辺野古新基地建設阻止9・12国会包囲に総結集を!
  埋立て承認取り消しに呼応し

 首都圏・全国から、「止めよう!辺野古埋立て9・12国会包囲」に参加しよう!(9月12日・土曜日、午後2時~5時半、国会周囲全域)。
 辺野古新基地建設のストップを求める国会包囲行動は、このかん1・25に7千人、5・24に1万5千人と行なわれてきた。今回は、これまでの実行委員会(一坪反戦地主会関東ブロックなど)の主催に加えて、戦争法案反対を全力で展開中の「総がかり行動実行委」の協力として取り組まれ、過去最大規模の行動となるだろう。
 さて7月16日、辺野古埋立ての適法性を検証してきた第三者委員会(大城浩委員長)は、一昨年12月の前仲井真知事による埋立て承認に、法的瑕疵(かし)があるとする報告書を、翁長知事に提出した。
この答申は、公用水面埋立法が定める「環境保全」などで不適正とするだけではなく、埋立ての「必要性」の要件じたいを満たしていないとするものであった。普天間基地は辺野古移設しかない、という日本政府や前知事による前提じたいが否定されたのである。
 答申を受けて、翁長知事は8月中に、埋立て承認を取り消すであろう。9月12日の国会包囲行動は、翁長知事の判断・権限行使を受け、「本土」の人々自身が、辺野古工事の即時停止を政府・国会に決断させるための行動である。
 政府・沖縄防衛局は、辺野古現地を始めとする闘いによって、海底ボーリング調査の期限を度々延長しているが、それを9月末に終らせ、すぐに土砂搬入の埋立て本体工事に入るとしている。しかし沖縄県の承認が取り消されれば、埋立て本体工事も、その前の準備作業も、ただちに違法行為となり、即時に停止しなければならない。承認取り消しに対して、国は訴訟を起こして時間稼ぎをやると見られる。しかし、その訴訟の判決が出るまでは、工事は停止したままと考えるのが常識である。知事を訴えていれば、「粛々」と工事を進められるなどというのは法治国家のやることではない。
 また、第三者委員会の答申が出る前の7月13日には、沖縄県議会で、「土砂規制条例」(公用水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例)が賛成多数で可決された。これによって、辺野古埋立てに使用するぼう大な県外土砂に問題がある場合、知事に土砂搬入を停止させる権限が与えられた。これによって事実上、県外土砂を辺野古の海に投入することはできなくなった。
 これら現行法にもとづく沖縄県の権限行使によって、すでに辺野古埋立ては不可能になっている。それでも日本政府がやれると言うならば、安部政権の「法的安定性」はゼロとなる。安倍独裁政権の崩壊が始まるのである。
 なお、知事表明が行なわれたら、その翌日の午後6時半、首相官邸前で抗議行動が行なわれる。一坪関東の呼びかけ。
九月十二日、戦争法案阻止の最終決戦の只中、それと一体の課題・辺野古新基地建設阻止の国会包囲に大結集し、安部政権を打倒しよう。(A)


