「格差・貧困NO!みんなが尊重される社会を
2・19総がかり行動」に4000名

  全労働者の結集で戦争法廃止を


 2月19日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、生活の場から「いのち」をとらえて「格差・貧困ノー!みんなが尊重される社会を2・19総がかり行動」を開催し、東京・日比谷野外音楽堂で集会、また銀座方面へのデモ行進を行ない、約4000名の労働者・市民が参加した。
 これは一昨年の戦争法強行成立から1年5ヵ月の「19の日」行動、戦争法廃止・安倍政権打倒の基調とともに、今回2・19は、非正規労働者をはじめ労働者市民の生活要求との連帯を強めて、さらなる闘争の拡大・発展を意図する行動として闘われた。
 集会は、解釈で憲法9条を壊すな!実行委の菱山南帆子さんの司会で開始され、戦争をさせない千人委員会の藤本泰成さんが開会挨拶。
 藤本さんは、「バブル崩壊以降、非正規労働者が増え続け、今や4割だ。経済格差がひろがり、子どもの貧困率は16%を超えた。1億総中流社会は変貌し、貧困と格差で人々が苦しむ世の中となった。この苦悩する人々に目を向けなくてはならない。集会にこのテーマを掲げたのは、本当の意味で平和主義を闘いとる決意を示すためだ。格差・差別をなくさなければ、本当の平和はない」と発言し、闘いの基調を鮮明にした。
 次いで、本田由紀・東大大学院教授がスピーチ。本田さんは、「資産の一極集中が進み、貯金ゼロの世帯が増えている。相対貧困率、自殺率も高い。これを進めてきたのが自民党政権だ。かれらは経済さえ活性化させておけば良いとして、バブル崩壊後もその政策を続けている。そのうえ安倍政権は戦争するために奔走し、共謀罪などを通そうとしている。しかしあきらめない。あらゆる手段で闘おう」と訴えた。
 政党挨拶は、民進党・山尾志桜里衆院議員、共産党・小池晃参院議員、自由党・渡辺浩一郎元衆院議員、社民党・福島瑞穂参院議員から。福島さんは、「戦争法と格差拡大を許さないためにも、安倍政権を退陣させることが先決だ。格差・貧困が拡大し、貧しい家庭の若者が戦争に行かされる」と訴えた。
 連帯発言では、労働弁護団の嶋崎量事務局長が、「安倍政権は、働き方改革をするといって、同一労働同一賃金を実現すると発言している。しかし、安倍政権に任せては、長時間労働、過労死、格差・貧困はなくせない。確かに上限規制は必要だ。しかし、過労死ラインをこえる時間はだめだ。しかも労働時間が管理されていない。長時間労働を許さない闘いが必要だ。非正規労働者は、長時間働かねば生活ができない。最賃を大幅に引き上げなければ、4割の非正規は救われない。市民も労組も闘おう」と呼びかけた。
 元シールズの諏訪原健さんも登壇、「日本の大学生の4分の1が平均300万円の借金を抱え、もがき続けている。これが現実だ。日本は教育にお金をかけない。奨学金制度が充実しておらず、ほとんど返済しなければならない。学校に行くためにローンを抱える、これでいいのか。勤めればどうにかなる、それも今はもうない。」「社会を現実に合わせて変えなければならない。政治には興味がなかった。しかし今は、皆さんと共に闘えば展望がある」と力強く発言した。
 最後に、憲法を守り・いかす共同センターの笠井貴美代さんから行動提起。2・21に国会前緊急行動、5・3憲法集会(有明防災公園)への結集を呼びかけた。
 参加者は、「みんなの力で貧困をなくそう」「格差をなくそう」などの大シュプレヒコールを発して集会を終了し、休日の数寄屋橋をデモ行進した。

