JFEエンジニアリングは、辺野古ケーソンから手を引け
  埋め立て受注企業の包囲糾弾を

 安倍政権は、沖縄県民の基地建設反対の熱い意志に敵対して、辺野古基地建設を強引におしすすめている。今年2月、沖縄から突然、辺野古基地建設用のハイブリッドケーソン6基が三重県の民間工場で製造されようとしている、という情報が入ってきた。
 海上空港をつくるには、護岸用に大型の鉄筋コンクリート製の箱(ケーソン)を沈めて岸壁をつくり、それを中枢にして周りを埋め立て空港を建設するということだ。ハイブリッドケーソンとは、最新の技術をつかって作られる比較的軽くて丈夫なケーソンらしい。
とはいっても辺野古基地用につくられるハイブリッドケーソンは、長さ52m、幅22m、高さ24mで重量は7400tという巨大なものだ。それを6基並べて300mの岸壁がつくられる。このハイブリッドケーソン6基が辺野古基地の中枢となって、周りが埋め立てられて基地の全体が建設される。まさに辺野古基地建設の中軸をなすもので、これがなくては辺野古基地建設が成り立たない代物なのだ。
辺野古基地の本体工事は1~6工区に仕切られ、それぞれの工区毎にゼネコンを中心とした共同企業体が組織され、建設が進められる。ハイブリッドケーソン6基を並べて300mの護岸をつくる工事は1工区とされ、ここから基地建設の本体工事が開始される。工期は早ければ今年4月から始められ、1工区は2017年9月までに整備が完了することになっている。
三重県でハイブリッドケーソンを製造する会社は、JFEエンジニアリング㈱津製作所以外にはない。この会社は日本鋼管造船所から始まって、今は海岸構造物等の製造部門を独立させた会社として成立し、造船部門の会社と並んで巨大なドックを隣り合わせにもって、事業を展開している。
三重県では、主に平和運動を取り組んできた市民運動団体を中心にこの三月、「辺野古のケーソンをつくらせない三重県民の会」が組織され、「全国のみなさんへ」という呼びかけ文をつくって、まずこの事実を広く知らせることと、多くの人々や団体からJFEエンジニアリング㈱に要請文・抗議文を送り付けるよう呼びかける運動をすすめている。
アメリカ軍と共同して「戦争をする国」にむけて暴走を始めている安倍政権を打倒するたたかいとともに、辺野古基地建設など戦争を商売にする個別の企業に対しても、その犯罪性・反人民性を暴いて追及していくたたかいを、ねばり強くたたかっていくことが重要となってきている。(東海S通信員)

◆JFEエンジニアリング株式会社 東京本社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1丸の内トラストタワーN館19階TEL03-6212-0800㈹ FAX03-6212-0802
◆JFEエンジニアリング株式会社 津製作所
〒514-0393 三重県津市雲出鋼管町1番地 TEL059-246-2010 FAX059-246-2792

上記のように、JFEエンジニアリングが巨大なケーソンを提供し、それらを使って辺野古埋め立て工事を行なうのは、大手ゼネコンの大成建設㈱などである。大成建設は昨年、政府から六十億円でこれを受注した。
大成建設に対する要請・抗議行動は、すでに昨年十二月より、「STOP!辺野古埋め立てキャンペーン」など市民運動によって開始されている。大成建設本社に対して工事受注撤回を求める行動が、すでに3回ほど行なわれているが、大成建設は回答拒否を続けている。
◆ 大成建設株式会社 東京本社
〒163-0606 東京都新宿区西新宿1-25-1新宿センタービル TEL03-3348-1111
大成建設もJFEグループ(前身は日本鋼管、川崎製鉄)も、財界主流で安倍政権と一体の独占資本である。戦争利権・環境破壊の汚い仕事から手を引かせるためには、全国的な包囲・糾弾が必要だ。日米両政府との闘いとともに、辺野古受注企業との闘いを全国で強めよう。(編集部)


