10・27大阪
とめよう戦争への道!つどい
  秘密法提出に対峙

 十月二七日、大阪市のエルおおさかにて、「10・27とめよう戦争への道・めざそうアジアの平和!2013のつどい」が開催され、約800名が参加した。大阪平和人権センター、戦争あかん!基地いらん!関西のつどい実行委員会の共催。
 今集会は、直前二五日に「特定秘密保護法案」が閣議決定される中、「国家安全保障会議設置法案」と共に安倍政権が戦争のできる体制作りを強めているまさにその現況を、打ち破っていくものとしての集会であった。
 ゲストスピーカーとして東京新聞論説委員の半田滋さん、沖縄からは普天間爆音訴訟団副団長の石川元平さんが登壇した。
 半田さんは、安倍政権による改憲策動をきびし問うなか、大きく運動をつくり上げ、「集団的自衛権行使」容認阻止・改憲阻止の輪を広げようと訴えた。沖縄の石川さんは、屋良知事時代の秘書として、また教育者(元沖教組委員長)として歴史を振り返り、沖縄の民衆の歴史は決して葬り去ることができないことを語った。本土の為政者がいかなる隠ぺいを弄しても、天皇の犯した比類ない戦争責任は追及され、また今日までの日米の暴挙は民衆の運動によってくつがえされるだろうと静かに語った。
 その後、歌うナニワの巨人、こと趙博(チョウ・パク)さんが弾き語りを披露、「ちゃんと運動側も自分たちの失敗は、まじめに総括せなあかん」と、在日コリアンの立場から語ったことも印象的であった。
 デモ行進は、米領事館前では、米軍は沖縄から出ていけ! 八尾空港でのオスプレイの飛行を許さない! 京都・経ヶ岬のXバンドレーダー基地建設反対!などのシュプレを上げつつ、市役所前まで貫徹した。(関西I通信員)


10・20京都
第7回反戦・反貧困・反差別共同行動
  米軍Xバンドレーダー基地反対

 十月二十日、京都市の円山野外音楽堂において、第7回「変えよう!日本と世界 反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」が開催された。 集会は前夜からの雨模様であったが、530名参加で成功裏に勝ち取られた。主催は、反戦・反貧困・反差別共同行動(きょうと)。
今年の集会は、安倍政権が進める改憲・秘密保全法制定・京都経が岬での米軍X(エックス)バンドレーダー基地建設、更には安倍ノミクスによる格差の拡大、また排外主義の台頭、こうした大政治反動と市場原理主義の徹底化という緊迫した状況下での開催であった。
まず、恒例の代表挨拶で世話人の仲尾宏氏から、この集会が「安倍右翼ナショナリズム政権に抗して」のテーマで闘いとられている意義が簡潔に提起された。
 講演の一人は、辛淑玉氏による演題「よりそう、ということは」であった、演題からして、なにか「優しさを」感じさせるものであったが、講演が始まると、カサを叩く雨音以外全ての音がかき消される中、辛氏の出自から朝鮮人として日本社会の中で生きること、それ自体が差別とのわが身を賭けた闘いであること、その凄まじい語りに参加者一同息を呑む感であった、同氏は、昨今の排外主義とヘイトクライム(人種憎悪宣伝)が人間の尊厳への挑戦であり、それゆえ敢えて「よりそう」と言う言葉を使って、「よりそわない」排外主義・ヘイトクライムを弾劾していた。
 続いて演壇には、予定に無かったが山本太郎参院議員が駆けつけて、今国会で提出されんとしている「秘密保全法」の危険性を饒舌な山本節で訴えかけた。同氏の発言を脱原発運動の初期から聞いてきた者として、話が上手くなったなぁ~が実感でもあった。
 つぎに講演二人目の鵜飼哲氏だが、さすがに「改憲状況下の民衆闘争の課題」等を語らせたら第一人者である。内容が多岐に渡るため、ほんの一部しか紹介できないのが残念であるが、氏は「改憲の主眼は天皇元首化、その下への国民統合」であり、それは「民族的少数者が尊厳を持って生きられる社会空閑を急速に縮小させ」、「レイシズムと改憲が一体的に進行する」ものと指摘している。然りである。
今回の集会の特別報告は、緊迫の度合いを増す「経が岬米軍Xバンドレーダー基地建設」をめぐる攻防だ。現地からの報告によると、すでに基地建設のための「借地権」提示が、防衛省より2回にわたってなされている。第1回目は1ヘイベー1万8千円が提示され、第2回目には何と30万円の提示があった(一坪に換算すると百万円!)。だが、こうして「札束で人の心を転がし」平和な村を基地依存に持っていくやり方は、その手口において原発立地と同じである。
最後に実行委員会を代表して新開純也氏が、集会の意義と今後の方向性を提起した。「来年は、この円山公園を埋め尽くそう」、「原発再稼動を許さず、全国の津々浦々で現地闘争を継続的に闘っている仲間と連帯しよう!」、「集団的自衛権容認を許さず、敵の野望たる改憲を阻止しよう!」等を確認して集会を締めくくった。
全員でインターナショナルを斉唱、気合を入れて京都市内のデモ行進を貫徹し、この日の闘いを終えた。
安倍政権の戦争への道と全人民的布陣で対決しよう。 敵の動揺(小泉脱原発発言等)さえもシッカリと利用して、隊伍を整えよう。新たな政治勢力を構築しよう。(関西M通信員)


