歴史歪曲・米国追随の安倍「戦後70年談話」
    新たな侵略宣言

 8月14日、閣議決定での安倍首相「戦後70年」談話が発表された。
この談話は、十五年戦争を侵略戦争として絶対に認めたくない、しかし世界の孤児となっても困るという安倍の動揺を反映して、支離滅裂な反動的談話となり、結局、アメリカ帝国主義を主柱とする戦後世界秩序を守るために、「積極的平和主義」(安保法制法案)をやるのだという新たな侵略の宣言となった。
第一に安倍談話は、「事変、侵略、戦争。」とつぶやいて、主語を消し去り、日本の中国アジア侵略を認めなかった。他方では、「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた」と言うが、侵略という文言、つまり法的な判断としては認めない。
第二に、「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」と史実を歪曲しつつ、、日露戦争による朝鮮強奪を正当化した。
95年村山談話は、いつの時期から国策を誤まったのか、これが不明確であった。日清・日露戦争を肯定する見解は、日本の保守派・リベラル派にひろく見られる。安倍は、植民地強奪戦争である日清日露戦争を積極的に擁護した。
第三に、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とし、侵略反省を打ち止めとした。
侵略兵士の子孫であるというだけで、非難する人がいるのか。しかし子孫が、先代の行為に無知であったり、安倍のように反省しないならば、末代まで謝罪を求められて当然だ。
第四に、「欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました」とし、談話冒頭でも、西洋諸国の広大な植民地が広がりと強調して、日本の第二次大戦勃発責任を否定した。
 日本が米英との帝国主義間戦争に突入したのは、第一次大戦での強盗間の分け前に満足せず、「満州」「仏印」にこだわったからであり、元を正せば明治維新以降、西洋植民地主義の真似をしたからである。
 第五に結局、「経済のブロック化が紛争の芽を育てた」ので、「開かれた国際経済システムを発展させ」、「基本的価値観を共有する国々と手を携えて、『積極的平和主義』の旗」を掲げるとする。米国中心の新自由主義グローバリズムに忠誠を誓う、そのために今後は武力行使も辞さない、というのが結論である。
 歴史修正主義と米帝追随の雑炊である。この安倍談話は、少なくとも村山談話に戻るように、次期政権の首相談話によって否定されなければならない。(A)


8・12~15釜ヶ崎第44回釜夏祭り
  団結固め決戦へ

 大阪市西成区では「第44回釜ヶ崎夏祭り」が、8月12日前夜祭、13日~15日と開催された。
 今年の夏祭りは、憲法違反の戦争法案の7月衆院強行採決、参院審議入り、また夏祭り直前の8月11日の川内原発再稼働強行という、安倍政権の暴走との決戦的局面の只中で行なわれた。近年めずらしく天候に恵まれる中、三角公園には釜ヶ崎労働者と、関西、全国から集まり、そして沖縄からも仲間が駆けつけてくれて、祭りを楽しみ、戦争法案粉砕!安倍打倒!の団結を打ち固めた。
 いよいよ決戦だ。原発再稼動も、辺野古新基地建設も許さない。夏祭りの成功を受け、釜ヶ崎から打って出る!(S)

  釜講座ツァー

 市民と釜ヶ崎を結ぶ市民団体「釜ヶ崎講座」は、今年も夏祭り実行委に参画しながら、8月14日に「特別清掃見学ツアー」、15日に「釜ヶ崎歩きツアー」を行なった。
 「特掃見学ツアー」では今回は、萩之茶屋地区を中心とした「地区内清掃」に参加した。NPO釜ヶ崎支援機構の特掃指導員さんから、特掃事業が生まれるまでの闘いの歴史、今日的意義の説明を受け、有意義な半日を労働体験した。
 「釜ツアー」では約20名の参加で、今回は「アベノ再開発と街の変遷」をテーマに、旧アベノ商店街など区画整理された地域を歩いた。西成特区化構想によって、寄り場を柱とした生活を奪われ、高層住宅に移転を強いられ、生きる力が失われる実態が示された。参加者は、働いて暮らせる釜ヶ崎の重要性を学んだのである。(I)