編集部だより

★安倍政権が暴走している。与党が両院過半数を握れば、議会制民主主義なんてこんなものとも言えるし、議会に負託とされる国民主権そのものが破壊されている事態だと弾劾することもできるだろう。★秘密法案の意図の中心は、海外での日米共同戦争にあったはずである。米英は、両国のNSCと秘密保全体制で軍事情報を共有し、アフガン、イラク侵略を行なった。日本は中途半端に集団的自衛権を行使した(サマワ駐兵、米軍空輸、海上給油)が、米英レベルの情報をもらっていないはずである。★今後、自衛隊が殺し殺される事態に進んでも、米軍と情報共有できなかったら、単なる傭兵である。集団的自衛権行使解禁論者には、こういう焦りがあったはずである。この点から言うと、日米安保法体系での既存の秘密法制に加えて、防衛省・自衛隊側の秘密保全強化策で対応できたはずである。★しかし安倍政権は、あきらかに網を広げすぎた。安部改憲論の国家本位主義的な基調や、自民党伝統の官僚政治の復活が影響したのだろう。提出された秘密保護法案は、米英からも懸念の声が挙がるような、全体主義的で奇怪な代物になってしまった。★いまや日本の秘密法案は、世界から日本右傾化のまた一つの証拠と見なされている。安部政権は国内世論が見捨てさえすれば、あえなく崩壊するだろう。(若杉)