福島とつながる2・15労働者集会
 労働者の脱原発宣言を

 二月十五日、東京・神田の日本教育会館で、脱原発社会をめざす労働者実行委員会の主催、フォーラム平和・人権・環境の協賛による、「福島とつながる2・15労働者集会 原発NO!憲法YES!」が、480名の結集で行なわれた。
 この集会は、昨年八月十二日、京都大学の小出裕章さんを招き1000名の結集で成功した、「脱原発社会をめざす労働者集会」の第二弾として計画されたものである。
集会は最初に、平賀雄次郎・全労協全国一般委員長が主催者挨拶を行ない、「第一原発事故後2年近くなっても状況は変わらない、脱原発社会実現のために労働者の役割は大きく、総選挙敗北以降、除染労働の労働者権利無視や放射線被ばくに反対するだけでなく、憲法改悪策動と対決することが不可欠」と、述べた。
 続いて、脱原発一千万署名呼びかけ人の鎌田慧さんが講演を行なった。
「労働者個人と職場に、脱原発思想を確立することが問われている。労働者にとって、健康と生命維持は基本問題。原発産業では、労使が放射線被ばくを隠蔽してきた。原発再稼働を阻止できなければ、また仲間を犠牲にすることになる。事故後原発で働く労働者は一層管理され、被ばく労働者が重層的に下層化された。また、運輸、水道、清掃を含むすべての労働者の被ばく対策が課題となっている。」
 「原発推進の根底には、つねに核武装できる体制を準備する、という歴代自民党首脳の意図がある。原子力基本法をかれらは根拠にしてきたが、我々は脱原発基本法制定めざし、国会内外で連動して活動すべきである。」
 「原発産業は原発輸出を行なっている。日立は英国ホライズンニュークリア―パワーとの契約で、原発事故リスク回避のため、株式保有を将来は100%から50%に分散させるとした。事故時の責任回避を前提とした輸出である。」
 「日本の労働運動は、反原発を闘うときに市民との連携が薄かった。地域住民は、日本全国で数々の原発設置を阻止してきた。阻止できなかったところに原発は作られ、労働者が被爆した。原発は長期的には必ずなくなる。未来は私たちある。今労働者一人ひとりがはっきりとした意識をもって、やれることをやろう。1000万署名を達成し、3・9集会を成功させよう。」と力強くしめくくった。
 福島県平和フォーラム代表の五十嵐史郎さんは、「福島県商工会議所の代表は、原発を再稼働して復興を速めよう、などととんでもない発言をする一方、インターハイの宿舎では『福島の高校生が入浴した湯を取り替えろ』など福島差別がおこっている。福島の不安や苦悩は改善されておらず、廃炉へ向け長期的闘いを」、と訴えた。
 除染労働者の特別手当ピンハネを許さずに闘う全労協の仲間たちは、「労働者は作業をまじめにやっているにもかかわらず、ピンハネ、8畳に4人押し込められる宿舎、粗末な食事等ひどい労働実態があり、その元請は東京電力100%の子会社だ」と除染労働の実態を糾弾し、闘争報告を行なった。
 最後に伊藤彰信・全港湾委員長が、「脱原発労働者宣言」を提案した。そして「職場で討議をおこし、自分たちの脱原発宣言を出そう」、「脱原発を訴えるビデオやフィルムをおおいに利用して、この多くの労働組合が本労働者実行委員会に参加してほしい。3月の行動を労働者の力で取り組もう」と呼びかけ、集会を終えた。(東京H通信員)


