瀬戸大作・福島避難者の協同センター事務局長は、「あと12日で住宅支援が打ち切られる。避難者から相談が来る。それは悲鳴に近い。住宅支援を打ち切られれば、生活困窮に陥る。その中で多くの人々が、戻ることを強制されている。避難が正しかったことを訴えて運動にする。支え合って闘おう」と訴えた。
 国会野党からは、日本共産党・田村智子、社民党・福島瑞穂(参院)、民進党・初鹿明博(衆院)の各氏が挨拶。
 最後に、福山真劫・総がかり行動実共同代表が、「闘争をつくるのは我々の義務だ。安倍を引きづり下ろし、平和を、民主主義を!」と訴えつつ、以下を行動提起。
 3・20さよなら原発全国集会。
3・21共謀罪閣議決定阻止・首相官邸前集会。
3・23および3・30森友疑惑徹底糾明・安倍内閣は退陣せよ!国会議員会館前行動。
4・6(木)共謀罪反対!日比谷野音集会(午後6時半)・デモ。
4・13安倍政権退陣・新宿西口情宣。
4・19(水)辺野古の海の埋立て工事強行を許さない大集会(日比谷野音・午後6時半、7時45分から都心デモ行進)。
辺野古埋立て阻止、共謀罪反対、森友糾明と連続闘争がつづく。動揺する安倍政権を完膚なきまで叩きのめそう! 広範な共同行動を拡げつつ、労働者民衆自身の政治勢力を前進させよう! 安倍退陣へ情勢を決めるのは、大衆闘争の力である。(東京O通信員)


被害者切り捨ての避難指示解除
 住宅支援継続求め「3・20さようなら原発全国集会」

 福島原発事故・東日本大震災が発生した「3・11」から6年、今年も世界・日本各地で原子力発電などに反対する行動が展開される中、東京では3月20日、「3・20いのちを守れ!フクシマを忘れない!さようなら原発全国集会」が代々木公園で開かれた。さようなら原発一千万署名市民の会の主催、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委の協力で、1万1千人(主催者発表)が参加。
 東京電力福島第一原発の4基が崩壊し、東北・関東一帯と太平洋を核汚染した。それから6年めの現況はどうなっているか。政府のいわゆる「収束」宣言の後、原発地下へ流入する地下水の汚染が大問題となり、対策として昨年凍土壁が作られたが、まともに機能せず、現在も核汚染水の垂れ流しが続いている。
 また、もっとも危惧されていた4号機の1535本の使用済み燃料棒は、一昨年末ようやく除去されたが、1~3号機の計1573本がそのままになっている。炉内探索が今年始まったが、メルトダウンした炉心がどうなっているのか、どこまで抜け落ちているのか、未だに分からない。使用済み燃料棒や、この溶融した核燃料を冷却し続けることに失敗すると、再爆発する危険が未だにある。核事故は収束せず、現在進行形なのである。これから長期の廃炉作業といっても、通常の廃炉ではなく、事故が続いている中での作業なのである。
 福島第二原発の廃炉は、今年の福島県民大集会のメイン要求であったが、東電とその最大株主・国は未だに廃炉を拒否している。
 未曾有の核災害なのに、誰も責任を取っていない。東電の業務上過失の罪を問う刑事裁判が、いまだに開始されていない。官僚の刑事責任は免責されてしまった。原子力損害賠償法による東電からの補償金も、これからの廃炉費用も、国債交付金で中継ぎしつつ、結局は長期に電気料金に上乗せする国民負担となっている。昨年4月から電気小売が自由化されたので、送電線使用料にも上乗せするとしている。他方、東電の大株主・債権者は保護されている。加害責任があいまいにされ、被災者すなわち被害者への賠償があいまいにされている。
 福島県は2月下旬、県民の避難者が未だに7万9446人(県内4万、県外4万)と発表した。帰還困難区域を除き避難指示がしだいに解除されてきたが、核汚染が続き、生活条件が破壊されている中、戻る被災者は少ない。避難指示区域でなくなると、そこからの避難者は「自主避難者」扱いとなる。年20ミリシーベルト以下なら帰れ、とする帰還強制策である。
 「復興」「帰還」の掛け声が強まる中、福島県は今年3月末で、いわゆる自主避難者(域外避難者)への住宅無償提供を打ち切ろうとしている。この支援は、旧来の災害援助法によるもので、原発被害補償として行なわれてはいないからだ。

 こうした状況下、3・20集会は行なわれた。
 集会は、2万人の震災犠牲者・原発関連犠牲者に黙祷をささげた後、落合恵子さん(署名呼びかけ人)が主催者挨拶、「責任を取らずに、なにが東京オリンピックか。今年の春を『沈黙の春』にするな! 森友、南スーダン、山城さんは18日にやっと保釈されたが辺野古強行、醜悪な社会を次世代に渡すな!」と訴えた。
 福島在住者からは野口時子さん(3a郡山)、避難者からは松本徳子さん(郡山市から川崎市へ避難)が、「避難した人にも、とどまった人にも平等な支援を」と訴えた。支援の瀬戸大作さん(避難者の協同センター)は、東京都に4月以降の住宅支援を求める3・24都庁行動を訴えた。

  被曝労働者が損賠訴訟

被曝労働者の、あらかぶさん(仮名)が登壇した。あらかぶさんは、福島原発事故収束作業や玄海原発に従事して急性白血病を発症、15年10月に労災認定を受け、16年11月に東電・九電を相手に損害賠償裁判を起こした。彼は集会で、2月2日の第1回口頭弁論での原告陳述を読み上げ、「私は人前に出るのも苦手ですが、原発で働く他の作業員たちのためにも今声をあげる責任があると思い、提訴に踏み切りました」と語った。また「あらかぶさんを支える会」からは、本村真さん(全国一般ユニオン北九州)が経過を報告した。(なお、支える会結成集会が4月26日・午後6時半、文京区民センターでもたれる)。
続いて「フクシマ連帯キャラバン」隊がステージに登場、3・18福島県民大集会(郡山市)を出発し南下して3・20都内までの、キャラバン報告を行なった。
「3・11甲状腺がん子ども基金」から、河合弘之弁護士が報告。「38万人中185人に甲状腺がんが発見された。この数字は集中検査のためと言う人もいるが、数倍ならともかく、この高い発症率で放射能の因果関係を否定することはできない。」「発症した子ども・親御さんは孤立し、ばらばらにされている。基金で60人に給付金を支給し、連携を作っていく」と報告した。
日印原子力協定国会承認反対キャンペーンから、福永正明さんが報告、「インドでは3・11に、日本からの原発輸入反対デモが闘われている。日本の国会に先月提出された日印原子力協定批准案を阻止しよう」と訴えた。
総がかり行動実から福山真劫さん、脱原発首長会議から三上元さん(元湖西市長)が連帯挨拶。
最後に鎌田慧さん(呼びかけ人)が閉会挨拶、「3・17前橋地裁判決は、国と東電の津波予見を認め、その対策欠如の責任を断じ、損害賠償を命じた。この判決は全国に広がり、再稼動を制約していく。6年たって私たちのほうが優勢だ、世界は自然エネルギー社会へ向かっている」と指摘した。
集会後、2手に分かれてデモ行進を行なった。なお脱原発一千万署名は、今年一月末集計で867万3257筆とされている。
(東京A通信員)