 辺野古基地建設を許さない!3・23官邸前行動
  知事権限行使で闘いは新段階へ

 3月23日夕、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の呼びかけによる辺野古新基地建設計画の撤回を求める官邸行動が、300名を超える市民の参加で展開された。
 これは、カヌー隊による海上行動、キャンプシュワブ・ゲート前の座り込み、知事選や衆議院選での「オール沖縄」の全勝、翁長沖縄県知事の新基地建設阻止へ意志を背景に、沖縄の誇りと意志を力で押しつぶそうとし続ける日本政府に抗議して開催された3月21日の県民大集会(3900名)に呼応するものであった。
 集会は、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの仲間の司会で進められた。東京東部集会実行委、全国一般東京労組、辺野古リレーの仲間などから、「ボーリング調査をやめろ」、「政府は沖縄の民意に従え」、「現地で何が起こっているか職場や地域で伝えていこう」と発言・アピールが続いた。
 現地の山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)とも電話がつながる。山城さんは、翁長知事の決断によって基地建設工事が違法状態になった、闘いは新たな段階に入る、と力強くアピールした。
 集会中に、内閣総理大臣宛ての「ボーリング調査、岩礁破壊に抗議し、辺野古新基地計画展開を求める申し入れ書」が読み上げられ、内閣府に提出された。同申し入れ書は、「辺野古ボーリング調査を中止せよ!コンクリートブロックを回収せよ!」「『仮説岸壁』建設のための石材投入を止めよ!サンゴ礁の破壊を止めよ!」「辺野古・高江の新基地建設を撤回せよ!普天間基地を即時無条件に閉鎖せよ!」と求めている。
 日本政府の沖縄での新基地建設が、法律をも無視してまでゴリ押しするその差別的暴力的性格を一段と露わにしてきている。それは、アメリカの圧力の下で進行する「戦争する国」への国家体制の転換と固く結びついている。われわれは、沖縄の人々と連帯して「本土」の闘いを再建し、安倍政権の打倒へ前進していかねばならない。

 翁長知事が3・23工事停止指示

 沖縄県の翁長知事は3月23日、辺野古ボーリング調査で知事の許可を得ずに岩礁破砕がなされた蓋然性が高いとして、県が調査を実施し改めて指示するまで、すべての工事を停止するよう沖縄防衛局に指示した。
 この指示は、知事権限の初行使となった2月16日の巨大ブロック投入中止指示に次ぐ行政指導であるが、国が従わない場合、岩礁破砕許可(昨年8月)を取り消すとする。
 知事権限行使に動揺する日本政府は翌日、行政不服審査請求を(その法の、国・行政から国民を守るための主旨を曲解して)行ない、30日に請求者と同じ国(農水省)が、知事指示の効力停止を決めるという茶番を演じた。
 「沖縄県」対「日本政府」、日本国民は沖縄県に味方せよ。(編集部)
       
