総がかりで再稼働阻止を
  東海第二原発でも、8・14全日行動


  8・9~11川内現地

 8月11日の午前十時半、九州電力は川内原子力発電所1号機の制御棒を引き抜くスイッチを押して再稼働を強行、14日に発送電を開始した。
 再稼動強行に反対し、川内原発立地点では8月9日に、久見崎海岸において、鹿児島県・九州各地などから約2000人の大集会(3・11鹿児島集会実行委などの主催)と、原発ゲート前への抗議デモが行なわれた。
また10~11日には、再稼働反対全国ネットワークなどにより全国から約400名が結集、川内原発ゲート前で、夜通しの封鎖・座り込みを含めて、断固たる抗議行動が闘われた。
また東京の首相官邸前では、毎金曜行動を行なっている首都圏反原発連合などが、8月11日には緊急行動を取り組み、約1800人(主催者発表)が抗議した。
この川内再稼動強行によって電力各社は、国内全ての原発が停止した1年11カ月の原発ゼロ状態を終了させ、次々と再稼動を強行しようと画策している。すでに15原発25基が原子力規制委員会の審査を申請。川内2号機、関西電力高浜3、4号機、四国電力伊方3号機が審査を通過し、再稼動が目論まれている。

  8・14東海村行動

 日本原子力発電㈱の東海大第二原発も、昨年5月20日に規制委員会に申請を行ない、露骨に再稼動の策動を進めている。
 原発情勢が決定的に重要な時期を迎えている中の8月14日、「21年目の《六ヶ所村ピースサイクル》in東海村行動」が、反核平和運動・全国ピースサイクルの一環として取り組まれ、20名近くの参加により断固として展開された。

  後退する山田村政

 この行動の最初の訪問先、茨城県・東海村役場では、過酷事故を想定した訓練や、「脱原発をめざす首長会議」への参加問題が討議された。衆知のように村政は、村上村長から山田村長へと引き継がれている。今回の訪問は、山田村政に替わって二度目の訪問になる。
 脱原発首長会議への参加について役場は、参加していない旨報告し、「原発にかかわる問題については、住民の様々な意見がある…幅広く意見をきいたうえで…議論を重ねていきたい」と回答した。これは前回の回答とほぼ同じで、今になっても村内での原発に賛成・反対の割合さえ把握していない現状が明らかになった。「住民の様々な意見」を主張するが、山田村長は首長会議に参加する意志がないと考えられる。
 村上村政で、原発に依存しない町づくりを、胸をはって語った職員の姿は今はなく、今回の会談にも役場はしぶしぶ応じている。再稼働の動きに山田村政は揺らぎ、脱原発から後退する姿が浮き彫りになった。

  日本原電に抗議行動

 川内再稼働を契機に、東海第二原発は昨年とは打って変わり、傲慢な態度に終始した。
 すなわち、申し入れ行動(質問と要請)拒否の暴挙に出たのである。曰く「のぼり旗・反原発ステッカー等を付けた自転車等…示威活動目的の場合は、構内安全確保のため立入りを断り…ルールに違反した場合は、業務妨害として警備当局に連絡」すると表明、恫喝してきたのだ。反原発ステッカーは、意志の表明として当然の権利であり、安全を損なう等は言いかがりに過ぎない。官憲の導入で恫喝するなどもっての他である。ピースサイクルは、ただひたすら話し合いを求めているのだ。
 午後2時、東海第二原発通用門に3台の車両に分乗した仲間と自転車隊が到着、会談を要求した。これに対し東海第二原発は、会談を拒否。10名を超える警備員・係員が先頭車両を遠巻きにし、ここに断固たる抗議行動が開始された。
 交渉は一時間以上にも及び、ついに「今後も『申し入れ行動』を拒否しないこと」、「日程の調整を密にして、誠意を持って対応すること」が約束された。仲間たちは、「申し入れ行動への拒否に対する抗議声明」を読み上げ、係員に手渡して、東海第二を後にした。
その後、コミュニティセンターで交流会。地元で脱原発闘争を担う後継者が紹介され、力強い決意が表明された。闘いは地元に根付き、脈々と引き継がれている。
 交流会後、六ヶ所へのピースサイクルが、昼過ぎの先発隊に続き出発。力強い走りで、いわき市へと旅立って行った。こうして東海村一日行動は、脱原発・廃炉、戦争法廃案の闘いを貫徹したのである。
 安部政権は、川内を皮切りに、次々と再稼働を強行せんとしている。原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、2030年電源構成比率で原発20~22%を掲げ、新規の原発建設も辞さない構えだ。安部政権の暴走を許さず、全国あらゆる地域・戦線から総がかりの闘争が求められている。

  東電強制起訴!

