安倍政権をどう打倒するか
  左翼的・民主的な共同政治勢力を強大化しよう

 酷暑の八月に入り、日本「本土」では、労働者人民と安倍右翼反動政権との闘いが、7・1閣議決定前後の激闘とは打って変わり、一時休戦であるかのような静けさになっている。
 しかし、沖縄では、新基地建設強行に反対する辺野古の陸(シュワブ・ゲート前)と海での闘いが激化し、また稲嶺与党全員当選をかけた名護市議選(九月七日投票)の激戦の只中にある。
 この時期に、「本土」の活動家がぼーっとしていれば、それも一つの沖縄への「構造的差別」と言うべきである。しかし今は、秋からの闘いに備え、安倍政権をどのようにして打倒するのか、そのための政治勢力と大衆闘争をどのように作るのか、立ち止まって熟考してみることも必要だ。
 「戦争する国」へ暴走する、戦後極悪と言ってよい安倍政権。これが打倒されるか、継続するかは、向こう二~三年内には答えが出る。議会制度的には、安倍が国会解散に打って出ない限り、さ来年には両院で国政選挙となるからである。
 安倍政権と日本帝国主義支配層は、ここ二年の内に、国民多数派を反動ナショナリズムの虜にするために、あらゆる策略を尽くし、明文改憲に着手できる態勢を作ろうとしている。
 我々はこれと、どう闘い、安倍政権を打倒して、日本革命への道筋を広げていくのか。革命的で全人民的な統一戦線と大衆闘争が発展している情勢ならば、議会制度の日程は従属的要素である。しかし今は、制度圏対応を含めた、ここ二年間程度の方針討議が必要である。
 とはいえ、安倍政権との闘いは、大衆運動・大衆闘争の発展を基礎とし、とりわけ現在の議会構成においては、それを主力とするものである。その闘いは当面、集団的自衛権行使容認の閣議決定を実効化する自衛隊法等改定案の阻止、日米ガイドライン改定と秘密保護法施行の阻止という闘い。沖縄県知事選に勝利し、辺野古新基地建設を止め、普天間基地を閉鎖させる闘い。川内原発を突破口とする原発再稼動を阻止する闘い。安倍「成長戦略」と労働法改悪に反対し、非正規労働者の組織化など労働運動を再生させる闘い、これらである。
 しかし、これらを個々に闘っているだけでは、早期に安倍政権は打倒できない。これらの闘いを前進させながら、左翼的・民主的な大きな政治勢力の共同を形成するという方針を持たなければ、勝利することはできない。(安倍反動政権の下では、中道リベラル勢力との連携も必要となる)。わが労働者共産党は08年党大会以降、この共同政治勢力を「第三極」政治勢力と呼称し、提唱してきた。
 現在の沖縄での「オール沖縄」再結集は、日本・沖縄関係の歴史的特殊性も関わり、その構成要素は「第三極」勢力とは異なっている。しかし、情勢を実践的に動かし勝利しようとする姿勢においては、「本土」で問われているものと同じである。
 最近、日本共産党は七月十五日の日共創立92周年集会で、志位委員長が「安倍政権打倒の国民的大運動」を呼びかけ、山下書記局長も、「安倍政権打倒の一点で野党共闘を追求したい」と述べた。これ自体は、良い事である。しかし、真面目にそれを提起するなら、「自共対決時代」という独善的・党至上主義的な規定を撤回すべきではないのか。
 当面の闘いは、厳しい闘いである。しかし中長期的には、安倍政権の戦前回帰も、「成長戦略」も客観的土台を欠いており、政権崩壊は避けられない。「第三極」勢力の登場も不可避である。
 したがって最後に我われに問われるのは、「第三極」勢力の形成を促進しながらも、情勢に根本的に備えるための革命的左翼の団結・統合の前進、これに他ならないのである。(了)