5・27大阪
 あかんで!大飯・伊方再稼働
   6・17福井へ

 大飯原発3・4号機の再稼動をめぐって事態が緊迫する中の五月二七日、大阪市・扇町公園において、「あかんで!大飯・伊方原発再稼動5・27大阪集会」が集会実行委員会主催で行なわれ、およそ1500人が参加した。
 現地の福井県からは、山崎さん(さよなら原発・福井ネットワーク代表)がアピールし、また原発被災地・福島からは椎名さん、大阪からは多田さん(女子ボクシングチャンピオン)などが発言した。
 山崎さんの報告によると、前日の五月二六日、おおい町で脱原発の立場での「もう一つの住民説明会」が開かれ、130名の参加で大成功している。脱原発と地域雇用・経済の在り方をめぐって初の議論となり、原発依存型地域経済からの脱皮に向けた新しい動きとなっている。町議会のほうは五月十三日に再稼動容認を決めているが、今まで原発問題を語れなかった地元住民が意思表示を始めているのである。
 集会では、関西電力と政府による「14・9%節電キャンペーン」など、連日の再稼動のための世論操作が批判され、また、態度がぶれる関西広域連合に対し、各知事・議会への、再稼動を容認させない「激励」行動をさらに広げようと訴えられた。その後のデモも、関電前で、警察の指示を無視して立ち止まって一斉にシュプレヒコールを浴びせるなどして貫徹された。
 政府は地元理解は進んだとしているが、福井県・関西各府県はいぜん正式には同意していない。世論に押されて、具体的な「再開宣言」を出せないでいる。
 六月十七日の日曜日・正午には、福井市で大飯原発再稼動を許さない大集会が行なわれる。総結集して、福井県の西川知事らを、脱原発の世論に屈服させよう。(関西M通信員)
 

大阪市
 教育破壊・公務員攻撃を許さない5・24集会
  反橋下の大きな共同を

 五月二四日、大阪市のエルおおさか大会議室において、橋下大阪市長らによる「教育破壊・公務員攻撃を許さない5・24集会」がもたれ、250名以上の労働者・市民がかけつけ、会場は満員の状態であった。
 集会は、「大阪市教育2条例・職員基本条例を廃案にしよう」をはじめ、「大阪市の2条例(職員の政治活動規制、労組適正化)の上程を許さない」、「労働組合の存在を否定する違法な攻撃を許さない」、「大阪市職員への違法アンケート調査を謝罪せよ」、「公共・住民福祉を切り捨てる『大阪市改革(試案)』を撤回せよ」、これらを掲げるものである。
 すでに多くの市民に知られる橋下市長の言葉、「私のやることが民意だ」は、この集会でも度々批判されたが、関西では橋下ら「大阪維新の会」によって、朝鮮高校差別施策につづき、今また教育・公務員労働者とその自主的団結体としてある労働組合に激しい攻撃がかけられている。この5・24集会は、翌日まさに大阪市議会において可決されんとする「教育行政基本条例案」「職員基本条例案」などに反対し、労働基本権の断固たる確立を実現するための意思統一の場となった。
 集会では、呼びかけ団体である「南大阪平和・人権連帯会議」「大阪東南フォーラム平和・人権・環境」の二者を代表して東南フォーラムの白木原さんが、「去る3・6に官民連帯として第一弾の集会をかちとり、この5・24は第二弾。公務員労働者に今かけられている、メディアをも利用した不当攻撃をはねかえしていく集会としたい」と挨拶があった。
 講演は、大阪府教育文化総合研究所所長の新居晴幸さん(元大阪府教組委員長)が、「教育2条例と学校選択制の問題点」として問題提起。愛国心教育と、いわゆる問題教員の排除、維新の会らはこれらを狙っている。とくに学校選択制の導入は、格差・差別と教育の商品化を加速させる。歴史的にも国家主義的教育に反対してきた大阪から、団結して我々の教育をかちとろうと語りかけた。
大阪市議会からは、山本修子市議(OSAKAみらい)が報告。ここまで教育・職員条例案の可決を許す力不足の議会活動を自己批判しつつ、最後まで可決を許さない闘いをやり通すと決意表明した。
大阪労働者弁護団の大川さんは今、物議を呼んでいる「タトゥー調査問題」をあげ、個別のプライバシーをあぶり出して、人権を否定していこうとする橋下市長の手法の悪らつさをバクロし、少数の意見を守るのが民主主義だ述べて大きな拍手を受けた。
最後に、当該労組である大阪市従の中原副委員長が登壇し、戦前・戦後の数々の行革攻撃を跳ね返してきた組合の歴史を述べ、組織の総力を駆使して闘っていく強い決意を表明した。
翌日二五日、大阪市議会は「教育・職員2条例案」の維新・公明による一部修正案を、民主(OSAKAみらい)、共産の反対の中、「教育」は維新、公明の賛成で、「職員」は維新、公明、自民の賛成で成立させた。教育2条例の一つの「市立学校活性化条例」案は継続審議となった。
昨年九月には維新のみの賛成で、大阪市議会では否決された「教育条例案」であるが、その後、公明による維新との結託が露骨となった結果である。維新、公明、自民の労組否定グループの策動の、いったんの勝利である。
なお集会と同日の二四日には、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪など市民団体を中心とした取り組みとして、教育・職員基本条例阻止の集会が大阪市役所横の広場で行なわれ、市議会採決直前の二五日にも抗議集会が行なわれた。
大阪での橋下批判の運動は、これら市民団体によるもの、平和人権会議など労組によるものが各々取り組まれ、また昨年十一月の市長選時に形成された、全労連系を含めての「独裁政治に反対する労働7団体」の連携も続いている。今後は、当該労組である大阪市労連の立ち上がりを支援しながらの、大きな共同闘争が問われるものと考えられる。
運動の今後はまさに、裁判を含んだ自治体・教育労働者を中心とする関西・近畿の労働者の大衆行動の高揚にかかっている。労働者本来の階級的自覚と怒りの覚醒、その組織化が問われていくだろう。またさらに、橋下「大阪改革」案=「施設・事業の見直し」案を問いただし、広範な市民・住民、非正規・失業の労働者との連帯をひろげる課題が問われている。
すべての労働者、市民、学生は、大阪の教育・公務員労働者の闘いに行動の連帯を。人権否定、組合否定の橋下ら維新の会の諸策動に大衆的包囲の構築を。(関西I通信員)
〈関係論評4面〉


