秘密法廃止へ全国一斉行動
 1・24国会包囲大行動には3000名余

 通常国会が開会した一月二四日、「何でもかんでも秘密にするな」、「ぼくらのくらし、だいなし」「絶対廃止」―込み上げる怒りをボードに、国会議事堂を「人間の鎖」が取り囲んだ。
 特定秘密保護法廃止をめざす「1・24国会包囲大行動・院内集会」が、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会の呼びかけで行なわれ、3000人を超える労働者市民が、怒りのヒューマンチェーンを二度に渡って完成、国会を包囲したのである。
 また同日、少なくとも神奈川、静岡、愛知など全国17都道府県で、一斉に集会・デモが実施され、今後も連携して「『秘密保護法』の廃止を求める請願署名」運動や、地方議会への働き掛けが行なわれる。
 この日東京では、詰め掛けた労働者・市民がぞくぞくと議員会館前に集結、人間の鎖はぐんぐんと伸びていく。そして13時30分、一回目の人間の鎖が完成。参加者は共に手をつなぎ合い、「知る権利を奪う秘密保護法廃止」、「情報の国家独占・隠蔽反対」、「戦争を準備する秘密保護法反対」のシュプレヒコールを安部反動政権にぶつけた。
 次いで午後2時、再び長く連なるヒューマンチェーンの各所から、廃止を求めるシュプレが炸裂。所々で二重、三重の鎖も完成していた。
 さらに包囲終了後には、院内集会が参院議員会館講堂で開催され、会場周辺では入りきれない参加者があふれた。
 院内集会では、主催者側から、秘密法に反対する全国ネットワークが、32都道府県32団体の参加で結成されたことが明らかにされた。そして国会議員、弁護士、各地方からの報告がなされた。
 呼びかけ人で「秘密保全法に反対する愛知の会」の近藤ゆり子さんは、「秘密法が成立し、大変悔しい思いをした昨年十二月六日を忘れず、秘密法を『ロック』する『6の日行動』を展開したり、署名運動や地方議会への働き掛けをやりたい」と表明した。集会は熱気に包まれて終了、闘いの陣形が整えられた。
 安倍政権は昨年、秘密法を強行成立させ、今国会の施政方針演説では、集団的自衛権行使容認の国家安全保障基本法の成立を表明した。しかし安倍政権は、名護市長選で敗北、南相馬では脱原発首長が楽々再選する等、追いつめられている。
 それにもかかわらず、辺野古基地建設を強行せんとし、また原発推進に突き進み、一方、施政方針演説では秘密法に触れなかった。
 この傲慢さは、弱さの表れである。秘密法廃止の闘いを強め、東京都知事選挙では宇都宮けんじ候補の当選を実現して、安倍政権を追いつめ打倒しよう。(東京O通信員)

  名古屋でも三千人

 一月二四日、通常国会の開会にあわせて、名古屋で特定秘密保護法の廃止を求める集会・デモが行なわれた。金曜の夜にもかかわらず、約3000人の労働者・市民が参加した。長年、名古屋市を中心に秘密保護法に反対する活動を続けてきた「秘密保全法に反対する愛知の会」(中谷雄二弁護士・共同代表)の呼びかけで開催された。
 集会では、全国32団体で特定秘密保護法の廃止を求めるネットワークが結成され、今後様々な行動を企画していくことが報告された。愛知、岐阜、三重の各地でも、集会や街頭行動など様々な行動が企画されている。
 安倍政権は国会内での与党の多数を背景にして、秘密保護法や日本版NSC法を強行に成立させた。そして今、国家安全保障基本法を制定し、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行なおうとしている。
 運動の側が遅れを取っている。しかし主権者国民が、安倍政権に民主主義と平和をおしつぶす権利を与えた訳ではない。秘密法の強行可決は、国会の範囲内での出来事だ。
 安倍政権の暴走に対して、大きな反撃のうねりが動き始めた。いまはまだ小さなうねりだが、全国各地での地道な活動を通して大きなうねりに育てあげていかねばならない。(東海S通信員)


