7・1閣議決定撤回の闘いは続く
  法改定阻止し無効に

 七月一日の集団的自衛権行使・閣議決定の強行後も、閣議決定撤回!戦争反対!の行動が続いている。7・1暴挙は、国民世論を広く深く覚醒させるほどの暴挙であった。秋の臨時国会では、安倍政権の打倒が正面切って問われるだろう。今夏の各地での取り組みを、その闘いの助走とすることが必要だ。
 安倍政権は国会を早々と閉会させた後、自民・公明の密室の与党協議だけで、7・1閣議決定を強行した。国会無視である。それで国会では形ばかりの閉会中審査が、七月十四日・十五日に行なわれた。
 その前日の七月十三日、閣議決定の撤回を求める国会大包囲行動が行なわれ、約3000名が国会正門前などに結集した。呼びかけたのは、「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」と「戦争をさせない1000人委員会」。
 続いて両者の呼びかけにより、七月十四日の衆議院での閉会中審査の日には、正午から衆院議員面会所前の歩道に約500が集まり、午前中の国会傍聴報告を含め、閣議決定撤回などを求める抗議行動が展開された。翌十五日は参院での閉会中審査であるが、参院議面前には前日を上回る約1000人が集まって、今後の全国での闘いを決意しあった。なお両日とも、警察は、議面に通じる首相官邸寄りの地下鉄出口を不法に規制し、有権者・市民の議面行動参加を甚だしく妨害した。強く抗議したい。
 この両日、衆院で安倍は、ペルシャ湾での機雷除去も、国連安保理の軍事制裁も、集団的自衛権行使の対象に入れて「総合的に判断する」と開き直った。参院では、「尖閣」での所謂グレーゾーン事態に、自衛隊を迅速に出動させると明言した。
 結局、7・1閣議決定で言う武力行使の「新3要件」、「国の存立と国民の生命・権利が根底から覆される明白な危険」等というのが、どうにでも判断されることがバクロされた。野党には民主党のように、「新3要件」をなるだけ狭く求めるという対応もあるが、それでは公明党と変わらない。憲法違反の閣議決定は認めない、撤回せよ、でなければならない。
 七月十七日には、日本弁護士連合会が全体の行動として、閣議決定撤回を求める銀座デモを、約350名の参加で敢行している。憲法の9条と立憲主義の諸条項に、閣議決定が背いていることがあまりにも明白だからである。
 七月三十一日には、戦争させない1000人委員会が東京・全電通会館で集会を開き、今後の闘争を意志一致した。
 全国各地でも七月いっぱい、閣議決定撤回・安倍やめろの大小の行動が、大阪市での7・6をはじめ、無数に展開されている。
大阪では秘密保護法廃止を求める毎月「6の日」行動(その強行成立が昨年の十二月六日)が、広い共同行動で行なわれているが、七月六日には扇町公園で、「平和主義が危ない!秘密保護法廃止!野外集会」が大阪弁護士会の主催で行なわれた。7・1閣議決定に怒りを倍化した人々が、雨中にもかかわらず約6000人参加し、集団的自衛権行使容認と秘密保護法とがセットになった戦争遂行体制に断固反対して、集会・3コースでデモ行進を行なった。
安倍政権は、集団的自衛権行使を実質化する関連法案を、来春の通常国会までには提出せんとしている。秘密保護法のほうも、その施行を十二月までには強行せんとしている。
海外でも武力行使します、の安全保障政策の大転換であり、諸法の改正案はぼう大な作業になるといわれる。そんな関連法案作りはいらない、その前に安倍がやめろ、である。(W)


陸自オスプレイ佐賀配備阻止!
  九州が日本版海兵隊の出撃拠点に

 七月二十二日、防衛省の武田副相が佐賀県庁で、陸上自衛隊が2015年度から導入を予定している米国製オスプレイ17機を、佐賀空港に配備することを古川県知事に要請し、佐賀県民に怒りが広がっている。
 防衛省によると、佐賀県吉野ヶ里町の陸自目達原駐屯地のヘリ50機を同空港に移転し、オスプレイと併せて70機程度とする。空港側の民有地を取得し、18年度までに駐機場などを建設する。このヘリ部隊は、佐世保市の相浦駐屯地に新設しようとしている「水陸機動団」の傘下とする、と説明している。
古川知事は安全性確保を、とするだけで配備を拒否せず、今後の協議を受け入れている。玄海原発再稼動についての態度と同様、まったく無責任である。
 防衛省の予定では、今年の来年度予算概算請求に用地取得費を計上し、15年度内に用地を買収し、16年度から工事に入り、19年度に陸自オスプレイを配備するという。
 佐賀空港は、1998年開港の県管理の民間専用空港である。開港前の地元漁協などとのやり取りでは、県は自衛隊との共用は考えていないと明言していた。少なくとも地元との90年の協定で規定される事前協議の対象となる事項である。また開港以来、良識ある県民が批判してきた通り赤字続きで、すでに県費80億円がつぎ込まれている。
 この陸自オスプレイ佐賀空港配備計画は、佐賀・長崎両県を、日本版海兵隊の一大拠点とする計画である。それは、集団的自衛権行使の7・1閣議決定を実行し、九州を戦前のように侵略戦争策源地とするものであり、絶対に許してはならない。
 またそれは、赤字地方空港の軍事利用化という、反空港全国連絡会などがかねてより指摘した事態であり、安倍反動政権の下では軍港化が各地に拡大しかねない。
 また同時に、武田副防衛相は、普天間基地の米軍オスプレイを暫定的に佐賀空港に移転することを県に打診した。これは、十一月沖縄県知事選での仲井真支援を意図するものであるが、仮に米側が暫定移転に合意しても、辺野古新基地を建設し、そこに舞い戻ることが前提となっている。結局、辺野古を決着済みと描くための、政府の策謀である。
 96年SACO合意時にも、鳩山政権時にも、普天間基地の県外移設案として、佐賀空港や宮崎県の新田原飛行場が取り沙汰されたことがある。しかし、普天間基地は米軍が国際法に違反して作ったものであり、無条件返還が当然であった。代替施設を日本政府が用意する義務は、安保条約上も無かったのである。SACO合意が、普天間基地は「代替施設完成の後返還される」としたことは不当であり、さらに「移設先は沖縄東海岸」としたことは更に不当であった。合意は白紙化され、普天間基地は即時閉鎖されねばならない。
 またさらに、普天間基地のオスプレイが七月十五日には厚木基地、富士キャンプに飛来し、また七月十九日には横田基地にも飛来し、札幌の陸自丘珠駐屯地まで東日本を縦断して行った。それぞれ市民・住民の抗議行動が行なわれたが、首都圏の人々をオスプレイに馴れさせようという露骨な米軍の行動であった。
 日米のオスプレイ配備は、日米共同戦争態勢であり、集団的自衛権行使そのものである。日米両国のオスプレイ配備を撤回させよう。(F)