12万国会包囲の地平ひろげ安倍打倒へ
  国会前解放の力で、戦争法案参院強行採決を阻止しよう! 


 8月30日の戦争法案阻止・安倍政権打倒「国会包囲10万人・全国100万人大行動」は、国会周囲に12万人を結集するなどして歴史的成功を収めた。このかん最大規模のこの闘いによって、痛打を浴びた安倍政権と与党自民・公明は、延長国会会期末9月27日が迫る中、14日からの週における参院強行採決によって逃げ切りを図っている。
 もはや、今国会での強行成立に一片の正当性もないことは、全国民の知るところとなった。しかし自民党は総裁選で、破滅の淵に立つ安倍に無責任な全権委任を行なおうとしている。反革命は密集し、日本人民の革命的鉄拳によって打倒されるのを待っている。安保決戦の決着は目前だ!そして闘いは続く!(編集部)


 8月30日、戦争法案に反対する日本人民は、60年安保闘争以来55年ぶりに、ついに国会前車道を完全に解放した! 安倍政権を震撼させる12万人国会包囲を実現したのである。これに至る過程を振り返ってみよう。

  核兵器も運ぶ

8月に入っての国会前は、参院での審議も止まる盆休においても、「総がかり実」の毎木曜行動や、「シールズ」(自由と民主主義のための学生緊急行動)の毎金曜行動などが続けられた他は、とくに大きな行動は組まれなかった。8月2日に、高校生らによる「ティーンズ ソウル」が、戦争法案反対の渋谷デモ(大学生、一般を含めて約5千人と発表)を行ない、注目を引いたぐらいであった。
 しかし7月衆院強行採決の前後から、急速に広がった安保法制法案反対の運動・世論は、盆休で沈静化することもなく、8月後半も高揚を維持していった。
 参院の審議では、衆院で使ったペテン的論拠を、安部政権じしんが翻している。審議入りした7月27日参院本会議で安倍首相は、集団的自衛権行使でホルムズ海峡封鎖を「想定しているわけではない」と答弁した。(7月14日のイラン核合意成立によっても、論拠が崩れた)。8月26日の参院安保特別委員会では、中谷防衛相が、「米艦の邦人乗船は、集団的自衛権行使の条件の絶対的なものではない」と答弁している。
 法案の危険性も、より明確になっている。8月5日参院特別委で中谷は、いわゆる後方支援で「核兵器の運搬も法文上は排除していない」と明言した(中谷は続けて、非核三原則があり想定されないと述べたが、その法案明記を拒否している)。そして8月6日のヒロシマ式典で安倍は、首相式辞として初めて「非核三原則」に触れなかった。
 この事態に対し、8月9日のナガサキ式典では、被爆者代表・谷口稜曄(すみてる)さんが「平和の誓い」において、「戦争につながる安保法案は、被爆者をはじめ、平和を願う多くの人々が積み上げてきた核兵器廃絶の運動、思いを根底から覆そうとするもので、許すことはできません」と明確に語り、大反撃を行なった。

  軍部独走

 8月11日の参院特別委で、日共の小池晃委員が、自衛隊統合幕僚監部の内部資料をバクロした。これは5月の法案提出の頃に作成されたもので、8月成立・来年2月施行と予定し、日米ガイドラインなどでの実務を進行させる予定表である。4・27改定ガイドラインには、「同盟調整メカニズム」の中に「米軍・自衛隊間の運用調整機能が併置される」とある。この軍軍調整所の新設予定などが記されている。軍部独走である。
 翌12日には、米陸軍へりH60が、沖縄県うるま市沖の米艦上に墜落した。ヘリに乗っていたのは、読谷のグリーンベレーと自衛隊中央即応隊員であった。法案が成立してしまうと、この事態は広がり、かつ実戦態勢へ突入する。
 しかし議会野党は、安倍自民・公明を攻めきれていない。「法的安定性は関係ない」の命取り的発言をやった礒崎首相補佐官は、8月3日の参院特別委に招致されたものの、発言を撤回しただけで、安倍は罷免もせず居直っている。
 国会審議で問題点がバクロされるのは良いが、いまの国会は、安倍独裁、防衛・外務官僚独裁を、おおいかくすイチジクの葉にすぎない。違憲立法の審議を止めさせ、国会を解散させるべきだ。
 8月23日、シールズ呼びかけで、学生を中心とした戦争法案反対の全国一斉行動が各地で行なわれた。東京では、表参道デモが行なわれ6500人(主催者発表)が参加した。

