反戦実が「戦争法廃止・安倍たおせ!12・12集会」
  労働者民衆の新しい潮流を

 12月12日の午後、「戦争法廃止12・12安倍たおせ!集会<2015年を振り返り、新たな闘いを展望する>」が、東京・千駄ヶ谷区民会館において、約200名の結集で開催された。主催は、戦争法廃止!安倍たおせ!反戦実行委員会。
 冒頭、開始前に、「11・18シュワブゲート前の闘い」を中心とする辺野古新基地反対運動の映像が上映された(撮影・編集、専修大・辺野古ゼミ)。
 集会は、土屋さん(反戦実)の司会・主催者挨拶の後、講演「戦争法成立後の情勢」が、半田滋さん(東京新聞編集委員・論説委員)から行なわれた。
 半田さんは、「日本は戦争をするのか―集団的自衛権と自衛隊」との題でレジュメを提起し、安倍政権の今日までの経過、今後の方向性を中心に論じた。
安倍首相は、祖父岸信介の遺志を継いで、2006~7年の第一次政権時から、国家主義・天皇元首制・基本的人権の抑圧・国防軍の創設を基本理念に、教育基本法改悪・改憲国民投票法・安保法制懇設置などを強行してきたが、国民の反発を招き、また、その戦前回帰と歴史修正主義のために米国からも不信を招いた。その後、日本通のアミテージや外務省と協調を謀りつつ第二次政権では、米国との協力を重視して、秘密保護法制定、集団的自衛権容認の7・1閣議決定、日米ガイドライン改定、米国議会演説、TPP妥結と、日米同盟の強化を進めてきた。国民に対しては、アベノミクスと称して経済対策を唄った。
そして、閣議決定による解釈改憲で立憲主義を無視しながら、「テロから安全確保」、PKO活動などを手始めに、自衛隊の戦う海外派兵を開始している。麻生財務相のヒットラー主義の手法を模倣して明文改憲もねらい、武器輸出の解禁、原子力技術の輸出に踏み込んでいる。
半田さんは、こうした安倍政権との対決では、「安保法の死文化」(違憲訴訟、批判的自衛官の支援)、「参院選挙での野党の結束」、「安保法反対の持続」の三点を闘争展望として提起した。明快な講演に、大きな拍手が寄せられた。
続いて、集会基調が、松平さん(反戦実)から提起された。反戦実行委員会は、2014年12月の予備的集会を起点に、15年1月に結成されて以来、戦争させない9条壊すな総がかり行動実行委の共同行動の一翼を担いつつ、独自に集団的自衛権法制化阻止・安倍政権打倒をめざして闘ってきた。
戦争法は強行採決されたが、「闘いはこれから」と人民の怒りは持続している。このかんの闘いの意義は、60年70年と並ぶ大きな闘いを実現し、国会前8・30のように民衆が主役となる時代へ踏み出したこと、しかし、その弱点としては、戦後体制を安倍から守れという政治が主流になっている。
それ故、我々は「守れという政治」ではなく、現実を変革する政治として、反戦実を解散せず、その飛躍をめざす。非正規下層労働者の立ち上がりを進め、労働者は職場から、学生は学園から、市民は地域から闘いに参加しよう。労働者民衆の独自の勢力、新しい潮流を登場させよう、と基調が報告された。
 つづいて連帯アピールが、専修大・辺野古ゼミ、沖縄一坪反戦地主会関東ブロック、フリーター全般労働組合、再稼動阻止全国ネットワーク(「伊方の家」の八木さん)から行なわれた。八木さんは、伊方原発再稼働を問う八幡浜市の住民投票請求署名が、有権者3分の1を超える1万1175人集められたことを熱く報告した。
 韓国、フィリピンからのメッセージを確認した後、「辺野古新基地建設阻止!沖縄の自己決定権断固支持!」「戦争法の発動阻止!」等の集会スローガンを斉唱して集会を終った。(東京Y通信員)


12・19総がかり実「19の日」講演会
  市民主導で統一候補を

 12月19日、安保法が9月19日に強行成立して以降、3回目の「19の日」行動が全国各地で行なわれた。
 東京では今回は国会前ではなく、王子駅傍の北トピアにおいて、「自衛隊を戦場に送るな!総ががり講演会」が、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の主催で開かれた。午後の定刻前から2千名以上が集まり、会場に入れず多くの人が帰ってしまうという不手際もあった。明年へ戦争法廃止・安倍打倒をどう闘うか、その関心の高まりを示したとも言える。
 講演会は、高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委)の主催者挨拶、中野晃一さん(上智大学教授、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)の連帯挨拶が行なわれた。中野さんの「市民連合」は、来る7月参院選の一人区などで、市民と諸野党の共同による無所属統一候補を実現しようという運動を進めている。
 政党挨拶は、民主党の小川敏夫参院議員、共産党の山下芳夫書記局長・参院議員、社民党の吉田忠雄党首・参院議員、生活・山本の渡なべ浩一郎元衆院議員から行なわれた。
 講演は、井筒高雄さん(元陸上自衛隊レンジャー部隊)が「戦争法と自衛隊」について語り、海外武力行使を可能にした戦争法と実際の自衛官との矛盾などを指摘した。
 また高木太郎さん(労働弁護団前幹事長)は、このかんの「自衛隊の家族相談」について報告した。戦争法についての自衛官家族や本人からの相談件数は、自衛隊イラク派兵の時に比べて、非常に多くなっている。
 最後に、総がかり行動実行委を構成する3団体(1000人委員会、9条壊すな!実行委、憲法を守りいかす共同センター)の各々から、「2000万人署名」など戦争法廃止の取り組みについてアピールがあった。
 新年最初の総がかりの闘いは、1月4日の通常国会開会日、衆院議員会館前で午後1時から。新年早々から戦争法廃止・安倍打倒の声で、安倍政権と国会を圧倒しようではないか!(東京W通信員)