  9条で問題になるから「戦闘」でなく「衝突」!
   稲田防衛相は辞任せよ

 なお、この集会でも稲田朋美防衛相は辞任せよ!の声は出されたが、2月14日および2月21日には、この辞任要求をメインに国会前行動が闘われた。
 稲田は、南スーダン自衛隊PKO部隊の日報(昨年7月の首都ジュバでの戦闘を報告するもの)を防衛省が隠していた問題の責任者である。事実を隠して、戦争法の新任務付与を行なったことが判明した。
また稲田は2月8日の衆院答弁で、「憲法9条上の問題になる『戦闘』という言葉は使うべきではない」と平然と発言した。この答弁は、「『衝突』はあったが、法的な意味での『戦闘』はなかった」とするこれまでの政府答弁の、その本音を暴露するものである。
9条違反になるから、また日本のPKO参加5原則に反するから、「戦闘」はなかったことにしよう、これが安倍政権の本音である。こうして昨秋の南スーダン派兵継続が、しかも「駆け付け警護」等武力行使の新任務付与で、強行されたのである。
これは大問題だ。稲田はただちに防衛相を辞めるべきだ。安倍が辞めさせないなら安倍自身が辞職せねばならない。また金田法相が2月6日に、共謀罪の国会審議を否定(法案提出前にあーだこーだ言うな)する文書配布を行なった重大問題もある。
さらに国有地が、安倍首相夫妻の極右仲間が経営者の「森友学園」(大阪府豊中市)に、その小学校新設用地として、タダ同然で売り飛ばされていたことが発覚した。森友学園は、幼稚園で教育勅語斉唱などの偏向教育で知られ、最近では保護者への民族差別発言が問題になっていた。
このように、ゴーマン安倍政権は次々にボロを出している。南スーダン即時撤収、稲田即時辞任、共謀罪反対などの声をさらに拡大し、安倍政権を追いつめよう。(東京O通信員)


2017年=激動の東アジア情勢
沖縄・韓国民衆と連帯して闘おう!2・12集会

  トランプ政権に対峙し

 2月12日、「戦争法廃止・安部たおせ!反戦実行委員会」の主催で、「2017年=激動する東アジア情勢 沖縄・韓国民衆と連帯して闘おう!2・12集会」が開かれ、東京・早稲田の日本キリスト教会館に約100名が参加した。
 司会の山口さんから、沖縄防衛局が2月7日に辺野古海上工事再開を強行するなど安倍政権との攻防が激化する中、反戦実は、沖縄・韓国民衆をはじめ国際連帯を強めて闘っていくと挨拶して、集会開始。
 最初に、「トランプ政権登場が意味するもの」との演題で、鵜飼哲さん(一橋大学大学院教授、フランス現代思想)が講演。
 鵜飼さんは、「トランプの勝利は合法的クーデター」とし、トランプの当選は、一般に喧伝されるポピュリズム高揚の結果ではなく、米国大統領選挙の歴史的な制度的問題、また近年の共和党による非白人有権者の選挙権無効化策動などの結果であること、したがって、「トランプ大統領は『合法』ではあっても『正統』と認められることはない。米国国内政治は長期的、構造的、歴史的不安定期に」入ったと論じた。
 この指摘は、なかなか新鮮なものがあった。鵜飼さんが言う「グローバリズムとレイシズム、この双方向の圧力」、超主権国家化と主権再強化の双方向という大きな背景をみる必要はあるが、マスコミ論調に流されず、具体的な分析が問われるといえる。
 また鵜飼さんのレジュメは解説時間切れとなったが、フランス語からのロシア認識、オリンピック批判など、とても豊富なものがあった。一般の五輪の見方は、人種共存の理念は良いが商業主義に堕しているというものである。鵜飼さんは、「スポーツは植民地化に知的かつ効果的な役割を果たしうる」とするフランス貴族クーベルタンの思想を示し、近代五輪は最初から植民地主義や戦争と骨がらみであると批判した。
 質疑の後、松平さんが、2017年われわれはどう闘うか、の集会基調を提起。
 各戦線からは、沖縄闘争を一坪反戦地主会関東ブロックの大仲さん、日韓連帯を日韓ネットの尾澤さん、共謀罪反対を組対法反対共同行動の石橋さんがアピールし、また、差別排外主義に反対する連絡会からは、東京MXテレビの高江デマ放送を許さない運動が報告された。直接行動DAからは、自主的な学生寮づくりへのカンパが訴えられた。
 最後に、反戦実・第9次沖縄派遣団の3月派遣、また3・4と3・13の「戦争・治安・改憲NO!総行動」が行動提起されて、閉会した。
 集会は、3月総行動への前段決起集会となった。3・13霞ヶ関デモを大成功させよう!(東京W通信員)