辺野古埋立て絶対阻止!

 沖縄・辺野古の新基地建設反対闘争は、戦争法廃止の闘いと同様、決して負けられない闘いである。そして、沖縄の人々の自己決定権が懸かった闘いであると同時に、日本全体の民主主義が懸かった闘いである。「民主主義ってなんだ!」、それは先日までは国会前の大群衆の中で問われた。それが今は、辺野古工事の強行を伝えるテレビの前で、日本国民に問われている。
 政治の表層は、自民・公明・大阪維新の新自由主義反動勢力(第一極)と、民主・共産・社民・生活・維新などの保守リベラル・改良勢力(第二極)とによる対決局面となっている。後者は戦争法廃止で一致しているかのように見えるが、しかし、民主の中には部分廃止論もある。11月22日大阪府知事市長ダブル選挙での大阪維新の勝利は、底の浅い「野党協力」の無力さを暗示した。
 辺野古新基地阻止の闘いは、「野党協力」の内実を問うものでもある。労働者共産党の2中総は、「労働者民衆の闘いが弱い場合には、『第一極』に対する『第二極』の密集は崩れる」と指摘した。労働者民衆の闘いの旗を掲げよう。それが、「第三極」政治勢力である。(編集部)

11・29東京
 辺野古に基地は造らせない大集会に4千
   
日本政府の横暴を許さず 

 11月29日、東京・日比谷野外音楽堂で「11・29辺野古に基地は造らせない大集会」が開催され、野音内外に約4500名が参加した。
この集会・デモは、沖縄県翁長知事の10・13「埋め立て承認取り消し」の以降では、これを断固支持する東京での最大規模の行動となった。参加者は、国・沖縄防衛局の違法な対抗策と工事続行を糾弾し、現地シュワブ基地ゲート前・海上での連日の闘いに連帯して、埋め立てを必ず阻止することを誓い合った。
 主催は、「止めよう!辺野古埋め立て国会包囲実行委員会」で、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が協力した。
 大集会は午後1時半から、辺野古へカヌーを送る会の山口千春さんの司会で始められ、最初に野平晋作さん(ピースボート)が主催者あいさつ。
 野平さんは、「安倍政権は代執行を提訴し、沖縄防衛局は私人になりすまして不服審査請求、国になったり私人になったりのデタラメだ。政府は、普天間オスプレイの訓練移転について、地元了解が得られないとして佐賀移転を撤回したが、地元了解がないまま沖縄では辺野古工事を強行している。このダブルスタンダードを、我々本土市民こそ許してはならない。本土の各地方議会でも辺野古強行に対して、地方自治法を守れ、の声が出てきている。違憲の安保法の廃止とともに、沖縄から基地をなくすこと、これが日本の民主主義だ!」と訴えた。
 続いて沖縄から、安次富浩さん(ヘリ基地反対協・共同代表)、高里鈴代さん(島ぐるみ会議・共同代表)、また島ぐるみ会議共同代表でもある連合沖縄の大城紀夫さんの3氏がアピールした。
 安次富さんは、「翁長知事を誕生させたのは、沖縄の民意。この民意を生かすことが民主主義。この民意に反すること、また憲法違反の安保法を強行することは、反民主主義だ。それをやってる安倍は、アベマリアならぬアベサタン。サタンは本土から警視庁機動隊を動員し、ゲート前では激しい闘いになっている。昨日は、肋骨骨折者が出た。安倍をつぶす気持ちで現場は闘っているが、参院選でも各地で沖縄のように統一候補を作って、安倍政権をやっつけよう。沖縄の闘い、安保法、原発、そしてTPPの四つの闘いを結んで、安倍を打倒しよう!」と訴えた。
 高里さんは、「島ぐるみ会議」訪米団(11・15~22)の活動を報告。「沖縄の人々を支えるとの、バークレー市議会の決議はすばらしい。しかし辺野古の問題は、日本の政府と国民の問題とする傾向が米国にはある。私たち訪米団は、あなたも当事者と、米国側に当事者性を訴えて来た。工事車両は、米軍発行の許可証を持ってゲートに入っている。米国が許可証を出さなければ、日本政府の工事は進まない」。大城さんは訪米団での、米労働総同盟などへのアピール活動を報告した。
 学者・文化人からは、枝元なほみさん(料理研究家)、田中宏さん(一橋大学名誉教授)が発言した。田中さんは、在日外国籍者の人権問題で知られる人であるが、「国連人権規約第一条は自己決定権をうたい、また国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、日本政府に対して勧告を出し、朝鮮高校無償化排除の是正とともに、『琉球人を先住民族として承認し、その権利を認めること、また琉球人との協議を行なうこと』を求めている」と指摘し、この勧告に逆行する辺野古強行を批判した。
 集会後半はリレートーク。総がかり実行委の3団体、戦争をさせない1000人委員会、解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センターをはじめ、平和フォーラム、安保破棄中央実行委、全労協、マスコミ文化情報労組連絡会議、シールズ、東京沖縄県人会などなどが次々と発言した。
 その中でも、東京都武蔵野市の市議会議員である内山さと子さんは、9月議会での辺野古意見書可決について、「意見書は、自治尊重、建設反対を国に求めるもので、全25の内、公明3を含む賛成18で可決された」と報告。「東京北区など11議会で意見書案が提出されており、市民主導での採択を広げよう」と訴え、また、「名護市誘致派が全国800市議会に陳情書をばら撒いたが、12月議会では誘致派の我那覇氏が陳述しての審査がある」とも報告した。
 また、全国土砂搬出反対連絡協議会の湯浅誠さんは、「ふるさとの土を一粒たりとも戦争に使わせないとして、奄美、天草、五島、門司、周防、小豆島などの人々が、辺野古埋め立ての土砂搬出に反対して連携している。5万余の署名を提出した」と報告し、「大浦湾は生物多様性の宝庫であり、政府は基地を建設するのではなく、生物多様性国家戦略として海洋保護区に指定しなければならない」と訴えた。
 集会は最後に、代執行裁判が福岡高裁那覇支部で始まる12月2日に、提訴撤回を求めて首相官邸前行動(午後6時半)を行なうことを確認、シュプレを上げて終了した。
 デモ行進は、銀座方面へ貫徹された。沖縄が現場で、法廷で、激しい闘いに入っている中、これを「本土」民衆自身の課題として、民主主義、自治の問題としてアピールした重要な大衆行動であった。(東京W通信員)