4・21釜ヶ崎講座
  原発と下請け被爆労働を考える

 四月二十一日、「第17回釜ヶ崎講座講演のつどい」が、「福島原発事故とは何か(原発と下請被曝労働を考える)」のテーマで、大阪市西成区の太子福祉館において開かれ、約三十名が参加した。
 主催の、市民と釜ヶ崎をつなぐ市民団体「釜ヶ崎講座」は、先の16回の集いでは「東日本大震災と失業問題」をテーマに、この問題での釜ヶ崎の関わりについて、現地報告を主としながら学習をしてきた。
 今回は、大震災のもう一つの大きな事象である福島第一原発事故を取り上げ、原子力発電および被曝労働について基礎的なことから学習していこうと企画された。これまで原発の建設・維持のために、釜ヶ崎をはじめ全国の寄場労働者が、何重もの下請構造の中で就労してきた歴史的経緯がある。原発の仕組みも勉強しながら、釜ヶ崎の労働者は今日の事態についてどう考えているのか、課題を深めていく集いとなった。
 講師は、『はんげんぱつ新聞』編集委員の末田一秀さん。
 末田さんは、原子力発電の仕組み、放射性物質の内容と体内被曝の意味、被曝労働とは何か、の三点に分けて解説、終始分かりやすいお話しであった。結論的に要約すると、1、原発で就労すれば必ず被曝すること、2、はじめに原発再稼動ありきの世論操作と、事故調査報告の隠ぺいと改ざんの常態化、3、国際的被曝基準さえ無視しての、原発労働(福島事故処理を中心として)への下請・非正規労働者の強要、4、被曝労働にたずさわる側の、労働者・労働組合としての安全・基準を厳格に守らせていくための対処方法、これらの批判・提起であった。
 最後に末田さんは、大飯原発再稼動問題にふれ、「電力不足」の世論操作にだまされることなく、今こそ反原発の世論を盛り上げようと締めくくった。
 討論では、参加者六名からの質疑応答をはさんで、寄せ場労働者の発言として釜ヶ崎日雇労組の山中さんが発言した。
 山中さんは、「釜で、いったいどれくらいの労働者が福島へ行っているか、ハッキリとはつかめていない。しかし、重層的下請け労働の体制下で、モグリで人夫出しがやられているのは確か。我々は橋下さん(大阪市長)のような政治家ではないので、根本のところ原発をなくしていくところより課題を出発させるが、今後もそういう取り組みを強化していく。被曝労働の実態の中で、被曝しない安全な労働へと労働者を就かせていく運動をしていくのが、我々の任務と考える」と述べた。
 下請け被曝労働に就く可能性、それは最早誰にでもありうる事態となっているが、それが身近な問題である釜ヶ崎での、意義ある小集会であった。(関西I通信員)