12・28~1・7「第44回釜ヶ崎越冬闘争」貫徹さる
 「人材不足」でも失業・野宿は固定化

 十二月二八日から一月七日まで、「第44回釜ヶ崎越冬闘争」が越冬闘争実行委員会と支援によって、「仲間たちの団結で1人の餓死・凍死者も出すな!」を合言葉に、勝利のうちに闘い取られた。「集団野営」「人民パトロール」「医療パトロール」「炊き出し」をやり抜いた。
 越冬闘争とは、冬の寒さの中、行政の窓口が閉ざされる越年期、失業ゆえに野宿をせざるをえない仲間たちの生命を守り抜く闘いとして、1970年以降途切れることなく続けられ(当時は「越冬対策実行委」)、今回で44回目をむかえる釜ヶ崎では最も重要な闘いだ。「野垂れ死に」を許さず、春の闘いにむけた労働者の団結を打ち固める闘いとして、釜ヶ崎の運動の前進をつくり出してきた。
 今回の越冬闘争は、安倍政権による「特定秘密保護法」の強引な成立、靖国への安倍参拝、仲井真沖縄県知事・安倍会談をつうじた知事の「辺野古埋め立て申請の承認」などによって、ますます強まる戦争への道・改憲・原発推進、辺野古新基地建設による沖縄の軍事基地強化、これらに抗する越冬闘争としても取り組まれた。
 今回、「日本軍従軍慰安婦」問題を闘う関西ネットワークの仲間たち、不当弾圧に抗し反原発・再稼動阻止を闘う「関西大弾圧救援会」の仲間たちも、初めて組織的に参加してくれた。
 また一月二日、三角公園での「もちつき大会」の最中には、狭山差別裁判を許さず再審・無罪を求める石川一雄さんが早智子さんともども、初めて釜ヶ崎に駆けつけて来てくれ、「ふるさとの家」での交流会も含め、大いに連帯を深めることができた。
 こうした支援の輪を更にひろげ、団結の質を高めていくことが必要だ。と同時に、これを安倍政権との闘いとして展望するだけではなく、原発もなく、戦争もない「平和で安心して働き生活できる社会」の実現に向けて、既存の社会システムに代わる「新たなしくみ」を展望する闘いとして発展させなければならない。
 釜ヶ崎においては、東日本大震災の復興需要や、老朽インフラの大規模補修工事、震災対策(原発を含む)によって、就労「現役層」を中心にある程度、仕事が出始めている(労働センター発表では微増)。しかし、まだまだ全然足らない。
 こうした傾向は全国的なもので、「建設業における人材不足」が取り沙汰され、「外国人労働者の活用」が検討され始めている。
しかし、高齢者をはじめ野宿を強いられた仲間には仕事がなく、野宿が固定化されている。
大阪では、行政による臨時宿泊施策、「臨泊」の利用者が減っているが、「人手不足」がより深刻といわれる東日本では、山谷、寿の「臨泊」利用者が逆に増大している。一時的な「景気回復」の中で、失業・野宿の問題が後景に追いやられようとしている。
こうした流れに抗して、反失業闘争を前進させねばならない。釜ヶ崎における社会的(公的)就労をさらに拡大し、「安心して働き生活できる社会のしくみ」を作り出していかねばならない。
と同時に、現役層の闘いを再建していくことも課題である。とりわけ東日本大震災の復興事業・原発関連では、ヤクザ・人夫出しのピンハネ、ボッタクリとの闘い、元請け責任追及の闘いが不可欠である。
こうした闘いを勝ち切るためにも、釜ヶ崎の「拠点化」が重要であり、ユニオンをはじめとした下層・未組織・非正規の闘う仲間との連帯が重要だ。
また釜越冬闘争に続き、一月十三日に東京・山谷の玉姫公園で開かれた「佐藤さん・山岡さん虐殺弾劾!日雇全協反失業総決起集会」(約300人)にも、釜ヶ崎から駆けつけ、全協各支部の仲間たちとの連帯を確認した。
2014年、越冬闘争の成果を打ち固め、更なる反失業闘争の前進を!(釜ヶ崎S)


ついに自治体初の原発差止提訴へ
 大間原発建設即時中止!

 福島第一原発事故の当初、各地の原発再稼動の見通しのない中で、当時の民主党政権からお墨付きをもらって、青森・下北半島の大間原発の建設再開が2012年に強行された。この理不尽極まりない電源開発㈱のやり方に対して、函館市・工藤市長は「大間原発無期限凍結」の要求を、二度に及ぶ函館市議会決議と歩調を合わせて内外に明らかにしてきた。
 それから2年3ヵ月、市としての提訴について「世論の盛り上がりの時期とタイミングを見極める」と慎重な立場を取ってきたが、ようやく重い腰を上げて一月二十二日、三月には議会の承認をもらい、東京地裁へ提訴することを記者会見で明言した。
 その提訴は、国と電源開発㈱を相手とした「大間原発建設差し止め訴訟」である。河合弘之弁護士を団長として東京を中心とした十名の弁護団を結成し、電源開発㈱には「地方自治体の存立権」、国には「福島事故原因を究明せぬまま作られた新規制基準では、安全確保が不十分」、を訴状の主訴として提訴するとみられる。
 全国で反原発を軸とした建設差し止め、再稼動反対等の裁判闘争は数知れない中、自治体が提訴すること自体初めてのことである。その意味ではきわめて稀といえるものであり、原発が身近にありながらも身もだえしなければならなかった住民、自治体への朗報であることは明らかだ。
 函館市は過去2回、市議会で大間原発建設反対の決議を全会一致で可決し、意見書として提出してきている。その背景は単に、遮蔽物のない津軽海峡を挟んで23キロの距離でありながら、一度として説明会を開くどころか意見を求められたこともないという経緯だけではない。一昨年十月の一方的な建設再開では、「通告」するだけという電源開発㈱の傲慢さへの反発は当然のこととして、函館市民が中心となった「大間原発差し止め訴訟」が2010年7月に函館地裁に提訴され、第3次訴訟へとつながってきていることも背景としてあることを忘れてはならない。
 この市民提訴の公判は、四月十一日に第12回を迎える。これまで数多くの陳述がなされ、公判が弁護団のプレゼンテーションによる裁判官・傍聴者を対象とした学習の場となる、という異例の裁判が続いている。
 函館市が提訴する先は、東京である。まさしく東京都知事選挙が「脱原発」を焦点として戦われている最中でもあり、一番多くの電気を使う日本の中枢・東京での裁判こそ、日本の原発政策を問う意味でも正しい選択だとおもえる。東京都民の応援をお願いしたい。
 安倍政権は再稼動への道程を限りなく短くし、大間原発についても「新規建設ではない」としGOサインを出し続けている。そして電源開発㈱も今春に、原子力規制委員会に安全審査を申請する動きになっている。現状を覆すのは今しかない!(北海道M通信員)