朴クネ政権の本質を問う2・14討論会
  韓国進歩党の支援を

 韓国パク・クネ政権が、独裁政権時代に比する弾圧を強めている。野党第二党の統合進歩党(進歩党)の国会議員イ・ソッキ議員を内乱陰謀罪で逮捕し、進歩党には「憲法違反」を事由に憲法裁判所に党の解散命令を要求する事態となっている。イ・ソッキ議員には二月十七日、水原地方裁判所で十二年の実刑・十年の資格停止が出された。
 このような折り、日本の東京では大雪の二月十四日、文京シビックセンターで「朴クネ政権の本質を問う2・14討論会―統合進歩党や労働運動への弾圧、対日政策をどう見るか」が、実行委員会主催で行なわれた。
 日韓ネットの尾沢孝司さんの司会で、最初の発言を、在日韓国民主統一連合のソン・セイル副議長が行なった。
パク・クネ政権の本質を、新維新体制(父親のパク・チョンヒ政権下での維新独裁体制になぞらえて)として捉える。進歩勢力を抹殺すれば、民主政権の復活はありえないと政権与党側は考えている。
これに対し、統合進歩党は進歩党死守、パク・クネ政権退陣へ、「抵抗の春」組織化に全力を傾けている。大統領就任一周年の二月二五日に、民主労総などとゼネストを計画している(ソウル4万人、全国10万人の集会・デモとストライキを実現した)。三月二日に進歩党臨時大会を開催する(六月統一地方選に一千名の候補者を立て、パク政権退陣を前面に掲げることを決議した)。弾圧反対、進歩党支援の声を日本からも一層上げていこう、と訴えた。
次に、恵泉女学園大学のイ・ヨンチェさんが、次のように発言した。
①朴クネ政権の正当性問題の浮上。警察捜査官がネット書き込みによる大統領選への不正介入に対し、良心宣言を行ない、これが公然化した。世論調査では、この国家情報院の介入の事実が明らかになっていたら、選挙結果は逆転していたという。②公安政局へのシフト。イ・ソッキ議員への弾圧をはじめ、全教組、公務員労組などへの介入捜査、鉄道労組と民主労総への弾圧。③朴クネ政権の性格をめぐる論争。韓国社会は、日本と同様に旧社会の思想傾向が温存され、構造的なファシズムの温床がある。これを巡る④ファシズム論争。⑤朴政権の政治・経済的状況と帝王的権威主義への変化。朴政権は、サッチャーリズムを目指しているのではないか。国家債務が1500兆ウォンに達し、民営化と福祉切捨てに手を付けている。これらへの批判を回避するため、公安政局を造成しているのでは。⑥帝王的権威主義造成の土壌。保守与党は反共こそ自由民主主義と認識し、リベラル野党は動揺している。革新進歩政党は分裂し、イニシアチブを喪失している。この状況下で朴政権は、メディアを掌握し、批判勢力を徹底排除している。⑦進歩運動の課題と展望。この六月の自治体選挙の結果では、さらなる弾圧が考えられ、日本絡みのスパイ事件捏造の可能性もある。しかし、アン・チョルス新党と民主党の連携で公安政局を抑え込み、また分裂している進歩運動の再建がなされるならば、大きな展望が拓ける。以上の問題提起であった。
最後に、迫田英文さん(アジア共同行動日本連絡会議)から、十二月・一月の訪韓報告。民主労総の幹部らと会ってきたが、今の韓国の状況は、チョン・ドハンとパク・クネが重なってみえた。鉄道労組のストライキは、23日間やり切って勝利した。そのためか組合員は、たいへん明るい。労組が二年間にわたり、国民の中に入ったから、支持が高い。公務員労組、全教組つぶしも、潮目が変わってきた。弾圧が民衆の怒りに変わる。
朝鮮半島情勢は、危機的状況だ。米軍は第一機甲師団を休戦ライン近くに駐屯させる方針で、地元住民は怒っている。パク政権の性格は、安倍政権にそっくりだ。マスコミを掌握し、それぞれ過去を美化して、復活させようとしている。分断下にあるためか、民主主義の蹂躙は日本よりひどい。民主勢力が韓国のほうが強いから、一層そうなる。
会場からは、在日韓国人元「政治犯」の金整司さんから、二月十三日・上告棄却によるパク・ギョンシュクさん無罪確定の報告がなされ、また3・1集会や、「日韓つながり直しキャンペーン」の案内などが行なわれ、熱の入った集会であった。
(東京Ku通信員)


3・1朝鮮独立運動95周年集会
  歴史の逆行を許さない

 36年間に及んだ日本帝国主義の朝鮮併合支配の最中、1919年に全朝鮮半島に広がった最初の全民衆的運動が「3・1独立運動」であり、本年で95周年を迎えた。
 この三月一日、東京・文京区民センターにおいて約200名の参加のもと、「歴史の逆行を許さず東アジアの平和をつくろう!3・1朝鮮独立運動95周年集会」が同集会実行委員会の主催で行なわれた。
 最初に、日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表の渡辺健樹さんが、主催者あいさつを行なった。
 講演は、東京大学教授の高橋哲哉さんが、「平和も民主主義もあきらめない―東アジアの危機の中で」を演題に行なった。高橋さんは、右翼反動政権である安倍内閣の問題点を、第一に、靖国参拝にみられる、アメリカ政府からも批判された歴史認識の修正主義として、また第二に、集団的自衛権行使での解釈改憲にみられる改憲策動の動きとして明らかにし、批判した。
 ノレの会の歌を挟んで、韓国ゲスト報告が行なわれた。韓国進歩連帯のチェ・ウナさんが、パク・クネ政権の問題点を、統合進歩党弾圧にみられる民衆弾圧、労働運動への弾圧に現われている新たな独裁政権として指摘し、これに対決する韓国民衆運動側の闘いを紹介し、今後の闘いを表明した。
 日韓民衆の連帯で、安倍政権、パク・クネ政権に対決し勝利しよう。(東京Ku通信員)