米海兵隊オスプレイ墜落を糾弾する!
  沖縄・全国から
    オスプレイ追放を

 米海兵隊普天間基地所属の垂直離着陸機MV22オスプレイが、12月13日の午後9時半ごろ、名護市東海岸の安部集落から数百メートルの浅瀬に、墜落・大破する大事故が発生した。
これは、沖縄をはじめ国内で初めてのオスプレイ重大事故であり、欠陥機オスプレイの危険性が証明された。今回の事故で、幸いにも沖縄の住民は殺されなかったが、オスプレイの飛行中止の継続、その沖縄配備の撤回、日本全国への展開計画の中止、これらを日米両政府に呑ませなければ、その内もっと大変な死傷事故が起こることは間違いない。
在沖米軍トップのニコルソン第3海兵遠征軍司令官の14日記者会見によると、東海岸沖の夜間訓練中、空中給油機のホースをオスプレイのプロペラが切断し、それが機体に入って損傷したのが事故原因とし、また、パイロットが普天間まで戻るのは危険と判断して、「着水」したのだとしている。
日本政府や「本土」マスコミも、「不時着」と報道して事故を小さく見せようとした。奇跡的に米軍乗組員に死者が出ていないからといって、機体がバラバラになっているものを不時着と言えるのか。辺野古崎のシュワブ基地内への不時着を目指したが、たどり着けず墜落したと見るべきだ。
また、ニコルソンは14日の安慶田副知事との会談では、事故機が「住宅上空を飛ばず、海に着水したことを感謝されるべきだ」などと暴言で開き直り、副知事が配備撤回と言うと「政治問題化するのか!」とテーブルを叩いている。占領者の本音が暴露された。
第一に、今もっとも危険にさらされている沖縄から、一刻も早くオスプレイを撤退させなければならない。
反対運動への暴力と不当逮捕で強行されている高江のオスプレイ着陸帯の工事強行と、その米軍への供与は中止されなければならない。その供与を前提とする、12・22北部訓練場返還式典は中止せよ!
オスプレイ配備撤回は、2012年9月県民大会・13年1月「建白書」以来の、沖縄の民意である。普天間基地閉鎖、県内移設断念せよ、も同様である。
翁長沖縄県知事も、オスプレイ墜落により妥協の余地は無くなった。翁長知事が11月28日、「苦渋の選択」と発言し、北部訓練場半分返還と引き換えにオスプレイ・パッドを容認したのかと問題になった。12月6日の県議会では、オスプレイの県外移転への取り組みを進める中で、高江着陸帯の存在価値は失われ、問題は収れんしていくと答弁し、SACO合意に含まれないオスプレイは認めないと強調した。
また知事は12日の段階で、オスプレイの宜野座村での吊り下げ訓練強行などを理由に、11・22返還式典に出席を見合わせるとしていたが、墜落事故後、式典開催じたいに反対すると表明した。米軍がオスプレイ飛行再開を強行せんとする現況では、当然の姿勢である。
県民の命と安全を守ろうとする翁長県政が、問題の大本・辺野古新基地建設についても、ぶれることなく知事権限(岩礁破砕許可の更新取り消しなど)を行使して、建設阻止の公約を貫くことが期待される。
第二に、「本土」でも、オスプレイ反対闘争を拡大せねばならない。
木更津駐屯地の17年オスプレイ整備拠点化、同年の横田基地への空軍オスプレイ10機配備、19年度以降の陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画、これらの阻止である。
米軍オスプレイの山地低空飛行訓練は、「本土」でしかできない。軍用機は安全性よりも、軍事的利点が優先するが、垂直離着陸機はその極致である。かならず墜落事故が起きる。
また安全性だけが問題なのではない。日米軍事一体化で、自衛隊もオスプレイを取得しようとしている。戦争法ができたことによって、自衛隊のオスプレイも海外で戦争するため武器となっている。戦争反対・9条改憲阻止の立場からも、オスプレイを阻止しよう。(W)


