10・24辺野古新基地阻止集会
  たっぴらかせ!安倍政権

十月二四日、東京・文京区民センターにて、「たっぴらかせ!安倍政権」を掲げての(「たっぴらかせ」とは、やっつけろの意味らしい)、「10・24辺野古新基地阻止集会」が沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの主催で開催され、約200名が参加。名護市議会議員の仲村善幸さんが、辺野古の現状と沖縄県知事選挙について報告した。
仲村ぜんこうさんは、まず十九日に事故死された染谷船長の追悼を述べ、辺野古の報告に入った。ボーリング調査は残念ながら浅瀬では終了し、大浦沖での準備が始まったが、遅延している。本日、本体工事(護岸)の入札が告示された。名護漁協の漁獲高が激減している。漁をせず、一日5万円で調査船を出しているから。名護市議選ではぎりぎりで過半14名を維持し、工事中止の10・16意見書を可決した。現地闘争は広がっている。市長の拒否を逃れるための工法の変更、埋蔵文化財の問題など攻めるべき点は多い。
また、「イデオロギーよりアイデンティティ」という県知事選、なぜそうなるのか。日本政府は他県に対するのとは違い、地域紛争、その制圧として臨んでいる。これに「誇りある豊かさ」を対置して闘っている。沖縄は歴史的分岐に立っている。
以上の報告を受け、知事選勝利、その後の「本土」での闘いを確認し合った集会であった。(東京F通信員)


 10・17戦争への道を許さない東京集会
   総がかりで安倍政権退陣を


 十月十七日、集団的自衛権行使容認閣議決定撤回!「戦争のできる国」法整備阻止!を掲げて「10・17戦争への道を許さない東京集会」が開催され、東京・日比谷公会堂に約1600名の労働者市民が結集した。
 主催は、戦争をさせない東京1000人委員会で、労働者の闘いを強めて、総がかりで安倍政権を退陣に追い込むよう呼びかけた。
 最初に、東京1000人委員会・佐藤光夫議長が主催者あいさつ。「安倍政権は日本を戦争する国に戻そうとして、7・1集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行、9条をひっくり返した。立憲主義を踏みにじる強引な手法を許してはならない。安倍政権の暴走を許さず、絶対に最後まで闘い抜こう」と決意表明した。
 次いで、1000人委員会呼びかけ人・福山真劫平和フォーラム代表が登壇、「安倍政権は、米軍の軍事戦略のもと自衛隊を戦わせるために、7・1閣議決定で風穴を開けようとしている。今こそ労働者が立ち上がらなければならない。闘うのが労働団体だ。市民と労働団体が闘い、総がかりで安倍政権を退陣に追い込もう」と力強く呼びかけ、大きな拍手が沸き起こった。
 集会のメインとして、前泊博盛さん(沖縄国際大学教授・元琉球新報論説委員長)が、「集団的自衛権行使容認閣議決定撤廃と沖縄」との演題で講演を行なった。
 前泊さんは、「集団的自衛権行使容認という形で憲法9条が形骸化すれば、憲法が封じてきた自衛隊の海外派兵や武力行使への歯止めを失う。一部軍人の暴走で国家間戦争が勃発するという、『自衛戦争の悲劇』も招きかねない」と具体的事例を示して説明した。そして、沖縄県民142万人をはじめ、多くの労働者市民に犠牲を強いる7・1閣議決定の撤廃を強く訴えかけた。
前泊さんの思いに応えて、東京全労協・纐纈朗議長が連帯あいさつ、「東京全労協は横田基地反対闘争を組織し、七月オスプレイ飛来時にも闘争を行なった。沖縄闘争にも連帯して闘っている。」「明日、職場に戻って、本集会の成功を報告し、職場から闘いを作り上げる。安倍政権打倒にむけてがんばる」と力強く表明した。
集会は最後に、「安倍政権によって国民の命と権利が危機に瀕している。私たちは、平和と民主主義を守り、7・1閣議決定撤回、『戦争のできる国』法整備阻止に向けた運動を一層強めるものである」との集会宣言を発した。
矛盾を深める安倍政権、その打倒の闘いが、この労働者主体の東京集会を契機にいっそう燃え上がらんとしている。(東京O通信員)


反戦・反貧困・反差別10・19京都共同行動
  Xバンドも原発もいらない


 十月十九日、京都・円山野外音楽堂にて、「変えよう!日本と世界 第8回反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」10・19集会が開催された。主催は、反戦・反貧困・反差別共同行動(きょうと)。
 集会には、京丹後市・経ヶ岬で攻防最中の、米軍Xバンドレーダー基地建設反対京都連絡会に参加する労組・市民団体をはじめ、近畿一円の人々約600名が結集した。
 集会では最初に主催者側から、この京都の共同行動が06年以来積み上げられてきた意義と、今集会の基調が自信に満ちて宣言された。
 闘いの現場からの特別報告として、川内原発反対運動から、岩下雅祐さん(再稼動阻止全国ネットワーク 川内の家)が発言。
 岩下さんは、「全国の原発再稼動の先駆けとしての、川内原発の運転は行なわせない。当局、推進派は、地域・地元説明会をウソと茶番で乗り切ろうとしている。説明会の儀式化の不当性を、住民は見抜きつつある。あらゆる再稼動の目論みを許さず、我々は断乎とした直接民主主義の行動に立ち上がり、勝利していきたい」と強い決意を語った。
続いて、沖縄・辺野古新基地阻止の闘いから、知花昌一さん(元読谷村村議 真宗大谷派僧侶)が登壇。

