編集部だより

★大震災・原発事故から二年目の夏も酷暑であった。でも、人々は懸命に節電に努め、大飯原発以上の再稼働を食い止めている。★しかし、原発事故から初めての総選挙は、皮肉なことに無謀な原発政策を推進してきた自民党を復権させた。国会周辺の毎週金曜日の「再稼働反対」「原発ゼロ」の民意とは、正反対である。★間接民主主義と直接民主主義の矛盾である。ルソーは、この点をついて、代議制民主主義の下では、人民が主権を行使するのは、数年に一回の選挙のときだけであると喝破した。★日本国憲法は、「主権在民制」をうたう。しかし、国会議員に対しては、地方議会議員とは異なり、人民のリコール権はない。★重要課題での国民投票制と、国会議員に対するリコール制は是非とも必要である。さもないと、主権在民制は間接民主主義で形骸化され続けるだろう。★お隣の中国では、共産党の新指導部が選出された。その直後、習近平氏は「汚職や腐敗、官僚主義を必ず解決する」と表明した。だが、単なる決意表明では、「百年河清を待つ」の感がある。★ここでも具体的な制度改革が不可欠である。最低でも言論の自由と「主権在民制」が必要である。もちろん、リコール制は欠かすことはできない。★夏の暑さに続いて、今年は大雪と酷寒のようである。北海道では厳しい節電が始まっている。(竹中)