編集部だより

★安倍首相は、九月二六日の自らの国連演説がアメリカのクリントン前国務長官からほめられた、とご満悦である。演説内容は、女性の社会進出や扮装予防・解決への女性参加など「女性が輝く社会をもたらしたい」というもの。★しかし、安倍演説の狙いは、女性をアベノミクスの成功に利用しようという切実な願いが込められたものでしかない。そもそも、このような国連演説をしなければならないほど、日本では女性の労働や生活の環境が劣悪にされてきた原因について、安倍首相は全く頬かむりである。★端的にいえば、その原因は資本家たちが女性労働をあくまでも補助労働とし、「使い捨て」としてきたこと、自民党が保守的な家族制度論で社会秩序を維持しようとしてきたことにある。両者は、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担のイデオロギーで共通している。だが、これは猛スピードでの少子高齢社会に結果した。★安倍演説の狙いは、もう一つある。「従軍慰安婦」問題で世界中から批判されていることに間接的に反論するために、「女性を大事にしていますよ」という狙いである。しかし、これも姑息な「抵抗」でしかない。★先日、世界経済フォーラムの「男女格差報告2013年度」が発表された。日本は136カ国中、105位となった。前回の101位からまた下がった。(竹中)