「19の日」行動、戦争法廃止・共謀罪阻止かかげ
  今年こそ安倍打倒を

 労働運動・市民運動を徹底弾圧して、改憲・戦争国家をもくろむ安倍政権は、今国会に「共謀罪」新設を柱とする「組織犯罪処罰法改正案」を提出せんとし、その強行成立をねらっている。治安維持法の再現だ。
 緊迫する情勢のもと、新年最初の「19の日」行動である「安倍政権の暴走止めよう!自衛隊は南スーダンから撤退を!1・19行動」、続いて翌日、通常国会開会に対する「1・20国会開会日行動」が、国会の衆院第二議員会館前を中心に闘われた。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委。この連続闘争には1・19に3000人、1・20に600人が結集。

  1・19国会前

 戦争法廃止、共謀罪絶対反対を掲げた1・19行動は、そのシュプレヒコールと国会諸野党・会派のアピールで始まった。
 参院会派「沖縄の風」の糸数慶子さんは、「共謀罪強行は、沖縄での弾圧をねらっている。多くの基地がある沖縄は、安倍政権の戦争策動を許さない。80・90歳台の人々は、子どもや孫のために闘っている。基地問題は我々すべての課題だ。戦争させない闘いを心を一つにしてがんばろう!」と訴えた。
 民進党・近藤昭一衆院議員、社民党・吉田忠智党首、日本共産党・井上哲士参院議員に続いて、総がかり実行委からは小田川義和共同代表が主催者発言。
 小田川さんは、「昨年11月、南スーダン派遣の自衛隊員に『駆け付け警護』『宿営地共同防護』の新任務の命令を出すなど、安倍政権は戦争への道を突き進んでいる。戦争法の具体化だ。一日も早く憲法9条の国に戻さなくてはならない。安倍政権と厳しく対決し、本気の野党共闘を!」と発言し、総がかり行動の基調を明らかにした。
 次いで、安保法制違憲訴訟の会・武谷直人弁護士が連帯アピール。
 違憲訴訟の会は1月19日現在、東京3件、福岡2件、埼玉・神奈川・広島・岡山など15地裁、合わせて18の裁判で安保法制の違憲を問い、裁判闘争を闘っている。原告総数は、自衛官家族を含めて5195名が決起し、今後は群馬・宮崎・鹿児島での提訴も決まっている。
 報告に続けて武谷弁護士は、「我々は、安保法制は違憲だと主張している。しかし国は、その論争から逃げ回っている。合憲と主張するならば、根拠を出せと要求しているが、いまだ答えてはいない。合憲の主張はできない。多くの憲法学者が違憲だと主張しているのだ。国は安保法制が違憲だと知っている。そうした安倍政治を許してはならない。更なる原告参加を!」と呼びかけた。
 さらに、武器輸出反対ネットワーク・杉原浩司さんは、2017年度予算案に「安全保障技術研究推進制度」として、防衛省による大学等への研究助成費に、昨年度の18倍にあたる110億円を計上したことについて発言し、日本版軍産学複合体に警鐘を鳴らした。デュアルユース(軍民両用)を口実とした大学・民間研究の軍事化、軍産学複合体をつぶそうと訴えた。
 最後に、総がかり実の高田健さんより行動提起。高田さんは、「今年こそ安倍政権を倒したい。そのためには、総がかり行動を全国に拡大し、安倍を退陣に追い込む」と宣言。
 2月19日(日)は1時半より日比谷野音で大集会と銀座パレード。3月19日(日)は1時半より国会議員会館前行動への結集を。また、総がかり実や沖縄の基地県内移設阻止県民会議など3者が呼び掛けの、沖縄弾圧反対・新基地反対「全国統一署名」の第2次締め切りが3月31日であること、その署名拡大を訴えた。

  1・20開会日

 続く1月20日、総がかり行動実行委は時折小雪が舞う中、「安倍政権の暴走止めよう!1・20国会開会日行動」を打ち抜いた。
 政党・会派からは、民進党・福山哲郎参院議員、社民党・福島瑞穂参院議員、日本共産党・井上哲士参院議員、自由党・玉城デニー衆院議員、沖縄の風・伊波洋一参院議員が挨拶。
 戦争をさせない千人委員会の福山真劫さんが主催者を代表して、「今年こそ本気で安倍政権を打倒する。安倍政権の政策は、国民の支持を得ているわけではない。闘いを大きくすれば、打倒は可能だ!」と訴えた。
 戦争法廃止・共謀罪絶対阻止にむけて、地域・職場から闘いを広げよう。総がかり行動と共同しつつ、安倍打倒闘争の只中で、労働者民衆自身の「第三極」政治勢力を闘いとろう。年内の安倍打倒は可能だ。(東京O通信員)