 12・10東京
   「高江オスプレイ・パッド、辺野古新基地の建設
   を許さない!東京集会」に3900名

     沖縄弾圧に緊急抗議
 
 12月10日、「高江オスプレイ・パッド、辺野古新基地の建設を許さない!東京集会-最高裁は沖縄の民意に応える判決を-」が、東京・日比谷野外音楽堂で開催された。3900名が参加した。
 最初に主催三団体からの挨拶。
 まず基地の県内移設に反対する県民会議から仲本興真さんが発言。「負担軽減に名を借りた基地強化に断固反対をしよう」と呼びかけ。高江や辺野古での警察の弾圧は「県民運動の委縮を狙った政治攻撃だ!」、高裁判決は「三権分立を投げ捨てた司法の堕落だ!」と弾劾した。
 「止めよう辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会からは名護市出身の青木初子さんが発言。弾圧たいして「怒りがこみあげてくる」と述べ、差別発言を「許すことはできない」と弾劾、「沖縄の声を東京の地からも発信していきましょう」と訴えた。
 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会からは高田健さんが発言。「今日は、33都道府県37ヶ所で闘っています」「安倍政権は南スーダン派兵をやりながら、沖縄に弾圧です。安倍政権を倒せねば、私たちの未来はない」と語った。
 カンパの訴えがあった後、政党からの挨拶がなされた。
 民進党の初雁明博衆院議員、共産党の笠井亮衆院議員、社民党の又市征治参院議員がそれぞれに、野党・市民共闘で安倍打倒を目指すと発言した。参院会派・沖縄の風の糸数慶子参院議員は、「今日は世界人権デーだが、沖縄は当てはまらない」、「今の日本の司法、立法、行政は、沖縄の民意を完全に無視している」と厳しく批判した。
 ここで「辺野古新基地建設反対!」「高江ヘリパッド建設を中止しろ!」「機動隊は沖縄を弾圧するな」「オスプレイは帰れ!」などのコールを入れ、成蹊大学教授の武田真一郎さんから「高裁判決と最高裁」と題する報告。そして、評論家の佐高信さん、第9次横田基地公害訴訟原告団の福本道夫さん、木更津・オスプレイ来るな・いらない住民の会の野中晃さんから連帯アピールがなされた。
 最後に「沖縄・辺野古・高江の基地建設反対運動への弾圧に強く抗議する」緊急アピールと、「12・10集会アピール」を全員の拍手で採択した。
 緊急アピールは「今回の暴挙は、沖縄の反戦・反基地の運動をつぶすために、市民への脅しと萎縮をもくろんだものであり、表現の自由を奪うものだ」「ひるむわけにはいかない」と決意を述べ、「不当に逮捕、拘留した全員を即時解放せよ!県外、県内のすべての機動隊は、高江、辺野古から撤退せよ!」と要求。集会アピールは「沖縄への差別を許さず、最高裁に対して、民意に応える判断を求めましょう」と訴えた。
 参加者は、再度のコールで集会を締めくくり、東京駅近くまでのデモに出発。途中右翼の街宣的妨害をはねかえしつつ、沿道の人々に「辺野古・高江新基地反対!」「オスプレイはいらない!」「弾圧やめろ!」とアピールした。(M)
 
 
12・10大阪
  「沖縄に基地はいらない!おおさか総がかり
  集会」に4000名

    沖縄の民意尊重せよ

 12月10日、大阪市・扇町公園で、「沖縄県民の民意尊重、基地の押しつけ撤回を!沖縄に基地はいらない!12・10おおさか総がかり集会」が約4000名の結集で開催された。主催は、おおさか総がかり行動実行委(大阪憲法会議・共同センター、市民共同オフィスSORA、戦争をさせない1000人委員会)。
 集会では、沖縄からの連帯あいさつとして伊波洋一さん(参院議員、「オール沖縄」幹事長)が、こう訴えた。「沖縄のヤンバルの森には、4千種に及ぶ希少生物が棲息する。高江の森にも、ノグチゲラという鳥が巣をつくり、抱卵している。国はそれを知りながら、日々ヘリパッド工事を強行している。」「また沖縄の民意はすでに、基地存立にたよる島ではなく、自立・活性化をめざしている。こうした沖縄の気持ちと、基地の存続を許さないという大阪のみなさんの気持ちとを力として、国会内外の闘いを強めていこう」と、力をこめてアピール。
 続いて、兵庫県沖縄県人会の大城会長がマイクを握り、「10月高江での大阪府警機動隊員の『土人』発言を、政府は差別にあたらないと言うが、これが差別でなくて何が差別なのか。戦後平和と言われてきたが、沖縄だけは疎外されてきた。オール沖縄からオール日本へと、運動の拡大を!」と訴えた。
 STOP辺野古新基地建設!大阪アクション、安保関連法に反対するママの会、など発言が続き、大阪での日常の闘いとともに、辺野古・高江現地闘争結集の切迫性・重要性が語られた。
 壇上には、国会野党4党(民進・辻元衆院議員、社民・服部元衆院、共産・辰巳参院議員、自由・渡辺元衆院)の各氏も駆けつけ、野党共闘の強化をそれぞれが述べた。
 なかでも、社民党大阪代表の服部良一さんは、「大阪府・松井知事は、今回の府警機動隊の『土人』発言を受けて、『出張ご苦労様』と言いつつ差別を追認した。こうした人が、大阪に万博を誘致するというが、彼にそんな資格はない。維新の橋下元大阪市長もかって、『従軍慰安婦』問題で許されざる差別発言を行ない、『風俗も必要』と言うなど女性蔑視・差別を助長した。こうした輩が安倍と一緒になり、日常の外国人差別・ヘイトスピーチも容認している。大阪は在日朝鮮・韓国の人々をはじめ、多くの外国の人々も移り住む共生の街だ。みな苦しみながらも、懸命に働いて日々生活している。安倍や維新の差別政策を許さず、かれらを打倒するために、そして共生の社会づくりのために前進しようではありませんか!」と訴えた。大阪に横たわる差別の実態を直視し、その根絶への取り組み強化を訴えた、よい発言であった。
 集会は宣言採択後、市役所・中崎町2コースのデモに移り、久方ぶりに多くの組合旗がはためいた。米総領事館前では、米軍は日本から撤退せよ!オスプレイ配備をただちに中止せよ!等の力強いシュプレをぶつけた。(関西I通信員)