 7月31日、東京第五検察審査会(検審)は、東京電力の勝俣恒久元会長、武藤栄・武黒一郎元副社長ら3人を、業務上過失致死傷罪で起訴すべきとする7月17日付け「起訴議決」を公表した。
 検審は、「原発事業者は『万が一にも』発生する津波災害にも備えなければならない高度の注意義務を負う」と指摘。「福島第一原発に高さ15・7mの津波が襲う可能性があるとの試算結果の報告を、遅くとも2009年6月までに受けたが、必要な措置を怠り、津波による浸水で重大事故を発生させた」とした。そして、「福島第一原発の事故でも地震と津波による事故発生を予測でき、運転停止や防潮堤の建設など対策を取れば、事故は避けられた」と結論づけた。
 さらに検審は、原発の建物が爆発した際に負傷した東電関係者や自衛官ら計13人と、死亡した被災地医療施設の患者計44名を被害者と判断した。
 これによって勝俣元会長ら3人は、裁判所が指定した検察官役の弁護士によって強制的に起訴されることとなった。
 このかん福島原発告訴団は、毎月福島県から上京し、検審激励行動を展開してきた。検審の議決は、これらねばり強い闘いの成果である。
とは言え、これまでの例から、検察官役の指定弁護士による立証は難航が予想され、事故の責任を明らかにするには、まだまだ困難な道のりが続く。しかし、告訴団と支援者のねばり強い闘いは、「原子力ムラ」の妨害をはねのけ、必ずや完全勝利を勝ち取るだろう。そして、これに続く東電・酒井俊朗、保安院・野口哲男など5名の責任をも追及し、「原子力ムラ」を許さない闘いが貫徹されるにちがいない。
この福島告訴の闘いは、政府・官僚・企業による再稼働の強行に、大きく立ちふさがる闘いである。また、東海第二原発などへの行動を組み込んだ全国ピースサイクルも、反核平和運動として21年もの間、ねばり強く闘い続けられ、大きな成果を上げている。
あらゆる戦線から闘いを仕掛け、暴走する安部政権を打倒しよう。(以上、東京O通信員)


 辺野古埋立て阻止9・12国会包囲へ!
   建設断念へ手綱緩めず

 辺野古新基地建設反対闘争の高揚で追い詰められた安部政権が8月4日に、一ヵ月の「政治休戦」を発表するなか、8月18日から23日にかけて東日本各地では、沖縄の「島ぐるみ会議」の代表を招いての、「辺野古新基地反対・オスプレイ反対・沖縄島ぐるみ会議と地域を結ぶ」連鎖集会が行なわれた。
 千葉市では8月22日、千葉県教育会館において「8・22『島ぐるみ会議』全国キャラバンin千葉集会」が開かれ、約220名が参加した。主催は、「島ぐるみ会議」と千葉を結ぶ会。
なお、8月18日にはさいたま市、19日には昭島市、20日には所沢市、21日には横浜市、23日には静岡市と連鎖集会は開かれ、島ぐるみ会議からは島袋純さん(琉球大教授)、平良識子さん(那覇市議)らが講演した。これらは、「休戦」中に闘いの手綱を緩めることなく、全国が支持する「島ぐるみ」の陣形をより豊かで強固なものとし、新基地阻止闘争の強化を図る目的で取り組まれたものであった。
 衆知のように菅官房長官は4日、「辺野古移設計画を今月10日から9月9日までの一ヵ月、一切の工事を停止し、県と移設問題について集中的に協議する」と発表した。そして、沖縄県が求めている臨時制限区域への立ち入り調査を認める方針も表明した。
 これに対し翁長知事は、「政府には『辺野古が唯一』とこだわらないようになってほしい。対話の道が開けて、工事がストップしたということは前進だ」と述べ、一ヵ月政治休戦を迎えている。
 知事による埋立て承認取り消し必至の情勢に、政府は追い詰められていた。取り消されれば、安保法制案も危なくなる、そこで政府は一時「休戦」を沖縄県に申し入れた。ここで政府は休戦期間に態勢を立て直し、戦争法案を参院で強行採決して、休戦明けに襲いかかることも予想される。8月から、埋立て阻止9・12国会包囲までの時期は、まさに重大な意味を持つ前段の闘争だ。