  連合が8・23

 また、シールズのようにマスコミが注目するわけではないが、この23日には、連合による「安部政権にNO!国民の声、怒りの大行動」が国会周囲で行なわれ、予想以上の1万4千人が国会を包囲した。この行動は、「労働者保護ルール改悪NO!安保法案NO!」を掲げるもので、連合としてようやくの、戦争法案反対の取り組みである。日教組は「教え子を再び戦場に送るな!」の横断幕を掲げ、力を入れた取り組みとなった。連合8・23大行動は、このかんの運動と世論の高まりが、民主党を動かし、ナショナルセンターを動かす力であることを示した。

  日弁連が8・26

 8月26日、「安保法案廃案へ!立憲主義を守り抜く大集会&パレード~法曹・学者・学生・市民総結集!~」が、東京・日比谷野外音楽堂で行なわれ約4千人が参加。これは日本弁護士連合会の主催で、このかん各地の超党派的集会の受け皿となってきた各地の弁護士会が、一堂に集結していた。
 違憲立法の安保法案に対して、危機感をもって反対運動を取り組んできた日弁連(村越進会長)は、まさに人権の砦である。しかしそうならば、参院で強行成立されんとしている刑事訴訟法等改定案(ごまかしの「可視化」、司法取引で冤罪拡大、盗聴も拡大)にも、日弁連は反対すべきではないか。

  学生がハンスト

 8月27日、国会前で学生たちが、「戦争法案審議停止・安倍政権退陣」を掲げて、無期限ハンガーストライキに突入した。午後2時に参院議員会館前で、大学生4名のハンスト実行者を先頭にハンスト突入集会が開かれ、支援者など約50名が参加。
 突入集会では、「安保関連法案制定を阻止し、安部政権を打倒するための学生ハンスト実行委員会」を代表して、土田元哉さん(慶応大学2年)が挨拶。元木大介さん(専修大学4年)が「声明文」を読み上げ、続いて元木さんを含め、井田敬さん(上智大学2年)、木本将太郎さん(早稲田大学1年)、嶋根健二さん(専修大学4年)ら4名のハンスト実行者が各々決意表明を述べた。2時半、座り込んでハンストに突入。(写真2面)
 その「声明文」は次のように述べる。「安保法案は世界の民衆を分断し戦争を準備する、本来的に民衆に敵対する法律です。一切の正当性もなく、拒絶する以外にはありません。では法案成立を阻止し、戦争を止めるために私たちは何をするべきなのでしょうか。私たちは自らの生活に代えてでも安倍政権の戦争準備を拒否し、世界中のあらゆる戦争に加担することを拒否するという姿勢を直接行動によって示していくべきだと考えます」と。
 この学生ハンストは、「戦後70年の平和を問い直す」という政治基調を強く出している。現在の戦争法案反対運動の支配的傾向は、いわば「戦後70年の平和を守る」であるが、これと対比される現状変革的な政治傾向といえるだろう。
 議員会館前のハンストは、夜はハンストを続けたまま屋内に撤収しつつ、連日続けられ、30日は正門前に移動して「国会10万人行動」に合流、ドクターストップがかけられ、9月2日午後6時まで貫徹された。

  8・30国会包囲

 さて、8月安保国会闘争の最大の山場は、総がかり行動実行委呼びかけの、「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」であった。
全体集会の開始は午後2時。筆者が1時半に正門坂道下にたどり着くと、すでに見たこともないようにゴッタがえしている。すでに両側歩道は参加者で満ちている。
午後1時30分過ぎ、国会正門前では、後方に突破口を開いて進出した千余の人々が機動隊と対峙し、これに呼応して、左右の歩道の人波が激しく合流しようとしていた。坂道下でも、やってきた人々がひたひたと車道に入り始めた。筆者も、ロープをまたいで車道に進出。警官たちは阻止しようとはしない。
 午後1時45分頃、左右の歩道の人波が相次いで決壊して車道の仲間と合流、大歓声が湧き起る。国会正門前は完全に解放され、一大集会場と化した。
 同時刻、警察が開放するつもりの無かった正門沿い車道でも、その一部で人々は鉄柵を乗り越えて、歩道から車道に進出。正門向かって左側の全車線が、たちまち占拠された。
こうして午後2時前には、10車線の正面坂道全部と正門車道一部が、人々で満たされた。12年7・29の脱原発国会包囲でも、人々は正面車道に進出したが、ここまでは満たせなかった。今、中央分離帯に立って見る光景は壮観。ついにやった!という感慨があった。(しかし警察は、正門前などはカマボコ車を二重に並べて厳重に固めていた。権力は、一部開放によって過剰警備と非難される事態を緩和しつつ、警備の実をとったと言える)。

