12・1大阪
  「御堂筋パレード」に2300名

 十二月一日の大阪市で、秘密法案などに反対する「12・1戦争はイヤ!御堂筋パレード」が、中之島公園女神像前を出発点に行なわれた。集会中途では1500名を超えたと報じられたが、パレード終了時には約2300名に増える盛り上がった行動となった。
 主催は大阪憲法会議、おおさか女性9条の会、憲法9条の会、しないさせない戦争協力関西ネットなど九団体。
 集会では、大阪弁護士会の西浦さん、おおさか女性9条の会のマリアさん、しないさせない関西ネットの中北さんなどが登壇した。中北龍太郎さんは、参院での秘密法廃案のため総力を結集しよう!大阪の運動の力で戦争への道を絶対に阻止しよう!と鼓舞激励した。
 この日は天気も良く、パレードでは灘波までの長いコースで、日曜日の人出に「秘密保護法反対!」「9条守れ!」などの大宣伝を行なうことができた。街頭から手を振る人、コールに唱和する人も多く、安倍政権への怒りと危機感の広がりを感じさせた。
 大阪では、秘密法の国会提出前後から、弁護士、ジャーナリストなどを中心に共同闘争が始まった。さらに幅広い戦線をつくるよう意識的に取り組むことが大事だ。(大阪I通信員)


11・21東京
  STOP!「秘密保護法」大集会に一万人
   戦争は秘密から始まる

 衆院特別委員会で特定秘密保護法案が二五日にも強行採決されかねないとの風聞が流れる中の十一月二十一日、東京・日比谷野外音楽堂の内外をうめる約1万人の参加で、「STOP!『秘密保護法』11・21大集会」が行なわれた。主催は、同集会実行委員会(新聞労連、平和フォーラム、全労連、5・3憲法集会実行委などなど七十余団体)、後援が日本弁護士連合会。
 この日、集会前の昼間には、市民団体、労働組合などによる国会議員要請行動、国会前での抗議・宣伝活動も繰り広げられた。
全港湾、全日建、新聞労連の呼びかけによる「11・21『労働者も秘密保護法に反対』行動」が、首相官邸寄りの国会前において約百名の結集で取り組まれた。そのチラシは訴える。「公務員やジャーナリストだけの問題ではありません。港湾や飛行場をはじめとする公的な施設建設・運営にかかわる労働者も『特定秘密』にかかわります。なによりも原発労働者はすでに『特定秘密』だらけの職場で働いています。」「秘密保護法はすべての労働者をがんじがらめにしてしまいます」と。
また、この日を挟んで十八日から二十二日にわたって、秘密保護法廃案要求の国会前座り込み行動が続けられた。これは新社会党が呼びかけ、破防法・組対法に反対する共同行動など各団体が呼応して取り組まれたもの。
さて夕刻からの野音の集会では、開会三十分前にはもういっぱいになっている。会場は3~4千人で閉鎖となり、5千人が場外で集会参加という大結集であった。これは平和フォーラム、全労連、全労協など組織体が系列をこえて合流したからとも言えるが、秘密保護法案に対して急速に高まる世論の危惧と怒りを感じさせるに充分であった。
集会では、前日二十日に野党の日本維新の会が、十八日にみんなの党が与党自民・公明との間で、でたらめな法案修正合意(秘密指定審査で首相が「第三者」、秘密期間は六十年、付則で第三者機関を「検討」など)を行なったため、これへの糾弾の声が多く出され、二六日衆院通過などは絶対に許さない、廃案しかないとの強い決意が表明された。
中森圭子さん(盗聴法に反対する市民連絡会)の司会発言の後、海渡雄一さん(秘密法反対ネット、弁護士)が主催者挨拶を行なった。海渡さんは、「秘密法反対の一点で合流しています。名古屋、大阪、沖縄など全国十四ヵ所で同日行動が取り組まれています。」「ふざけるな修正案!と言いたい。よりひどい案になっている。ツワネ原則(国家安全保障と情報への権利とのバランスについての国際基準)によって、自衛隊法も含めて法案は練り直されるべきものです。今の秘密法案は、戦争の道に直結し、また行政府が立法府を破壊するものです。かならず廃案に!」と訴えた。
多くの国会議員が集会参加した。参加議員を代表して民主党からは近藤昭一衆院議員、日本共産党からは志位和夫委員長、社民党からは吉田忠智党首、新党大地からは鈴木たかこ衆院議員(メッセージ)がアピールした。糸数慶子参院議員、阿倍知子衆院議員も紹介され、また「お騒がせの山本です」と前置きして山本太郎参院議員も発言した。
日弁連が集会後援を引き受けたことも、特長の一つである。日弁連秘密保全法制対策本部の江藤洋一弁護士が挨拶し、「弁護士の直感で、秘密法ができると裁判にならなくなる」と法曹界の危機感を表明した。
各界発言では、青井未帆さん(学習院大学法務研究科教授)、落合恵子さん(作家)、日比野敏陽さん(新聞労連)、藤本泰成さん(平和フォーラム事務局長)、鈴木伶子さん(5・3憲法集会実行委、キリスト者平和ネット)、田島泰彦さん(上智大学教授)が発言した。
新聞労連の日比野さんは、「戦争は秘密から始まる。私たちは、戦争のためにペンを取らないと誓って歩んできた。法案は公報以外は書くなであり、ジャーナリストを舐め切っている」と批判した。また本日、国際ジャーナリスト連盟が、日本の秘密法案に反対声明を出す事態となっていることを紹介した。
最後に、秘密法案を直ちに廃案にすることを求める集会アピールが拍手採択され、万余の参加者は、国会請願デモと銀座デモの二手に分かれてデモ行進に出発した。
 その後十一月二六日、しだいに広がる反対論に焦るかのように、拙速にも自公は午前の特別委員会で「4党修正案」を強行可決し(審議時間たった2時間)、午後には衆院本会議で強行可決するという暴挙をやってのけた。この日、11・21集会実行委の呼びかけ等によって、国会・首相官邸前では強行採決抗議行動が終日闘われた。
秘密法案の反動性のみならず、この11・26暴挙、それ自体が民主主義の危機である。各界での秘密法批判の高まりによって、採決では、民主党は対案を出した形での反対に回らざるを得なかった。本会議で維新は棄権、みんなの党は2名反対・1名棄権と、翼賛的野党にも動揺が起きている。闘いをさらに盛り上げれば、参院での阻止は可能だ。(記二七日、東京W通信員)