編集部だより

★今回の朝鮮半島における戦争勃発の危機は、朝鮮側の「挑発」によるものではなかった。朝鮮は、核実戦配備を実現できればよかったのである。他方アメリカは、武力行使によるしか、これを阻止する手段がなかった。ここに戦争勃発の現実的危険が存したのである。★朝鮮は、アメリカが武力行使すれば「全面戦争」になると警告を発し続け、その企図を「抑止」し、核実戦配備を達成した。これによって朝鮮は、アメリカの属国となることなしに、経済建設に力を注いでいく「展望」を手にした。アメリカの覇権の限界が露呈した瞬間であった。だがアメリカは、朝鮮の「非核化」に固執し、「制裁」を強め、中途半端に戦争の危険を高め続けている。★問題をこじらせている大本は、アメリカの世界覇権の衰退にある。アメリカは、衰退する自己の覇権を、日・中を分断・対立させ、その上にボナパることで補おうとしている。中国は、これを利用し地域覇権を打ち立てようとする。日本は、アメリカの庇護と従属下で再軍備の道を開こうとし、それと不即不離にアジア侵略肯定史観の「靖国ムラ」を台頭させる。それらは、朝鮮の抑え込みを同床異夢的共同の課題としながら、全体として東アジアの秩序を崩壊させだしているのである。★背後には、資本主義経済の行きづまりと社会の崩壊がある。社会の崩壊は、新しい社会を胎動させる。東アジア規模の激動に備えなければならない。(深山)