 
中小・非正規の2015春闘を闘いぬき
  労基法、派遣法改悪案を廃案へ

 今春闘では賃金闘争で、大企業の正規・非正規労働者への回答・妥結が出そろった。ベースアップでは最高でも5千円、時給労働者では時給20円程度のアップである。これでは、消費増税分3%と政府・日銀の物価増目標2%を併せたところの、5%にとても追いつかず、実質賃金低下に歯止めをかけたことにはならない。
 大企業の労使でもこの結果であるが、中小・未組織が置き去りにされ、格差拡大の春闘結果となることは許されない。中小企業・非正規労働者の春闘は、これから本番だ。非正規の組合員を先頭に、春闘行動を断固もりあげよう。
全国どこでも誰でも時給1000円以上、この要求は当たり前だ。安倍政権は、賃上げで「経済好循環」、「アベノミクスの成果を隅々に波及」と言うのならば、最賃時給一千円の法制定、そのための中小企業支援策などを直ちに表明すべきだ。安倍が現実にやっていることは、官製春闘による格差拡大ではないか。
 そして今春闘では、賃上げ回答が、安倍政権の成果であるかのような世論操作が行なわれている。一部の労組指導者も、賃金・労働条件の改善は労働者の団結した力によってこそ勝ちとられる、ということを忘れてしまっている。昨春闘、今春闘と安倍政権はその思惑をもって労使関係に介入したが、このままでは労働組合はますます有名無実化し、早晩、賃上げも賃下げへ逆転してしまう。
 今春闘での、労働運動としての低調は、最大の生活破壊である戦争、これをやれるための安倍政権の安保法制法案作りに対し、労働組合の多くがいぜん反対運動に立ち上がっていないことに端的に示されている。また労働法制改悪についても、連合は反対としているが、いぜん本気の取り組みにはなっていない。
 三月十三日、安倍政権は労働者派遣法の改悪案を閣議決定し、三度目の国会提出を強行した。三月二日には労政審が労働基準法の改悪案要綱を答申し、安倍政権は四月三日、労基法改悪案の閣議決定・提出を強行し、来年度実施を謀っている。
全国各地から廃案運動を起こし、全国運動の高揚へもっていくことが急務である。以下は東海地方からの報告である。(編集部)

  労働法制大改悪反対3・29東海集会

 東海地方では三月二九日、名古屋市で、コミュニティ・ユニオン東海ネットワーク主催の、「安倍政権の労働法制大改悪に反対する東海集会」が開催された。この集会は東海労働弁護団が後援した。
 愛知、岐阜、三重、静岡の各県でコミュニティ・ユニオンを組織して活動している仲間たちを中心にして、約150名ほどが結集した。
 集会には、コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの岡本事務局長、全国ユニオンの鈴木会長、愛知県労働組合総連合の樽松議長がそれぞれ挨拶に立ち、ともに闘う熱い決意表明を行なった。また政党からは民主党、社民党、日本共産党の愛知県代表から連帯の挨拶やメッセージが送られた。
 日本労働弁護団の棗一郎弁護士が、基調報告に立った。棗弁護士は、いま安倍政権が進めている労働法制の大改悪について、①労働者派遣法の改悪は、派遣を一時的臨時的なものから常態的なものにして、正社員をどんどん派遣社員に置き換えていくことをねらったものだ。②「新しい労働時間制度」と言われるものは、8時間労働制の原則を破壊し、残業代を払わないで労働者を長時間働かせようというもので、過労死・過労うつ促進法だ。③解雇の金銭解決法は、ユニオンなど経営者にとって面倒な労働組合・労働運動をつぶしてしまうというものだ、と端的に指摘した。(①②については、『労働情報』三月十五日号の寄稿に詳しい)。
こんなことを許したら、日本の労働者は低い賃金で企業にこき使われて、一切文句も言えない状態に置かれてしまう、とんでもない法改悪だ。なんとしても、これらの法改悪は阻止しなければならない、と危機感をこめて報告した。
法改悪を阻止するために、各地で集会やキャンペーン活動をするとともに、五月十四日の夕方、全国の力を東京の日比谷野音に結集し、労働法制改悪反対の大集会を実現しよう。その力で首相官邸を包囲して、法改悪阻止の強い決意を表明しよう、と棗さんは訴えた。
集会参加者は棗さんの鋭い指摘に緊張感をもって同意し、法改悪反対の決意を固めるとともに、「5・14日比谷野音」をなんとしても成功させることを決意して大きな拍手を送った。
労働法制改悪反対の課題は、いま労働組合が真正面から取り組むべき重要な課題だ。コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの各組織が地域的にも全国的にも、なかなか動き切れなかった現実があった。いま東海で独自な運動として動きが始まった。各地域に波及させ、全国に波及させて大きな闘いにひろげ、安倍政権のもくろみを打ち砕く闘いに発展させていくことを願っている。
                                        (東海T通信員)