5・20三里塚・横堀現地集会とデモ
  横堀・団結小屋破壊を許さない!

 三里塚大地共有委員会(U)と 三里塚空港に反対する連絡会は、横堀農業研修センターで「横堀・団結小屋破壊を許さない!5・20三里塚・横堀現地集会とデモ」を行い、60人が参加した。
 成田空港会社による三里塚闘争への敵対を忠実に代弁する東京高裁第9民事部(下田文男裁判長)は、4月25日、横堀・団結小屋破壊裁判(建物収去土地明渡請求事件)で反対同盟に対して横堀・団結小屋撤去と土地明け渡し、原告(尾野勇喜雄(元横堀農民だが実質は空港会社)の仮執行を認める不当判決を言い渡した。
 高裁は、団結小屋の所有者をなんとしてでも反対同盟のものにするために「総有」(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もない)論を強引にあてはめ、支援によって建設・維持されてきた歴史的経緯を捻じ曲げた。空港会社にとって団結小屋が反対同盟の所有でないと提訴の前提自体が瓦解してしまうからだ。
 空港会社のねらいは、大地共有委員会(U)の連絡先でもある横堀・団結小屋を破壊し、住民を追い出し、一坪共有地運動を破壊するためにある。逆に言えば、それだけ一坪共有地運動が空港会社に打撃を与え続けていることを証明している。
 さらに一坪共有地を強奪するために現闘本部共有地裁判、柳川秀夫さん持分裁判、横堀共有地(鉄塔前のくぼ地)裁判の控訴審が闘われているが、木の根ペンションとプールの共有地、横堀大鉄塔と団結小屋、案山子亭、横堀研修センターなどの闘う拠点への破壊にまったく着手できないでいる。東峰地区住民への追い出しを許さず、闘う拠点を防衛し、空港会社を追い詰めていこう。

  三里塚闘争の大義を掲げて

 集会は横堀研修センター内で行われた。
 横堀・団結小屋住人の山崎宏さん(労闘―労活評現闘)は、団結小屋破壊裁判の経過報告と不当判決を批判し、「三里塚闘争の初心を貫いて闘っていきたい」と発言した。
 加瀬 勉さん(三里塚大地共有委員会<U>代表)は、「今日は、1978年5.20開港阻止決戦を戦った日だ。40年闘う決心は変わらず、闘いを進めていく。いっそうの奮闘を誓い合おう」と力強く訴え、「決意表明」(別掲)をアピールした。
 清井礼司弁護士は、高裁不当判決後、上告するとともに今後の闘いの方向性を提起し、「判決で仮執行がついたので土地明け渡し、団結小屋破壊の強制執行が可能となった。原告の手続き後、裁判所の執行官がいつまでに退去せよと山崎さんに通告に来る。退去拒否状態の場合、二回目に着手する。民間業者が荷物移動などを行い、警察に警備要請する。不当弾圧が予想されるが、ともに抗議していきたい。三里塚闘争の大儀を掲げて闘っていこう。福島、沖縄に通ずる闘いだ」と強調した。
 集会後、デモに移り、元辺田公会堂跡を折り返して研修センターに戻るコース。横堀一帯に「団結小屋破壊を許さない!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを響かせた。
 デモ後、横堀大鉄塔に移り交流会。渡邉充春さん(関西・三里塚闘争に連帯する会、東峰団結小屋維持会)から関西新空港反対運動と一坪共有地運動の取り組みなどを報告。さらに長野から駆けつけたたじまよしおさん、木の根プロジェクト、田んぼくらぶから発言があった。(大地共有委員会)〈一部省略〉