 
反戦実行委、11・16∼19辺野古に派遣団
 確信ひろげた11・18完全阻止

 11月16~19日、われわれ「戦争法廃止!安倍たおせ!反戦実行委員会」の派遣団5名は、新基地建設を強行する日本政府との闘いで緊迫する沖縄・辺野古を訪れた。沖縄は、連日30度越えの暑さだった。
 17日早朝には早速、米軍キャンプ・シュワブの工事用ゲート前で座り込みに参加。参加者は200名近くだったか。警視庁機動隊による、ごぼう抜きを経験した。大阪・釜ヶ崎日雇労組の知り合いが来ていたり、カヌー隊として反戦実の仲間がいたりで、少し驚きのある滑り出しとなった。この日の夜は、私を含む二名が、ゲート前テントに泊めてもらった。
 18日は、前日に日本政府が翁長沖縄県知事の権限を奪うために行なった福岡高裁那覇支部への代執行提訴、これに対する抗議行動であり、また「島ぐるみ会議」訪米団への激励の意味もこめ、そして沖縄の総がかり(国会議員・県議会議員・市町村議会議員をふくむ)による工事車両阻止の闘いだ。前の週から開始された毎水曜日の集中闘争である。
「1000人集まれば工事は止められる!」と、まだ暗い早朝5時頃から続々と人が集まりだし、1200名が結集する。工事用ゲート前に数百名が座り込み、その周囲の歩道も埋まっていき、更に第二ゲートにも200名が、という布陣を敷く。歌をうたうなどして待ち構える中、8時になっても、10時になっても工事車両は現れず、機動隊も米軍基地内に籠ったまま出てこない。結局、闘わずして勝つ画期的な闘いとなった。
この日の勝利は、勝利への確信を押し広げ、大きなうねりとなっていくに違いない。参加できてよかった。
 夜は名護市街に出て、10名余で飲み会となった。
 19日も座り込む。闘いは連日だ。前日の大きな取り組みの翌日にも拘らず、約200名近くが参加した。前日に機材搬入を完全阻止する大勝利があり、またボーリング調査に抗議する仲間を海保が押さえつけ失神させた前日の事件への怒りも重なり、参加者の気持ちは昂揚していた。早朝の闘いが一段落した午前8時、派遣団は辺野古を後にした。
 印象的だったのは沖縄の人たちが、日本政府による警視庁機動隊の派遣を、1879年の琉球処分と重ね合わせて厳しく批判していたこと。またアメリカも当事者だとして、嘉手納空軍基地をはじめとした全基地撤去に攻め上る用意のあることも語られていたことである。沖縄差別・軍事植民地化の歴史に終止符を打つ沖縄の強い意志を、肌身で感じることができた。
沖縄の闘いと連帯し、「本土」において安倍政権打倒の展望を何としてでも切り拓いていこうと思う。(M)