9・23さようなら原発さようなら戦争全国集会に2万5千人の大結集
  戦争法も原発もいらない

 9月23日、東京・代々木公園において「9・23さようなら原発さようなら戦争全国集会」が開催され、主催者発表で2万5千人が結集して、原子力発電所の再稼働と戦争法案の廃止などを訴えた。主催は、さようなら原発一千万署名市民の会で、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委が協力した。
 安保法制案は9月19日に強行成立させられたが、その直後に安保国会闘争の勢いを継いで、この2万余の大集会・パレードが実現されたことの意義は大きい。安倍打倒の闘いはこれから、という奮起を促がした。いわゆる反原発3団体の共催ではなく、一千万署名系の単独主催であったが、平和フォーラムや原水禁に参加の労働組合や、独立単産の全国的結集が目立った。
 メインステージの代々木野外音楽堂で午後から、全体集会が始まった。一千万署名呼びかけ人の大江健三郎さんや澤地久枝さんなどの挨拶に続き、河合弘之弁護士、福島からは武藤類子さん(原発告訴団、ひだんれん)など、鹿児島・川内からは野呂正和さん(川内原発増設反対鹿児島県共闘会議)が発言した。
 野呂さんは、「川内原発1号機につづき、2号機の十月再稼働が強行されんとしている。しかし、2号機の蒸気発生器は30年たっても交換しておらず、きわめて危険だ。鹿児島市での10・12全国集会に結集を!」と訴えた。
 戦争法案反対運動からは、奥田愛基さん(シールズ)、上野千鶴子さん(総ががり行動実、学者の会)が発言。上野さんは、「学者と学生は、70年安保では対立したが、今は共に闘っている。つまり反安保だけでなく、反知性主義の闘いになっている」と述べた。(この上野さんのまとめ方には、違和感を持つ全共闘世代の方は多いのではないか)。
 沖縄・辺野古新基地建設反対からは、木村さん(一坪反戦地主会関東ブロック)が訴え、また韓国、フランスからも連帯の発言があった。
 3時過ぎから、原宿コースと渋谷コースで延々としたパレードが行なわれ、反原発・戦争法廃止が連休の街中に訴えられた。(東京A通信員)


福島原発告訴団の第二次告訴
  -9・25検察審査会激励行動

 
 官僚ら5名も起訴相当へ

 9月25日、福島原発告訴団は、霞ヶ関官僚ら5名に起訴相当の議決を求めて、東京第一検察審査会への激励行動を敢行した。
 すでに東京電力元幹部3名のほうについては、7月17日に第五検察審査会で起訴議決が実現し、強制起訴が決定している。今後11月頃に強制起訴が行なわれ、来春3・11までに裁判が始まる予定といわれている。検察官役の指定弁護士が3名から5名に増員、必勝態勢の布陣もしかれようとしている。
 9・25は、それに続く第二弾の闘いだ。当日、検審が行なわれる東京地裁前には、雨の中でも多くの人々が結集、地裁前歩道を埋めた。
 2015年1月13日、福島原発告訴団は、第二次告訴・告発に踏み切り、東電関係者と経済産業省原子力安全・保安院関係者ら9名を、業務上過失致死傷罪で刑事告発した。しかし検察は、吉田調書を始めとした政府事故調の調書等から明らかになった新証拠を無視、わずか二ヵ月半で全員を不起訴処分とした。
 原発告訴団はこれを許さず、4月30日に検審に申し立てた。被告訴人は、東電・酒井俊朗、高尾誠、保安院・野口哲男、名倉繁樹、森山義範ら特に悪質な5名。
 告訴団と支援者は、東電元幹部に続き官僚らの責任を問い、福島事故の刑事責任を取らせるために、そして再稼動阻止・安倍政権の暴走を叩きつぶすために、9・25激励行動に決起したのである。
 集会では、最初に作家の広瀬隆さんが発言、「河合弁護士は『全原発の廃止は国民自身が決めることだ』と言い切った。まさに闘いは、武藤さんをはじめとした告訴団と支援者の取り組みでここまで来ている。今後は、指定弁護士5人を支えて、東電と国の責任を問う闘争で勝利する」と宣言し、闘争の基調を明らかにした。
 海渡雄一弁護士は、「これまでの闘いで、東電幹部の強制起訴が決定した。しかし、東電と保安院の責任の重い人間が5人残っている。09年6月に、津波対策は完了するはずだった。だが、東電と保安院は、それを引き延ばした。津波対策が絶対に必要だと分かっていながら、やらなかったのだ。そのために大事故が起きた」と、東電と保安院の犯罪を暴露した。
 武藤類子団長は、「福島第一原発では、放射性物質で汚染された地下水が海に流出し、また飯館村では、関東・東北水害で除染袋が川に流れ出している。このようなことが絶対にあってはならない。今日は新しい上申書を提出してきた。これまでに出た様々な新事実を検審の方々にも知らせ、事実に基づいた審理ができるようにしていきたい」と述べた。
 続いて、大熊町などから避難の人々や、原子力資料情報室などが次々に発言した。「東電と国は、いまだ罪を問われていない。それでは東電が対策をサボタージュし、国が容認してきた原因が明確にならない」、「原子力ムラが責任を取らないで、良いはずがない。不正をした人間の責任を、もっともっと広い範囲で追及したい。子どもたちに希望の持てる社会を贈るためにも」、「不正を許さない。裁判で罪を問い、力のかぎり闘う。大熊の人々も心の中で、そう思っている」など、こみ上げる思いを検審に訴えた。
福島原発告訴団は、この裁判闘争に勝利するため、裁判を支援する会を組織して闘っていく方針を表明している。来年1月中の、裁判を支援する会の結成を予定し、結成集会への参加を呼びかけている。
告訴団と連帯し、東電と国の責任を追求して、再稼働阻止・全原発の廃炉へ。そして原発と戦争を推進する安倍政権打倒へ。(東京O通信員)