 3月に東電元会長ら公判
    福島告訴団12・10検審激励行動

 12月10日、原子力安全保安院の3名と東京電力の津波対策責任者2名に起訴相当の議決を求めて、東京第一検察審査会への激励行動が東京地裁前で行なわれた。福島原発告訴団など、各地から200名を超える人々が地裁前歩道を埋めた。
 福島原発事故で、大津波の試算を知りながら対策を先送りしたこと等の刑事責任(業務上過失致死傷罪)を問う福島告訴団の闘いは、第一次起訴では検察の不起訴をはねのけ、7月に第五検察審査会で東電元役員3名の起訴議決を勝ちとっている。
 第二次起訴では、これも検察は不起訴としたが、経済産業省保安院の官僚などの責任を問うものとして、現在、第一審査会で審理中である。12・10の行動は、新年1月末に、この第一審査会で議決が出るのでは、と予測される局面での闘いであった。
 第一次起訴のほうでは、強制起訴が決まっているのに、この行動の日時点でも検察は依然起訴していない。しかし遅くとも新年3月までには起訴するとみられている。
 それで行動冒頭でも、武藤類子さん(原発告訴団団長)が、「3月位から東電元幹部3人の刑事裁判が始まる」と報告した。
 また、この開始される裁判を支えるために、訴訟支援団が結成される。1月30日に、「福島原発刑事訴訟支援団1・30発足の集い」が行なわれる。
 官僚を含めた5名も必ず起訴させ、責任を取らせて、原発社会に終止符を打っていこう。(A)


野宿者自立支援法17年時限ふまえ、12・5釜ヶ崎講座
 第46回釜ヶ崎越冬闘争を共に

 12月5日、釜ヶ崎講座「第22回講演のつどい」が大阪市のエルおおさかで開催された。NPO釜ヶ崎支援機構の事務局長・松本裕文さんが、「取り残されるホームレス問題の解き口を探して」と題する講演を行ない、2017年に時限を迎えようとする「ホームレス自立支援法」が今日まで果たしてきた役割と、今後の解決すべき課題について多彩な事例をあげて語った。
 松本さんが強調したのは主要に次ぎの3点。①いまだ、都市部を中心に路上生活者・野宿者が、仕事をしながら、そして仕事の欲求を抱えながら存在している。②新法としての「生活困窮者自立支援法」では、ホームレスの人々の生活・就労をバックアップしていくには困難な面があり、自立支援の具体策に欠けている。③運動側の使命としては、現場に足を付けながら、自立支援を求める側の「自負」の側面、つまり労働者の誇りや希求に立脚しながらの運動展開が重要だ、というものであった。
 講演後、発言した釜NPO理事長の山田実さんは、「ホームレス自立支援法は、日本の長い歴史の中で『怠け者』呼ばわりされてきた野宿者への差別・排外意識を、国の責任で根絶すると宣言した法である」と語り、我々は及び腰で国・行政に期待するのではなく、差別根絶の理念を高くかかげ、引き続き運動づくりに邁進することしかないであろうと述べた。
 また、釜ヶ崎日雇労働組合の山中委員長が、直面する第46回釜ヶ崎越冬闘争について述べた。12月28日の越冬突入集会より、1月4日の対府市要望書提出行動(御礼参り)までの圧倒的成功と参加を訴え、メシが喰えて安心して暮らせる釜ヶ崎の仕組みづくりに、引き続き尽力していくとアピールした。また支援団体などによる、12・20越冬支援連帯集会も行なわれる。
 最後に、釜講座の渡邉代表が、12・30夕刻からの「講座一日越冬連帯行動」、新年3日午後からの「新春釜あるきツアー」への参加を訴えつつ、講座としての今後の運動継続を語った。
 なお、来る第46回釜越冬の闘いは、昨年来の行政による「南港臨泊」の廃止に代わり、新設された北シェルターを中心として、釜の仲間たちの団結の力による臨時宿泊・越冬の取り組みとなる。越冬闘争実行委、釜ヶ崎反失業連絡会などに連帯し、釜越冬闘争に参加しよう!(関西I通信員)