経産省前テント7・21第2回控訴審
  承認陳述が法廷圧倒

 7月21日の午後1時半、経済産業省前の脱原発テントが国から撤去と損害賠償を求められている裁判の、控訴審第2回公判が東京高裁102号法廷で開かれた。
 この日、国から被告とされた渕上太郎さん、正清太一さんが、このテント裁判で初めて証言台に立った。なぜ脱原発テントを建てたのか?などを、弁護側の尋問に答え、高野伸裁判長に訴えた。別途、両氏の力のこもった陳述書も提出されている。つまり、不当判決を下した一審が徹底的に避けてきた、この裁判の真の争点が突き出されたのである。
 第2回口頭弁論は、渕上さんや正清さんなどの証言者、そして傍聴者が裁判長を見据えて圧倒し、被告側ペースで進められたことによって、閉廷は午後5時の長丁場となった。
 それで夕方の報告集会(参院議員会館)は、若干遅れて開始され、約百名が参加した。
 報告集会では、この日の弁護側証人尋問の三人の証言者、佐藤保さん、正清さん、渕上さんが発言。佐藤証言は、裁判の発端となる占有者変更禁止仮処分のために、2013年3月に裁判所執行官がテントに来たときの現場証言で、ずさんな仮処分手続きであったことが示された。
 弁護士報告は大口さん、浅野さん、一の瀬さん。大口弁護士は、「一審は人証なしであった。しかし高裁では前回に被災者の証言(亀屋さん・黒田さん)がなされ、今回はテント関係者の証言がなされた。ようやく裁判は正道を歩み出したのだから、あと5回ぐらいはやるべきところ。現状では9月18日で最終弁論となってしまうが、最終弁論では、占有者2名、損賠請求、という国の主張の法的誤まりを攻めていきたい」と述べた。
 浅野弁護士は、国の損賠請求は「実際得られる利益への侵害」としてではなく、国へ立てつく者への罰金というべきもので、これは日本の法体系には無いものであると指摘した。
 次に被災地福島からは、汚染ゴミ焼却炉(県内19市町村で24基が進行中)の問題について、「福島塙町放射能ゴミを考える会」の和田さんから報告があった。
 最後に、8月10日に試運転スイッチを押そうとしている九電川内原発について、ゲート前阻止行動および「川内基金」のアピール、また9月11日の経産省テント設営4周年シンポジウムの呼びかけがなされて、報告集会を終った。
川内再稼働の強行が迫っていること、そして安保法制法案の衆院強行採決とその反対運動の盛り上がりという只中であり、今回の報告集会はいつになく、「安倍たおせ!」のムードが漂っていた。(東京W通信員)

 渕上、正清陳述書

 渕上、正清さん両氏による、陳述書のポイントを一部紹介する。
  【渕上太郎陳述書】
 私たちの「原子力発電政策についての意見表明を妨害する意図によるものである」との主張に対して、一審判決は「そのような(原告の)意図を認めるに足る証拠はなく」と言っていますが、原告の本件訴えの提起そのものが証拠であると言うべきです。
 彼ら原告にとって、原発問題ではなく土地問題に限定しなければこの訴訟を有利に導くことが出来ないと想定される訳ですから、土地の所有権や管理権の問題に矮小化しているだけです。経産省が原発推進の総本山であることは歴然としているのです。経産省が原発推進の総本山であるからこそ、私たちは、そこでの抗議行動を行なっているのであります。(中略)
 経産省は私たちが行なっている、「原発に反対して行なったテントの設置」について、「原発反対の意思表示を止めて欲しい」とは言わなかっただけです。だから、管理規則に反する「違法なテントですから、直ちに撤去するように」と毎朝のように警告にきています。この警告は、「原発反対の意思表示を止めて欲しい」と言うのと、全く変わりません。
 訴状にはひたすら、経産省が管理する土地部分を占有して云々という主張を繰り返し、原発問題に一寸でも触れたら、土地の占有問題から離れてしまいますから、彼らにとっては絶対に触れることが出来ないだけです。それが、私たちがしている「原告が原子力発電政策を意図的に問題としていない」という主張の根拠となります。

  【正清太一陳述書】
 一審判決は、私に3000万円のお金を払えと言っています。とんでもない国家の暴力です。経産省による損害賠償請求自体、全く不当なものです。
 すなわち、経産省は自らの管理地であることだけを理由にして、福島原発事故の被害に頬かむりをし続けるための方便として、裁判を起こしたとしか考えられません。そもそも、経産省前テントひろばが使用している土地は、彼らでさえ「ポケットパーク」を自称していた場所であって、それは一般人の通行を許す「公道」に続く広場なのです。
 私にとって、テントひろばの設置に損害金を請求する行為は、道路を通行している人間から通行料を徴収し、広場で休息している人間から休憩料金を請求する行為と同じ程度に、不当な行為であると考えられるのです。私たちは原発反対の意思を表明しつつ、一般国民との対話の場としてこの広場を使用しているのであって、それは公道をデモ行進することで政治的な意思表明を行なうことと同質の行為であると考えているからです。
 また、経産省がいう損害額にしても、何も対価として発生する金額であるかの説明が、私にはまったく理解できません。「使用料相当額」といわれても、広場を抗議の意志表示のために使用することの料金は、これまでかつて徴収した実績があるのかどうかさえ疑わしいからです。(引用責任・編集部)