冬季特別カンパを訴える!
  世界は変わる、日本も!

 読者・友人のみなさん! このかん世界的に大きな変動が起き、日本でも根本的な政治・社会変革が問われる情勢となっています。
 一つは、10月以降始まった韓国民衆による朴クネ政権打倒闘争の圧倒的な高揚です。この闘いが、韓国大統領の首のすげ替えに収束させられることなく、朝鮮半島の統一・平和構築と、東アジアの変革の時代につながることが期待されます。また、このかんの日韓両政府の諸合意の全面的見直しが問われています。日韓米の軍事結託をすすめてきた朴クネも、安倍政権も退陣させねばなりません。
 韓国民衆の闘いに連帯し、戦争法廃止・安倍打倒の大衆闘争を再構築しよう。
 もう一つの変化は、米国でのトランプ次期大統領の出現です。「米国第一」を掲げる新政権の、対日本・沖縄・朝鮮半島政策が実際にどうなるか予断はできませんが、すくなくとも安倍政権による米国世界覇権の補完、日米同盟基軸路線、この動揺は避けられません。日米安保粉砕、全軍事基地撤去、これが改めて問われる情勢となっています。
 変化をとらえ、安倍打倒の広範な共同闘争と、革命勢力の団結・統合・前進を押し進めていこう。そのための圧倒的カンパをお願いします!
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「米国第一」かかげ、トランプが新大統領に
  安倍外交は破綻

 11月8日のアメリカ大統領選挙で、大方の予想を覆して共和党非主流派のドナルド・トランプが、民主党のヒラリー・クリントンに勝利し、1月20日にトランプ新政権が生まれることとなった。
 トランプの勝因は、反既成勢力のイメージと「米国第一」主義の主張が、彼の極端な排外主義・差別主義的言動にもかかわらず、米国有権者に一定受け入れられたからと見られている。
 したがってトランプ勝利の意味の一つは、このかんの新自由主義グローバリズムのもたらした世界中での格差拡大、労働者民衆の生活破壊が、新自由主義の中心・米国においても顕著であること、その新自由主義の結果に米国市民が不満を表明したということである。そのことは、民主的社会主義者を自認するサンダースが、民主党予備選で若者の支持を集めて大健闘したことにも明白に示されていた。
 この新自由主義の結果に対する反動は、6月のイギリス国民投票でのEU離脱決定、これにも示されていた。労働者民衆の不満は主要国で、国家主権の再強化を掲げる右派ナショナリストに、今のところは掠め取られる傾向となっている。
 トランプの公約の中心は、「米国第一」主義である。内政では、移民流入の制限・不法移民の追放、白人労働者をはじめとする国内雇用の優先、国内製造業保護のための関税政策、そのためのTPP離脱などが主張されている。
しかし工業品への高関税などは、小国が産業自立を図るという場合を除けば、まったくの時代錯誤である。それは自国の労働者の生計費を高くつかせるだけで、幻想に終る。日本などのいわゆる非関税障壁を打破し、投機資本や多国籍企業に都合のいいルールを共有させようとした米国のTPP推進派は、中・西部の不満に当面は妥協しても、消え去るわけではない。
トランプ勝利の第二の意味は、アメリカ帝国主義の世界覇権の衰退である。「アメリカは世界の警察官ではない」という言辞が、次期政権では実際的意味を持ってきている。
「米国第一」主義が、軍事・外交政策でどう具体化されるかは未知数であるが、日本・NATO諸国に、より多くの財政的・軍事的負担を求める姿勢は明白に示されている。次期政権では、G7諸国の協調が相対的に軽視され、ロシアや中国との取り引きを優先する傾向が予想される。トランプも日米安保条約を必要とするが、「米帝を主柱とする国際反革命同盟体制の、その歴史的崩壊への序曲が始まったということができる」(労働者共産党・3中総決議)。
 共和党のブッシュ政権は、世界各地で戦争を強行した。「米国第一」では、それが慎重になるとも見られているが、米国の裏庭と見なす地域、キューバなどに対しては、より覇権主義的になる危険がある。
さて、トランプ勝利によって安倍外交が破綻した。おお慌てで安倍は11月18日、訪米してトランプと会談。帰国して「信頼関係を築けることを確信」と述べたが、一致・不一致の内容をまったく報告できなかった。21日、トランプは優先政策で就任初日にTPP離脱と発表し、安倍に冷水を浴びせた。日本のTPP批准強行が無意味となり、調印国市場を狙った「成長戦略」が破綻した。
12月15日のプーチン訪日も、ロシアによる米次期政権の対ロ政策待ちとなり、日ロ首脳会談での大きな「成果」はなくなった。
安倍は、「対米一辺倒」も続けられず、極右本来の「戦後体制の打破」・「自主国防」にも開き直れない、というジレンマに陥っている。(A)