南スーダン11月派兵阻止
  やめろ!沖縄・高江ヘリパッド工事強行、全国から支援を


 7月参院選後、安倍首相は8月3日に、極右アベ・チルドレンの稲田朋美を防衛相に抜擢するなどの改造内閣を発足させた。
そして前日の臨時閣議では、事業費28兆円の経済対策を決定した。アベノミクスで言う「民間投資が主導する経済成長」がすでに破綻し、国債だのみの大規模財政出動・軍事経済しか打つ手がなくなっている実態が、暴露されたのである。
また安倍は、8・15を前に稲田防衛相を、自衛隊唯一の海外軍事基地・ジブチ視察に出張させた。これは、稲田の靖国参拝強行による国際的孤立を回避するための苦肉策であったが、安倍が回帰した親米路線と、民間右派勢力との矛盾も暴露されたのである。
8月8日の天皇メッセージは、安倍政権が対応を誤まれば、その右派支持基盤が混乱状態になる可能性もある。しかしまた、リベラル派を巻き込んでの「公的行為」明記の改憲論にいきつく危険性もある。
こうした中、9月26日から臨時国会が始まる。
直面する第一の課題は、南スーダンPKOへの自衛隊派兵阻止である。稲田防衛相は8月24日、安保法で付加された武力行使の新任務の訓練開始を指令した。11月派兵の部隊から、新任務が付加される。
安倍政権は、PKO等協力法で不可となるので、南スーダンが内戦状態に回帰したことを認めていない。国連安保理は先月、アメリカの強いイニシアチブで、南スーダンPKOの増派と武力行使条件の緩和を決定した(中国、ロシアは棄権)。この決定は、おもな紛争当事者双方の同意という国連PKO原則に違反し、南スーダン政府の反対を無視して行なわれている。これは、PKO部隊そのものが、内戦の一当事者、侵略勢力になっていくことを意味する。
そこに自衛隊が、中核部隊として投入されんとしている。これは、戦争法施行後の最大の危機である。自衛隊員が海外で殺し、殺される事態が、目前に迫っている。
青森駐屯地を主力部隊とする派兵現地での闘い、自衛官への呼びかけが問われている。また、戦争法強行成立一周年の9・19全国行動を、南スーダン派兵阻止の一大デモンストレーションとすることが問われている。
臨時国会から、改憲派「3分の2」国会での、憲法審査会の稼動が策されているが、南スーダン派兵の強行は憲法情勢に深刻に影響する。
自衛隊官が殺し、殺される事態に突入するとどうなるか。政府・マスコミは一気に有事・緊急事態モードをかき立て、与野党の審議などは吹き飛ばして、緊急事態条項などの改憲論が大手を振って歩くようになる危険がある。現在の民進党代表選での、候補3氏の色合いの違いなども吹き飛ばされ、一気に民進党が改憲翼賛に取り込まれる危険がある。
平時では、「3分の2」状況でも改憲発議はかんたんに進まないが、非常時ではどうなるか分からない。ファシスト安倍の総裁任期は一応、再来年8月まで。明文改憲が宿願の安倍なら、火付け謀略だってやりかねない。

  辺野古9・16判決

 もう一つの重要課題は、沖縄・高江ヘリパッドの建設強行阻止、辺野古新基地建設の陸上部工事再開の阻止である。
 全国動員で機動隊の暴力を使い、違法にテント撤去や森林伐採が強行されている高江の事態は、全国世論と全国からの現地応援で止めなければならない。
また9月16日に辺野古埋立て問題では、翁長知事が是正指示に応じないことを国が訴えた訴訟の判決が、福岡高裁那覇支部で出されようとしている。裁判長は、代執行裁判で和解勧告を出したのと同じ多見谷氏である。
多見谷氏は1月末の和解勧告で、「本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべき」と正論を述べた。その後3月の政府・県の和解合意が成立し、新しい裁判の判決確定までは「円満解決に向けた協議」となった。
以来、真摯な協議がなされない中、半年しかたっていないのに多見谷氏は判決を出せるのか。再度、和解勧告を出すのなら分かるが、政府の訴えを認めるのならば、和解が司法ぐるみの謀略だったと認めることになる。
いずれにせよ、9月判決以降は工事再開というのは認められない。全国で辺野古NO!の闘いを強化しよう。