2・28〜3・1
 
危険手当ピンハネ許すな!除染労働者争議行動
 除染は国直轄の公的就労に

 二月二八日の東京で、除染労働者への違法行為是正を求める環境省・厚生労働省交渉、また参院議員会館での院内集会が、全国一般全国協議会、被ばく労働を考えるネットワークなどによって行なわれた。
 翌三月一日には、元請の鹿島、一次下請けのかたばみ興業(鹿島の同族会社)、二次下請けの尾瀬林業(東電の100%子会社)、そして東京電力本社に対する抗議行動が行なわれた。
 大阪・釜ヶ崎からも多くの仲間がこの行動にかけつけ、日雇全協の仲間、全国一般全国協や被ばくネットの仲間、そして何よりも除染現場で働く仲間とともに、この行動を闘い抜いた。
 我々はこのかん、「被曝の危険が高い除染作業は国の直轄事業として直接、責任をもって行なえ。現地の仲間を優先に、全国で失業に苦しむ仲間の公的(社会的)就労として行なえ!」と主張してきた。
 それは、旧来と同じような仕組みで仕事を出せば、重層的下請け構造の中で、もっとも重要な被曝に対する安全の問題がウヤムヤにされ、また賃金・手当のピンハネが横行する、つまり、税金を使った被災地の除染作業が、除染労働者を犠牲にしての、ゼネコンから「人夫出し」に連なる重層的下請け構造による金儲けのためのものになるからだ。
 具体的には今回の争議は、福島県田村市での除染作業で、環境省が賃金とは別に出している危険手当(1日1万円)の特殊勤務手当がまったく支払われず、また様々な名目でのピンハネと時間外労働の不払い、また山間のバンガロー利用など劣悪な宿所・食事、またいい加減な安全管理などなどに対して、30人近い労働者が立ち上がったことが発端である。
 形の上では直接雇用した電興警備保障(これは偽装であり、その下にいくつもの人夫出しが連なる)は、二度にわたる団体交渉で未払い賃金については「全額支払う」と約束したが、危険手当に関しては「元請からもらっていないので払えない」と開き直っている。
 鹿島をはじめ元請けの3社は団交にすら応じず、二次下請けの尾瀬林業にいたっては申し入れ書すら受け取ろうとはしていない。
 また発注者である環境省も、まったく指導すらしていない、事実の調査すらしていないことが、今回の交渉で明らかになった。
 釜ヶ崎からも被災地へ、このかん多くの仲間が除染労働で働いている。
 釜ヶ崎では、この問題がマスコミで報道されるや、仕事も終わってしばらく経ち本人が請求すらしない内に、闘いになるのを恐れた業者がすすんで「不払い部分があるので支払う」とカネを支払った。(もっとも、その額には問題があるが)。
 今、現地では毎日、数千名の規模で除染労働が行なわれているが、まだまだ多くの仲間たちが危険手当さえピンハネされ、被曝労働を強いられている。鹿島に連なる今回の問題は、その氷山の一角にすぎない。
 今回の行動は第一弾にすぎない。危険手当1万円を全額支払わせよう。労働者が安心して除染作業ができるよう、闘いを強めよう。(釜ヶ崎S)


またもや大阪府警が2・13弾圧
 弾圧には闘いの発展で応じる

 二月十三日、大阪府警は、釜ヶ崎日雇労働組合員2名の自宅を含む6ヶ所の家宅捜索を強行した。
 この弾圧は、昨年八月の橋下大阪市長による「従軍慰安婦」暴言に対し、九月二十三日に韓国からハルモニを招いての抗議集会が行なわれたが、この集会における、「集会粉砕!」を叫ぶ「在特会」に対する防衛行動をもって、「K氏他3名による傷害事件」としてデッチ上げたものである。
 この弾圧の狙いは明らかだ。全国で燃え広がる反原発闘争、とりわけ大阪での闘いの発展を押しとどめ、その解体―体制内化を狙ったものに他ならない。
 反原発闘争はその性格からして、たんなるエネルギー政策の転換を求める闘いに止まるものではなく、広く「社会のあり方」、その未来を見すえた闘いへと発展していく。それゆえ必然的に、さまざまな社会運動との結合を深めざるをえない。
 事実、大阪では昨年まで市役所前の「テント村」が、反原発闘争の拠点としてだけでなく、沖縄闘争や「在特会」との闘い、「橋下改革」との闘い等の交流・結合の場として担われていた。この闘いの潮流を阻止することにこそ、今回の弾圧の狙いがある。闘争の圧殺―分断と体制内化である。
 実際、今回の弾圧だけではなく、このかんの一連の大阪府警による弾圧にひるみ、「合法的にやり返しましょう」と主張する人も出ている。しかし権力の弾圧に対して、「法律の枠からはみ出した闘い」故に「悪いことをしたら逮捕されるのは当たり前」というのでは、権力崇拝の腐敗した姿勢である。
 筆頭に上げられたKさんは、このかん大阪における反原発の闘い、「在特会」の襲撃に対する防衛行動を最先頭で闘ってきた仲間であり、それゆえ権力によって不当逮捕をくり返され、2件で起訴されて現在不当な長期拘留を強いられている。
 また、自宅・関係先のガサ入れを受けた3名の仲間も、このかん反原発の闘い、「在特会」との闘いを責任をもって担ってきた仲間だ。弾圧に対しては、さらなる闘いの発展でやり返し、権力のモクロミを打ち破っていこう。
 不当なガサ入れを受け、直ちに反撃が開始された。二月十四日には「4名の仲間を守る会」(仮称)が結成され、一週間で600名の賛同署名が集められた。
 事態は急を告げている。仲間の中には、その拒否を通告しているにも関わらず、三度にわたって「任意」の「出頭命令」がくり返されている。
 獄中のKさんをはじめ他の3名の仲間への、不当逮捕を許さない闘いを強めていこう。そのためにも、反原発などの更なる闘いの発展と広範な団結が必要になっている。(関西A通信員)