日韓民衆連帯の力で
   国家保安法廃止!
  秘密保護法阻止!


 安倍政権が機密法制定を画策するなか、韓国ではそれを先取りするがごとく、公安政局が吹き荒れている。
 統合進歩党(以下、進歩党)のイ・ソッキ(李石基)国会議員をはじめ7名に対し、八月二八日以降、内乱陰謀罪を適用し逮捕するという事態を招いている。この内乱陰謀罪は、光州事件の首謀者として囚われたキム・デジュン(金大中)元大統領にかけられた容疑で、33年ぶりとなるおどろおどろしいものと言える。さらに、進歩党に対し、解散要求さえ出された。
 このような事態となったのは何ゆえか。昨年の大統領選で、国家情報院(旧KCIA)や警察が、パク・クネ当選のためにインターネットを利用して不正に介入したことが、選挙直後から発覚し、今年六月二十一日に学生らで始まった五百人あまりのキャンドル抗議集会が、七週間後にはソウルだけでも5万を超えるキャンドルの明かりとなった。
 検察捜査や国政調査でも明らかとなった国家情報院の大統領選介入の責任、パク大統領自身の責任も問われる状況となったが、事態は正反対の方向に動いた。キャンドル集会を中心で担い、また大統領選介入を最も鋭く追及した統合進歩党とイ議員を追い落とすために、かっての軍事独裁政権下でのスパイねつ造劇と同様のものが、公然と復活・強行されたのである。
 その手口は、生活に困窮した党員を買収し、イ議員が講演する集会に潜入させ、発言記録を改ざんするという悪らつなものであり、また公安当局の提出した内乱陰謀の証拠とする記録は、進歩党の調査では全く逆の内容を示している。
 キャンドル集会が急激に発展する中、昨年総選挙過程での失態で支持率が低迷していた進歩党が、これまた支持率を回復していた。それとともに、高い支持率を誇っていたパク・クネが急落し、50%を切る事態となっていた。危機感をもったパク政権は、民主・進歩陣営に「従北」主義のレッテルを張り、国民からの離反を図った。ついに箪笥の奥に眠っていた内乱陰謀罪まで引っ張り出して、民主・進歩陣営の分裂を画策している。
 与党セヌリ党が提出したイ・ソッキ議員逮捕容認決議に反対したのは、進歩党全議員と無所属議員の14名でしかなく、民主党は「従北」主義のレッテルを貼られることを恐れ、賛成に回る体たらくを見せた。左派を自称する党派も、ともに闘うのではなく、進歩党への罵倒に終始している。
 韓国の大手マスコミは国情院の大統領選介入には沈黙していたが、この問題では連日、反「従北」キャンペーンを張っている。日本でも、右翼マスコミは言うに及ばず、民団も悪乗りしてパク・クネに忠誠を誓っている。
 韓国民衆は、進歩党は当然としても、右翼的歴史修正主義教科書の押しつけや、全教組弾圧が吹き荒れるなか、この問題でも反撃の烽火を上げている。日本においても、イ・ソッキ議員釈放を要求する署名が開始された。日韓民衆連帯の力で国家情報院解体・国家保安法廃止・日本の「秘密保護法」制定阻止を闘いとろう。(Ku)