  8・22「島ぐるみ会議」千葉集会

 さて、8・22「島ぐるみ」千葉集会では、山口千春さんが主催者挨拶、「沖縄では、立場を越えて島ぐるみで闘う人々が連帯し、工事を一ヵ月ストップさせた。それは運動の力だ。しかし延期が終れば、今まで以上のずっと厳しい闘いが予想される。『止めよう!辺野古埋立て9・12国会包囲』が計画されててる。その闘争に決起するよう呼びかける。千葉でも反対している姿を、見せて行こう」と訴えた。
 続いて、DVD「扉2015裂かれた海」が上映され、「島ぐるみ会議」執行委員で那覇市議の平良識子さんが演壇に立った。
 平良さんは、「『島ぐるみ会議』のめざすもの~沖縄建白書を実現する自己決定権~」との演題で以下のように講演した。
 昨年7月27日に結成された「島ぐるみ会議」は、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」の略。オスプレイ配備撤回、普天間基地撤去、県内移設断念を要求した建白書の実現を目的に、政治家、経営者、労組、ジャーナリスト等様々な人々が結集、オール沖縄で勝利せんとして結成された。そして、「基地に支配され続ける沖縄の未来を、私たちは拒絶します。私たちは、子どもたちに希望のある未来を引き継いでいく責務があり、沖縄らしい優しい社会を、自らの手で自由につくっていく権利があります。」との結成アピールに示されたように、沖縄県民の自己決定権を表明している。沖縄の闘争は、沖縄県民の自己決定権の実現にまで発展しつつある。
 結成以降は、2014年8月からの辺野古へのチャーターバス派遣や、各市町村「島ぐるみ会議」設立を支援し、すでに続々と29団体が結成されている。さらに辺野古支援シンポ開催・全国キャラバンによって、「島ぐるみ会議」的組織を、自発的に各県単位でも創設する取り組みを明らかにした。
 今後の三つの取り組みとしては、①建白書要求実現、②緊急・喫緊の課題として「工事中止、日本政府と沖縄県の公式の話し合いの場設定と継続」、③運動の全国化、である。運動の全国化では、「島ぐるみ会議神奈川」のような組織の自発的な結成と連帯。沖縄への協力ではなく、主体的な闘争・組織による反辺野古統一戦線の確立を提案したい。
 こうした平良さんの講演に、大きな拍手が沸き起こり、闘いの決意・連帯が固められた。
 集会の最後に、「木更津にオスプレイ来るな いらない市民の会」が発言した。「会ができて、1年しかたっていない。70年以降は米軍基地返還闘争もなく、住民もほとんど関心がない。しかし、オスプレイが飛来することになって、やっと動きが出てきた。会は発足以降、市役所や議会に働きかけ、住民と共に運動を進めている。オスプレイ拠点化は、木更津だけの問題ではない。千葉県そして全国で、『オスプレイ来るな』の運動の発展を願っている」。
 集会後、中央公園まで千葉市街をデモ行進、「辺野古新基地建設反対!」「オスプレイ配備反対!」「戦争法廃案!」と訴えた。
 安部政権には、「休戦」中の話し合いでも、辺野古を撤回する意志は微塵もみられない。翁長知事は粛々と、埋立て承認「取り消し」の用意をすべきである。
 「本土」民衆じしんの闘いとして、辺野古埋立て断念を政府に迫ろう。戦争法案反対ならば、対中国・対世界の戦争基地である辺野古新基地にこそ反対すべきだ。9・12国会包囲に総決起を!

なお9・12の前段として、8月31日には東京・豊島公会堂で、「沖縄県民の民意を無視するな!8・31集会」が一坪反戦地主会関東ブロックなどの主催で開かれ、安次富浩さん(ヘリ基地反対協)、仲村未央さん(沖縄県議)、埋立て土砂搬入反対について湯浅一郎さん(ピースデポ)が報告した。(千葉A通信員)