国際包囲される安倍政権
   集団的自衛権行使解禁の閣議決定を阻止しよう!

 安倍自公連立政権は、安保法制懇の報告提出を通過儀礼として今国会中に、集団的自衛権行使を解禁し、憲法解釈を変更するための閣議決定を強行せんとしている。この解釈改憲を阻止することが直面の重大課題となっている。
 しかし、この集団的自衛権行使解禁の攻撃をはじめ、安倍政権の原発推進・秘密法・歴史歪曲・雇用破壊・消費増税などなどの暴走に対し、守勢の闘いに留まっていては勝利はおぼつかない。
 安倍政権は、極右首相をいただく右翼反動政権として、世界の諸政府・人民から孤立を深めている。いま安倍政権は、国際民主世論と沖縄県民世論から糾弾され、包囲されているのである。しかし安倍政権に止めを刺すことができるのは、日本「本土」の労働者人民の闘いだけである。我々は守勢ではなく、世界人民・沖縄人民と連帯し、反動ナショナリスト政権打倒の攻勢に立つべきなのである。
 安倍政権は、戦後世界秩序の見直しにおそるおそる踏み出し、同盟国アメリカを始めとする欧米諸国との軋轢を深めている。
 昨年、安倍は米国有力誌にアーリントン墓地参拝と靖国神社参拝は同じとする寄稿を行ない、これに対して昨秋、ケリー国務長官・ヘーゲル国防長官がそろって千鳥ヶ渕戦没者墓苑を参拝した。安倍に見本を示したものだが、安倍はこれを無視して十二月二六日に靖国参拝を強行、二七日に米大使館から「失望」の声明を突きつけられた。
 安倍は米国などの誤解を解かねば、と言うが、その本音を代弁する衛藤首相補佐官が二月に入って、「米国の『失望』に我われのほうが失望。同盟国日本を大事にしていない」などと動画サイトで主張。安倍は、あわてて削除させるという失態を演じた。
集団的自衛権行使の解禁は、元々米国が求めてきたことである。しかし、「尖閣」問題で中国との無益な戦争に米国を引き込もうという意図ならば、米国はおことわりだ。「アベノミクス」も当初は米国から歓迎されたが、いまや国家主義者の企みとして見られている。
つまり安倍政権は、米国と中国のいわゆる新型大国関係をかく乱する要素として、今や扱われているのである(もう一つのかく乱要素は朝鮮)。
安倍は今のところ、東京裁判と講和条約、戦後50年村山談話、「従軍慰安婦」河野談話などを継承するとしてはいるが、靖国参拝、NHK人事、河野談話検証策などによって、実質的には日本軍国主義を正当化する策動を続けている。
それで中国、韓国との隣国関係が破壊されたままである。安倍のこのかんの訪問外交は、第二次世界大戦で日本の侵略が及んでいない地域、インド、中東、トルコ、ロシアに狭まっている。トルコとの原子力協定では、核不拡散条約上も問題の、再処理を容認する内容が含まれている。
中国は米国などに、戦後世界秩序の防衛という共同利害を呼びかけている。しかし、戦後世界秩序とは何か。米ソが世界的な覇権争奪と取り引きを行ない、米国を主柱とする西側帝国主義が新植民地主義支配をすすめる秩序であった。1949年中国革命とそれに続く反帝民族解放運動、世界人民の階級闘争は、この戦後世界秩序を、社会主義的・民主主義的に変革するために闘ってきたのである。したがって今の中国の主張は、共産党の主張としては大後退である。しかし、日本軍国主義やファッシズムを復活させ、右から戦後世界秩序を否定せんとする動きへの批判としては正当なものである。
 安部政権への世界的包囲の中心にいるのが、沖縄県民である。
欧米有力氏による「沖縄海兵隊の新基地建設に反対する声明」が一月七日に出され、急速に広がっている。声明は、「普天間基地はそもそも沖縄戦のさなか、住民の土地を奪って作ったもの。終戦後返還されるべきであった。したがって返還に条件が付くことは本来的に許されない」と述べている。名護市稲嶺市長は二月に、この国際声明のジョン・ダワ―氏、オリバー・ストーン氏らすべての署名者に手紙を出した。二月に来沖したキャロライン・ケネディ駐日米大使も、稲嶺市長と面談せざるを得なかった。
沖縄県議会では、百条委員会が設置され、仲井真知事の埋め立て申請承認が追及されている。三月二日の石垣市長選では、国粋主義者中山がかろうじて生き残ったが、彼ら日本政府派が安倍とともに壊滅する日は近い。
国際包囲で、安倍政権を打倒しよう。