1・15三里塚芝山連合空港反対同盟「旗開き」東峰現地行動
  第3滑走路計画、新たな住民闘争が

 1月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟は、横堀農業研修センターで2017年旗開きを行ない、50人が参加した。
 開会あいさつを、山崎宏さん(横堀地区)が次のように行なった。
 昨年は三里塚闘争50年で7月16日、東京で集会を行なった。だが政府・空港会社は、大きな攻撃をかけてきている。第3滑走路計画を持ち出して、様々な策動を行なっている。立ち退き対象になる地区で、国交省・千葉県・地方自治体・空港会社が一体となって説明会という形でアリバイ作りを行なっている。その中身は、芝山町北部地区にもう1本滑走路を作るというものだ。さらに平行滑走路(第2滑走路)を北側に延伸する。夜間飛行制限時間を緩和するという。
 今までは午後11時から翌朝6時までの7時間は、飛行機が飛ばない時間だったが、それを今後は4時間に大幅短縮して、飛行制限時間を緩和したいと言い出している。これがいかに経済効果を生み出すかと宣伝しているが、騒音による住民の立ち退き、騒音被害によって夜眠れなくなる事態に関しては、まったく考慮に入っていない。
 柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)が次のように挨拶した。
 第3滑走路計画問題とともに横堀現闘本部裁判があり、裁判所は不当判決を出し、撤去せよと通知してきた。あくまで反対なものは反対だという態度を貫き通していきたい。
 昨年、関西三里塚闘争に連帯する会の刈谷稔さんが亡くなった。あらためて冥福を祈りたい。刈谷さんの遺産カンパをいただいた。闘う闘魂は引き継いでいくことを再認識した。
 三里塚闘争は問題があるかぎり闘っていきたい。農業をやっているから天候の変化を認識している。経済オンリーのグローバリゼーション、弱肉強食の社会の大きな現われだ。開発や発展の考え方に対して、反対の対案を出していかなければならない。
 加瀬勉さん(多古町、三里塚大地共有委員会代表)は冒頭、刈谷さんを哀悼して、「闘いは吾が命なり、一途なる男の生の 誠なりけり」と詠った後、次のように述べた。
 現在、不眠不休の状態で忙しい。権力は、空港の機能拡大として第3滑走路計画を提案しているからだ。多古町にまで入って説明している。1000ヘクタールの面積を必要とし、3500メートルの滑走路を約10年がかりで建設し、50万回の増便を行なっていくという計画だ。そのために2000戸の農民の立ち退きが必要となると言っている。(編集注。第3滑走路によって、騒音にさらされる戸数は2000戸増え、予定地内の200戸が移転を迫られる)
 昨年11月、多古町町長、国・県・空港会社が説明に来た。真正面に対決し、「怒り心頭に発す、機能拡大絶対反対、夜間飛行緩和絶対反対、第3滑走路建設反対、50万回発着反対、騒音被害反対、立ち退き断固拒否」の反論を行なった。「空港と人間の命、どちらが大事か言ってみろ。何人殺してきたんだ」と追及した。防音工事交付金をバラまいているが、木造だから騒音は下がらない。新しい計画でも防音対策をすると言ってカネを積む。しかし騒音被害は下がらない。厳しく追及したが、騒音対策法などの枠内の回答でしかなく、何一つ責任ある回答はなかった。住民の怒りは共通したものだ。住民の怒りに対して、新しい大衆運動として組織していきたい。
 石井紀子さん(成田市川上)、平野靖識さん(東峰地区、らっきょう工場)の発言、清井礼司弁護士の報告、各地からの支援挨拶がなされた。
 旗開き後、三里塚空港に反対する連絡会の主催で、東峰地区でのデモ行進を行なった。デモ隊は成田空港に向けて、飛行制限時間緩和を許さない! 第3滑走路計画を撤回せよ! 裁判所の強制執行=現闘本部破壊を許すな! 原発再稼動反対! 辺野古・高江の新基地建設反対!などのシュプレを叩きつけた。
 (連絡会の共同報道文を編集部責任で要約)
 なお1月21日には、新たな攻撃「成田空港機能強化」を許すな!を掲げて、「2017年関西三里塚闘争旗開き」が尼崎市内で、関西三里塚闘争相談会、関西三里塚闘争に連帯する会によってもたれた。(編集部)