韓国民衆総決起が朴打倒
  国際連帯おしひろげ、日本民衆も安倍打倒へ

 韓国民衆の朴槿恵打倒の闘いは、やむことなく燃え盛り、怒りは天を衝くばかりに勢いを増している。とくに11月以降、朴大統領の即時退陣などを求めて、韓国全土で百万を超える民衆が4度も立ち上がり、首都ソウルでは連日のように万余の民衆が、大統領府・青瓦台に向けてデモンストレーションを行なっている。
 今回の大闘争は、87年の民主化大闘争を凌駕するものと言われる。
 「崔順実ゲート」(大統領の情報流出・職権乱用事件)が9月以降大きく報道されるようになり、10月29日から朴クネ退陣を掲げた第一次汎国民行動が、ソウル3万人で始まった。11月5日の第二次汎国民行動では、予想を大きく上回る20万人のデモとなった。
 翌週土曜日の11月12日には第3次汎国民行動が、ソウルの目抜き通りを埋め尽くす126万人の壮大な集会・デモとして終日行なわれ、青瓦台にも多くの民衆が迫った。光化門に設けられた巨大な特設ステージを含め、二十数ヵ所の会場が設けられた。民主労働運動を切り拓いた全泰壱さんの焼身抗議の命日11・13前後に、労働者大会が例年行なわれているが、今年はこの11・12に設定されていた。このため日本からも、全労協、日韓ネット、反戦実行委参加者などの仲間たちが訪韓し、このソウルの大行動に参加した。この11・12の時点で民衆の決起は、全斗煥を退陣に追い込んだ87年の民主化大抗争を超えた。
 11月19日の第4次汎国民行動は、ソウルばかりではなく全国主要都市での同時決起となり、ソウル70万人、全国で105万人の全国行動となった。
 11月26日の第5次では、ソウルで150万人がキャンドル行動などを実現し、そして直近の12月3日の第6次汎国民行動は、ついにソウルで170万人、全国で232万人の民衆決起となっている。
 このかん強気な姿勢を見せていた朴クネも、11月29日には早期退陣の声明を公表したが、その時期を明らかにしなかったため、民衆側も議会野党側もこれを受け入れず、野党側は大統領弾劾決議案を国会に12月2日提出し、9日に採決となった。与党セヌリ党側は、内部分裂を含みながらも、次期大統領選をにらみながら4月退陣を打ち出した。どうあろうとも朴クネの退陣は、既定の事実となったのである。
 韓国全民衆の総決起状態が続く中、労働者民衆の怒りの中身を表現しているのが、次の三つの要求と言える。①昨年の労働者大会で警察の放水攻撃で意識不明となり、先日死去された農民ぺク・ナムギ氏に対し、国家暴力責任の処罰を行なうこと。②同昨年労働者大会を指導したとの容疑で拘束されているハン・サンギュ民主労総委員長を釈放すること。③セウォル号惨事の真相究明を行なうことの3点であり、これにチェ・スンシルゲートが重なって朴打倒闘争に盛り上がったといえる。
 この闘いを一貫して闘い抜いているのが、民主労総といえる。最大野党の「共に民主党」などは、民衆大決起の最中、民衆の要求とはかけ離れた形で朴クネとの会談さえ行なおうとしたが、大運動に押される形で撤回するという醜態を晒した。
 今の韓国は、このかんの朴クネの暴政によって多くの問題に直面している。THAADミサイルの配備強行、労働法改悪、教科書国定化などで、韓国民衆の平和と生活が脅かされてきた。これに対決する真に革新的な民衆政治勢力、韓国で言う進歩勢力が、統合進歩党への解散命令の以降、再建はおろか共同行動も充分には進んでいるとは言い難い状況にある。そのためか、現段階では民主労総がその役割を担っているようにも見える。今ほど、真の進歩政党の再建が望まれる時期はない。
 また、韓国の朴打倒闘争に対し、日本での連帯運動が極めて弱い。反戦実や日韓ネットは、昨年来の戦争法廃止・安倍打倒の闘いの中でも、日韓民衆連帯など国際連帯を掲げて闘ってきたが、共同行動全体としては国際主義的観点は微弱である。わが仲間たちは、現在の韓国民衆の闘いを全面的に支持しつつ、日本での闘いを刷新していく必要がある。


労働者共産党が第3回中央委員会総会を開催
  革命的左翼の立て直しへ

労働者共産党は、去る11月の過日、第6回党大会下の第3回中央委員会総会を開催した。この3中総では、常任委員会提出の決議案一本が可決されるとともに、来年開催予定の第7回大会へ向け、今後の党建設の基本方向ついての討議などが開始された。
決議案「『3分の2』情勢下、左翼はいかに勝利を切り拓くか」は、ここ一年の情勢評価と、次期大会を見据えた当面の方針を提起するものであった。
その情勢では、改憲発議阻止・戦争法廃止をかちとるための野党・市民共闘を支持しつつ、また独自に「第三極」政治勢力の形成と左翼革命勢力の前進が問われていること、これを軸に国内情勢を評価し、国際情勢としては、米大統領選でのトランプの当選、イギリスのEU離脱に示される帝国主義陣営の動揺をどうみるか、などについて当面の認識・態度を提起するものであった。
その任務では、政治課題としては、「沖縄の自己決定権を支持し、新基地建設を破綻させる」ことを筆頭に安倍政権の覇権政治と対決すること、また共謀罪新設、天皇制強化などとの闘いが提起された。労働運動、社会運動としては、非正規労働者とともに安倍「働き方改革」に対決すること、また、「個に解体されている非正規・失業者が大規模に集合し・生存を確保し・闘うための空間をつくり出すための、ネットワークを作っていく」など反失業闘争の方針、また脱原発社会など共生・協同の社会づくりの闘い、これらが提起された。
そして最後に、労働者民衆による「第三極」の必要とともに、共産主義者の団結・統合について、「惰性を超える勇気と政治的知恵が求められる」と提起された。
この決議案は、5名の中央委員から計10本の修正案が出され、9本が可決された上で、全員賛成で採択された。
続いて総会は、このかんの中央・地方活動などを討議しつつ、次期大会の課題を検討した。それは、「分裂・分散と高齢化」という危機にある日本の共産主義運動、これを抜本的に立て直すための大会となるだろう。その役割と責任を自覚しつつ、総会は終了した。(了)
(2~3面に決議全文)