  歴史的大集会

 国会正門前集会は自然な流れとして、車道を占拠した人々を中心にして、集会開始予定時刻(午後2時)の前から始まっていた。午後2時、「安倍やめろ!」の大横断幕が風船群によって釣り上げられた。その只中にいると、歓声・コール・太鼓の音などによって、集会発言はまったく聞こえない。筆者は歩道へ移動。
 午後2時を大分回ったところで、集会の中心は車道から、予定のメインステージに移された。民主、共産、社民、生活の各党代表者たちが、歴史的大結集を背景に連携を誇示。演説でもっとも注目されたのは、生活の小沢一郎衆院議員であった。小沢氏は、「私はこういう場には、めったに出てきませんが、今回だけは皆さまの前に立ちました。安倍退陣のために!」と発言した。
 総ががり実から高田健さんが発言、「私たちの行動は、まさに成功しつつあります。非暴力で最後まで貫徹を」と訴えた。国会周囲・霞ヶ関・日比谷公園で約12万人、全国各地で大阪を筆頭に一千ヵ所以上・数十万人が立ち上がったと発表された。小雨模様でなければ、12年7・16代々木公園の脱原発17万人に匹敵していたかもしれない。
 各発言でもっとも注目されたのは、ミュージシャン坂本龍一さん、「崖っぷちに立たされて今、民主主義の精神が生きていることが示された。私もともに行動していく」とアピールした。
 シールズの奥田愛基さん(明治学院大学)が、学生は全国20ヵ所で行動、ここには各地から約600人が参加と報告。その内の一人であるシールズ関西の寺田ともかさんは、「参院特別委において、イラク戦争でのアメリカの戦争犯罪事例を山本太郎委員から示された安倍首相は、その事実は知らないと逃げた。法案が成立すると、戦争犯罪に加担してしまう危機感がある」と発言した。
 発言は、鎌田慧(戦争させない千人委)、山口二郎(立憲デモクラシーの会)、神山征二郎(映画人9条の会)、過剰警備監視弁護団、安保法制に反対する学者の会、森村誠一(作家)、池田亮子(安保法案に反対するママの会)、安次富浩(名護ヘリ基地反対協)などなどの各氏と続いた。
 最後に当面の行動提起がなされ、「強行採決絶対阻止」「安倍政権即時退陣」の決意を固めて、歴史的集会は午後4時に終った。

  大阪の8・30

 大阪では、午後4時から扇町公園で、「戦争法案を廃案に!アベ政治を許さない!8・30おおさか大集会」が総がかり的な取り組みで開かれた。2万5千人が結集し、開始時点で超満員であった。
呼びかけ人から木戸衛一さん(大阪大学)、続いてシールズ関西、より世代が広いサドル(民主主義と生活を守る有志)等々が発言。そして注目された創価学会有志からの発言としては、米山さんが「私たちは法案をよく理解したうえで反対だ!」とアピールした。
「戦争アカン!」の赤プラカードが公園を埋めた。集会宣言の後、3コースでパレードを貫徹。9月最終決戦に、大阪も突入したのである。

  9・6新宿デモ

 9月6日、「安倍たおせ!9・6新宿デモ」が、「集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ!反戦実行委員会」の主催で行なわれ、新宿中央公園・水の広場を起点に約250名が結集した。
 午後1時前からの集会では、反戦実の松平さんが、「8・30国会包囲では、私たちを先頭に国会前の占拠を実現できた。この成果から、安倍打倒へ進む時が来た!」と檄を飛ばした。学生ハンスト実行委員会、辺野古リレーなどが発言した。海外からは米ANSWR連合、AWC韓国委員会から、8・30国会包囲に触れた連帯メッセージが寄せられた。
 さあ!デモだ。「戦争法案廃案!」のほか、辺野古新基地建設反対!原発再稼働反対!などのスローガンを叫んで行進し、都庁、新宿駅、繁華街の人々にアピールした。
 反戦実は、国会包囲12万人行動を継承して、独自に新宿デモを闘った。共同行動で、あるいは独自に、反戦実も戦争法案参院強行採決阻止の決戦に突入した。(編集部W)