 知花さんは、「台風が沖縄へ寄ってくれるのもいいものだ。施設局・海上保安庁が縄張りにしたフロート・ブイは、ちりぢりバラバラに流された。まさに辺野古の海は解放されている。そして全国から、仲間がいいカヌーを送ってきてくれている。それに乗って、日本政府の目論みを阻止していく。連動して、沖縄県知事選も大きな闘いになっている。必ず勝つ闘いを、私たちは確信をもって進めている」と述べた。
 集会は一息入れて、「ナニワの唄う巨人」こと趙博さんが登場。ヒット曲『核々・死か慈か』は肩の力を抜きながらも、暴走する「安倍原子力ムラ・戦争内閣」とその取り巻きを痛烈に指弾する反骨の歌であった。
 続いて、メインスピーカーの白井聡さん(政治学者 文化学園大学教授)が、「戦争国家へと暴走する安倍政権を撃て」と題して講演。
 白井さんの講演の概要は、①日本は江戸政権崩壊での「五箇条の御誓文」以降、建て前と本音を使い分けてきた。真の国家の意志は別のところにあって、巧妙に民を支配してきた。②1945年8月15日も「敗戦」ではなく「終戦記念日」として語り続け、ポツダム宣言・東京裁判・サ条約の否認を、今日まで人々に植え付けてきたのではないか。安倍政権は、これらを継承して登場した政権であり、真の歴史を修正し、「戦前」を賛美し、戦争体制に人々を取り込み、追い込んでいく政権である。③いっぽう、今の社会は「承認不全社会」と言ってよい。格差・差別の中で、自らを否定に追い込んでいく社会だ。数々の無差別殺人が起こるのは、一人ひとりが評価されえない社会になっていることの現われ。④逆に、新たな共同社会の高まりをみせている一つの典型は、沖縄にみられる「オール沖縄」という動きだ。反基地運動の中での自らの正当性、打倒すべき対象が明快である。
 白井さんは、人々に課題が分かりやすく提起され、運動家も腹をくくれる、こうした活路を拓く行動を積み重ねていこうと訴え、大きな拍手であった。
 集会では、前国会議員の服部良一、辻恵両氏、また戦争をさせない京都1000人委員会の決意表明、また、「とめよう!戦争への道 めざそう!アジアの平和11・9関西のつどい」への最大限の結集をと、中北さんが訴えた。
 そして焦眉の課題、米軍Xバンドレーダー基地反対では、京都連絡会代表の大滝さんからアピールを受けて、集会を締めくくった。(現地では、集会二日後の二十一日未明、レーダー本体の搬入が強行された。闘いは続く!)
 集会後、デモ行進が四条河原町から京都市役所へ向け、果敢に行なわれた。労働組合の参加が若干低調であったが、大阪からは釜ヶ崎日雇労組45名などが参加した。(関西I通信員)


10・31狭山事件の再審を求める市民集会
  今が「見えない手錠」はずす時

 東京高裁・寺尾正二裁判長が、石川一雄さんに無期懲役の差別判決を下してから四十年目の十月三十一日、東京・日比谷野外音楽堂で、「10・31狭山事件の再審を求める市民集会」が開催された。主催は同集会実行委員会。新証拠によって判決の根拠が大きく揺らいでいる今こそ、事実調べ・再審開始を!の呼びかけに、労働者・市民・部落解放同盟員が会場を埋め尽くした。
 冒頭、組坂繁之解放同盟中央本部委員長が、「今こそ石川さんの思いを受けとめ、見えない手錠をはずす時、来年は大きな山場になる」と開会を宣言。
 次いで、石川一雄さん・早智子さんが登壇、「狭山事件は、第3次再審で終結しなければならない。この無念も必ず晴らさなければならない。殺人犯というレッテルをはがすために、皆さまのご協力を!」と呼びかけた。
 そして石川さんは、「再審も四十年目で新証拠 今や司法は袋小路」と、短歌を読み上げた。これは、筆跡同一を有罪証拠の主軸とし、捜査に不正はなく、自白は信用できるとした寺尾判決が今、大きく揺らいでいることの表現である。
 続いて、中北龍太郎狭山弁護団事務局長が、証拠開示された関巡査の取り調べ報告書などを挙げて話し始めた。中北さんは、「石川さんは関巡査に、『死体がどうなっていたか教えてくれれば分かる』と、『犯人』が死体の様子を聞いている。明らかに無実だ。」「開示された取り調べ録音テープも、石川さんが事件について全く知らないことを暴露し、誘導してウソの自白を強要したことの、逆の証拠になっている」と指摘した。またさらに、「袴田事件のDNA鑑定のように、一つで判決をひっくり返す決定的証拠が今はない。証拠開示を通じて、それを出させたい。」「三者協議で事実調べを確実なものにしたい」と裁判闘争の今の課題を明らかにした。
 最後に、「寺尾判決から40年、多くの新証拠が明らかになってきたにもかかわらず、一度も事実調べが行なわれていない」ことを許さず、「映画『SAYAMA』の上映運動をすすめ、一日も早く石川さんの『見えない手錠』をはずすために、再審を実現しよう」との集会アピールが決議された。
 集会終了後、参加者は銀座方面へデモ行進、数寄屋橋交差点などで事実調べ・再審開始を広くアピールした。
 今こそ、解放同盟を先頭に労働者市民の闘いで、狭山闘争に勝利の決着をつけよう。(東京O通信員)