安倍、朴政権に対決し「3・1」日韓連帯集会
 停戦60年国際平和大行進へ

 3・1朝鮮独立運動から94年目の本年は、昨年末の、日本の総選挙での自民党安倍政権、また韓国大統領選挙での朴政権の登場を受けて、日韓民衆連帯の闘いの課題をどう立てるかが問われている。こうした課題意識のもとで三月二日、東京・文京区民センターにて日韓民衆連帯集会が約150名の参加で行なわれた。主催は、日韓民衆連帯全国ネットワークなどの呼びかけによる「2013・3・1集会実行委員会」。
 集会は、日韓ネットの渡辺健樹共同代表の主催挨拶に続き、日本側からは浅井基文さん(広島平和研究所前所長)が、「安倍・右翼改憲政権と私たちの課題」の演題で、日朝関係を中心に講演した。
 その後、韓国進歩連帯からのゲスト団が紹介された。共同代表のハン・チュンモクさん、自主統一委員長のチェ・ウナさん、組織局長のイ・ウォンギュさんである。
 チェ・ウナさんは、「2013年の朝鮮半島情勢の展望と運動の方向」について講演を行なった。パク・クネは選挙期間中、バランスを口にし、韓米、韓中、対北を語ったが、これも韓米日の軍事同盟強化を前提とするものでしかなく、北東アジアの平和にはつながらないと述べた。
 ハン・チュンモクさんは、「パク・クネ保守新政権登場と韓国民衆の闘い」について講演し、朝鮮戦争停戦60周年の本年、国際平和大行進を行なう、それは七月四日から七月二七日まで済州島から韓国全土をまわり、イムジン閣にいたること、これら各種の行動を展開することを提起した。
 この平和大行進は、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの主要都市でも行なわれる。このような大規模な運動提起が、韓国進歩連帯から発せられたことは、大統領選挙後の「メンタル・プンゲ(崩壊)」を乗り越え、韓国民衆運動がバク・クネ政権と真正面から対決する陣営を整える段階に入ったことの証しと言える。日本の労働者民衆も、この決意と行動提起を受け、これ連帯した闘いが問われている。
 このあと、集会実行委参加の諸団体、沖縄一坪反戦地主会関東ブロック(吉田正司さん)、許すな!憲法改悪・市民連絡会(高田健さん)、VAWWRAC(西野瑠美子さん)、高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会(森本孝子さん)からアピールがなされた。
 今年の「3・1集会」は、安倍政権・朴政権の登場という厳しい状況下でも、これを打ち破る日韓民衆連帯の闘いの確信が得られた場となった。(東京Ku通信員)