経産省前テント裁判
9・18控訴審第3回公判

  
当事者が最終陳述

 9月18日、経産省前脱原発テント裁判の控訴審第3回公判が、午後3時から東京高裁102号法廷で開かれ、その報告集会が午後5時から衆院第一議員会館で行なわれた。
この日の公判では、テント当事者5名と河合弘之弁護士が最終弁論を行ない、テント控訴審は結審となった。高野裁判長は、判決日を指定してこなかった。
 この18日は、戦争法案が前日17日夕方に参院特別委員会で強行採決され、今日は参院本会議で最終局面という日となり、国会周辺が終日騒然とするなかでのテント裁判であった。それで裁判報告集会は、会場が急に変わる事態もおきたが、この国会行動の人々も加わる形で200人近くが参加。
報告集会では、第1テント、第2テント(女性テント)、第3テント(平和と民主主義をめざす全国交歓会テント)の各当事者が、また被告とされた淵上太郎さん、正清太一さんが、各々の最終陳述ついて報告した。第1テント当事者として陳述した江田忠雄さんは、「不当判決を下した一審は、私たち当事者を排除し、裁判の体を成していなかった」と指摘し、第二審は当事者陳述を受けとめて判決を出すよう訴えた。
河合弁護士が、闘いの全局について述べ、一つは再稼働を阻止し、遅らせること、二つは原発に替わる自然エネルギーを推進することと提起し、河合監督第三弾の映画『日本と自然エネルギー』について報告した。大口昭彦弁護士は、最終弁論では当事者に言いたいことを言ってもらった、テント裁判を一言でいうと、主権者の存在性を示す裁判であったと述べた。
福島の女性たちが、最終陳述の感想や、自分たちにとってのテントの掛け替えのなさを語った。最後に、前双葉町町長の井戸川克隆さんが登壇。井戸川さんは、「福島事故は経産省が起こしたもの。よくも原告になったな。」とテント裁判の本質的な構図を示し、攻める側に立って闘おうと訴えた。
二審は、一審よりもマシな裁判であった。東京高裁は、一審判決の強制撤去仮執行について停止決定を行なった上で、二審の公判ではそれなりに証人を採用し、その証言、また当事者の陳述を聞き取った。であれば東京高裁には、脱原発を求める国民一般が納得できるような判決が、当然望まれるのである。(東京W通信員)