【2013年 年頭年アピール】

 自民党の衆院単独過半数は、まさに砂上の楼閣
  確信をもって安倍反動政権打倒へ

 師走の総選挙における議席の上での自民党圧勝と、年末の安倍自民・公明連立政権の再登場とによって、きわめて不愉快な迎春となっている。
 この事態に対し、日本の労働者人民が取るべき態度を一口でいえば、安倍自民党とその類似勢力の勝利を、戦術的には重視し、戦略的には恐れないということに尽きる。攻勢をとる敵はしかし砂上に立っており、労働者階級人民の利益という大地に立つ我われの最終的勝利は疑いえない。この確信をもって、当面の課題を検討することが必要だ。
 自民党が得た衆院単独過半数の議席は、まさに砂上の楼閣である。これを比例区の相対得票率から見てみよう。
 自民党の得票率は27・6%に過ぎず、自民が大敗した前回09年総選挙での26・7%と大差がない。今回は投票率が激減であるため、自民党と書いた人は前回よりも何百万も減っているのである。これで「圧勝」できる選挙制度には、あきれるほかはない。
 各党の比例区得票率を見ると、民主党が16・0%(前回42・4%)、公明党が11・8%(11・5%)、みんなの党が8・7%(4・3%)、日本共産党が6・1%(7・0%)、社民党が2・4%(4・3%)、今回新顔の未来が5・7%、維新が20・4%などとなっている。
 民主党が激減した分は、どこへ行ったのか。おもに日本維新の会、次にみんなの党であるが、最大は棄権であった。民主ダメ、自民に戻るのもイヤ、脱原発・消費増税反対などと重なるこの有権者多数派は、選挙から疎外された。この多数派を引き付ける有効な選択肢を、左翼的・民主的勢力が用意できなかった。
 我われの当面の課題はどうなるか。第一には、この左翼的・民主的勢力、まがいものではない「第三極」政治勢力の形成という課題が改めて問われることとなった。
総選挙の結果、当面は政界再編もなく、旧態依然たる自民一強の復活となったが、これでは日本のブルジョア議会制統治の行き詰まりでしかない。ブルジョア二大政党化によって、人民の不満をその政権交代でガス抜きしつつ、独占資本の支配と日米同盟を続けるというのが支配階級のこのかんの戦略であった。これはどうなるのか。結局、新自由主義・対米一辺倒と、その修正主義という二つのブルジョア政治への再編が、早晩再開されるだろう。
我われは、これに対峙する共同の政治勢力を形成すること、その推進軸としての労働者人民の闘いの前進と左翼勢力の結集、これを進めなければならない。
脱原発の闘いはどうするのか。この課題は、長年にわたって日本列島を原発列島にしてきた張本人であり、現在も「原発ゼロ」に公然と敵対している自民党、これとの闘いというきわめて分かりやすい闘いとなった。
自民党・独占資本との正面からの闘いであり、長期戦は覚悟せねばならない。しかし、今年の原発再稼動阻止の闘いは、国民多数派が安倍自民党を包囲し孤立させる筆頭の闘いとなるだろう。そのように闘えるならば、政党再編を促がす大きな動因ともなるだろう。
憲法改悪阻止の闘いはどうするのか。安倍自民党は九条改悪を公約として目標に掲げ、当面は改正要件九六条の改悪のために、今夏の参院選で3分の2以上の与党化を策している。
憲法改悪阻止の共同戦線の構築が、再び緊要な課題となっている。国会は維新の伸長など改憲勢力の巣窟となっているが、国会の外では、国民の六割以上が九条改憲に反対している。ここでも、国民多数派を目に見える形で登場させる闘い方、その政治的共同が深刻に問われている。
脱原発、憲法闘争の他、オスプレイ配備反対など多くの闘争課題で、再検討が必要となっている。安倍政権との向こう数年間の闘いは、一つの試練である。しかし、この試練は、日本労働者人民の勝利へ向かっての試練となるだろう。確信をもって新年の闘いを開始しよう。(了)