反空港闘争、決意新たに
   1・13三里塚旗開き・東峰現地行動
  1.20関西三里塚闘争旗開き

 一月十三日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人:柳川秀夫)の2013旗開きが、横堀農業研修センターで行なわれ、50名が参加した。
 旗開きは、山崎宏さん(労活評現闘/横堀地区案山子亭)が、「昨年は、一坪共有地の裁判闘争が東京高裁で敗訴し、最高裁に上告中だ。一坪共有運動の連絡先である横堀の団結小屋が裁判によって撤去の決定が行なわれ、十一月二八日に強制撤去された。しかし団結小屋破壊抗議闘争には、反対同盟と支援が一体となって果敢に闘った。主体の健在と底力を示すことができた。今年もともに奮闘していこう」と開会の挨拶。
 柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)は、冒頭、「昨年十二月に小川むつさん(元婦人行動隊)、今年一月五日に熱田一さん(反対同盟熱田派元代表)が亡くなった。かつてともに闘った先輩たちの冥福を祈りたい」と述べた。
そして、「11・28団結小屋破壊は強制収用だ。絶対にあってはならない状況だが、基本的には力の論理で強行してきた。しかし人間の力を押しつぶすことはできない。団結小屋破壊抗議闘争は、多くの人が集まり、意気軒ミの闘いであった。今年も何が起こるかわからないが、問題がある以上闘っていこう」と呼びかけた。
 加瀬勉さん(大地共有委員会U代表)は、「昨年の団結小屋破壊、一坪共有地『強制執行』判決に断固抗議する。団結小屋破壊抗議闘争の現場指揮を行なった。鬱積した感情を出し切った。七九歳になるが一生青春、三里塚の先兵の決心をあらたにした」と挨拶。
さらに加瀬さんは、@衆院選での民主党の惨敗と統治能力のなさ、A三里塚闘争から逃亡した共産党、B安保容認、三里塚治安立法賛成、一坪共有地放棄をやった社会党、C旧総評指導部の三里塚闘争への敵対、D新左翼諸党派の「雲散霧消」と不統一状況、これらを歴史的に批判し、「権力を追い込んでいったことは自信を持っていい。過去の栄光にぶらさがっていることはできない。政治は生き物だ。現実にどう対応していくか問われている。三里塚の拠点を守りぬき、権力に肉薄して続けていく」と続けた。
 清井礼司弁護士は、「今後、横風滑走路建設が焦点化する。ここには一坪共有地、旧横堀現闘本部の拠点がある。絶対死守の決意を固め、闘う陣形を強化していこう」と発言した。
 平野靖識さん(東峰地区らっきょう工場)は、「成田空港B滑走路に三本目の誘導路の工事が終わった。空港会社は春のダイヤ改正から二七万回離発着を強行する。これまでよりも東峰地区上空の騒音がひどくなる。島村宅、樋ケ宅、小泉宅の苦労を思うと腹立たしい。三里塚物産は今年、35周年になるが、若い人たちも参加し新たな継承が生まれている。若者たちの育成に寄与していきたい」と発言した。
 続けて、関西から駆けつけた小山広明さん(泉南市会議員)、関西三里塚闘争に連帯する会の渡邉充春さんなどが挨拶を行なった。
 旗開き終了後、参加者は東峰地区共同出荷場跡地に移動し、三里塚空港に反対する連絡会による東峰現地行動を行なった。
 デモ出発前に石井紀子さん(三里塚農民)は、「闘う皆さんと再会できてうれしい。旧出荷場はなくなってしまったが、この場所を守っていきたい」とアピール。その後、B滑走路が目の前に見える開拓道路まで、東峰地区一帯をデモ行進した。
 一月二十日には関西で、尼崎市の労働福祉会館にて、関西三里塚闘争に連帯する会、三里塚相談会による旗開きが行われ、35名が参加した。
東大阪連帯する会の三輪喜久治さんの司会で開始され、まず連帯する会共同代表の渡邉さんが、「三里塚空港での一坪共有地裁判、団結小屋破壊攻撃に対して支援を強めていこう。共有地の堅持のために、相続手続きや対策を強化していこう」と挨拶した。反対同盟の柳川秀夫さんが駆けつけ、「横風滑走路の問題が進展する可能性もある。少数になっても断固として闘っていこう」と挨拶した。
泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会の小山広明さんが、「関西新空港は伊丹と一体となった新会社になったが、問題は山積みだ。昨年は全国の仲間が反空港全国連として国交省と交渉を持った。今年は全国連を泉州で開催したい」と述べた。
石垣島白保に空港をつくらせない大阪の会の栄篤志さんが、「三月七日供用開始へ向け、現地では工事が強行されている。設置許可処分取り消し訴訟は昨年高裁で御用判決が出た。沖縄へのオブスレイ配置、自衛隊の宮古八重山への配置などの問題もあわせて、粘り強く訴えていきたい」と挨拶を行なった。
昨年11月の国交省との交渉で明らかになったのは、三里塚、関西新空港、白保などのほか、静岡空港では、設置申請での利用者見込み178万人が実席40万人でしかない実態、浜岡原発から20キロに位置していて防災計画などは一切ないこと、これらが明らかになっている。また羽田空港も、新たな滑走路供用による騒音問題が深刻化している状況が明らかになっている。
今年は、十月に大阪府の泉南市において、反空港全国連の全国集会が行われることも決まっており、各地の空港問題への取り組みを強めていこう。(S)