東京日比谷5・3憲法集会
  被災地と沖縄に憲法活かせ

 五月三日の憲法施行記念日、今年も東京・日比谷公会堂において「2012年5・3憲法集会」が開かれ、前日から雨が続く中でも、約2600人の参加で会場は埋めつくされた。主催は、許すな!憲法改悪・市民連絡会など憲法八団体などによる5・3憲法集会実行委員会。
 十二年目の今年の5・3集会は、「輝け9条 生かそう憲法 平和とくらしに被災地に」と題して行なわれた。それは、昨年「3・11」以降の震災・原発被災者に対し、今こそ憲法の人権・生存権の保障を実現することが必要なこと、原発再稼動は生存権を脅かすものであること、また普天間基地返還の合意を無視し、対中国軍事強化を図る日米安保の昨今を許さず、今こそ憲法9条を活かして平和を実現していこうという主旨であった。
 集会では、松本徳子さん(つながろう!放射能から避難したママネット@東京)、伊波洋一さん(元宜野湾市長)、小山内美江子さん(脚本家)、また政党からは志井和夫さん(日本共産党委員長)、福島みずほさん(社会民主党党首)がスピーチを行なった。
 沖縄からの伊波洋一さんは、日本国憲法から切り離され米軍支配に置かれてきた沖縄の戦後史から語りつつ、「平和憲法の下に復帰して四十年たっても、基地の重圧は変わっていない。四月二七日の日米共同発表は普天間基地を八年以上継続させるとする、まさに信じがたい合意である。日本政府は主体的に安全保障を考えず、米国のみを見ている。これは、中国の経済大国化という時代変化に適応しておらず、他方では米国の対中国戦争準備という現況の中、とんでもない不幸な事態に行きかねない。日米安保は見直し・清算し、9条を活かす平和構築・発展戦略が必要だ」と訴え、会場から大きな拍手が起きていた。
 集会は最後に、憲法審査会の始動や、自民党の第二次改憲草案など最近の改憲策動への批判を含んだ「5・3憲法集会アピール」を採択して終了、その後、銀座パレードを行なった。
なお、同時刻に隣の日比谷野音では、幸福実現党(宗教団体「幸福の科学」)が主力とみられる改憲派の集会が、「中国の脅威に対峙するために9条改正を!」とする中味で行なわれていた。有害無益な集会ではあるが、最近の改憲論の傾向を示すものであり、警戒を要する。(東京A通信員)


千葉松戸5・3憲法集会
  大盛況で大江氏講演

 五月三日、東京日比谷で憲法集会が行なわれている同時刻、そこから電車で三十分ほどの千葉県松戸市で、作家・大江健三郎さんを迎えての「2012年松戸憲法記念日の集い」が行なわれた。主催は、超党派的に多くの地元団体が参加している集会実行委員会。
 朝から強い雨も振る中、立ち見もいっぱいで会場内に入れず、ロビーのモニターを見る人も鈴なりという状況で1千4〜5百名が参加、松戸周辺ばかりでなく都内からも多くの人が参加し、大変な盛り上がりを見せた。
 大江さんの講演は、作家としても「九条の会」の呼びかけ人としても仲間であった、故・井上ひさしさんとの思い出話から始められ、少年期の憲法制定過程での思い、福島第一原発事故後の行動など多岐にわたる内容であった。なかでも井上ひさしさんとの対比で、「井上さんは難解な内容をやさしく、わたしはやさしい内容を難解に」とのくだりは、参加者を大いに沸かせたが、今回の講演は大変わかりやすいものであった。大江さんは最後に、デモ・署名と行動することの重要性を訴えた。
 この集会では、会場内外で「脱原発・1千万署名」の要請活動が行なわれ、また集会後には参加者有志によって、場所を変えての、憲法改悪反対・脱原発を訴える市内デモが百名ほどで行なわれた。(千葉A通信員)


経産省前「脱原発テント」が集団ハンスト(4・17〜5・5)
稼働ゼロから原発ゼロへ

 昨年九月十一日に立ち上げられた経産省前の「脱原発テント」が、現在も益々にぎやかに継続されている(五月一日現在で234日目)。四月十七日からは、原発稼働ゼロ実現をめざし五月五日までの「集団ハンスト」が決行された。
 五月五日には北海道・泊原発3号機が定期検査のために発電を止め、日本の原発50基がすべて停止する。政府の再稼働策動を打ち砕けば、この日以降原発稼働ゼロがつづく。以下は、テント横に掲げられた墨書きのハンスト宣言(要旨)である。(M)
 
    ハンスト宣言(要旨)

 野田政権は大飯原発再稼働をごり押しのため、インチキな安全基準をでっちあげるという暴挙に出た。福島原発事故を引き起こすまでくり返されたウソ・偽り・誤魔化し・隠蔽・ねつ造が再びくり返されている。福島原発事故は未だ終息せず、人々はおびただしい放射能災害に苦しみ続けている。
 野田政権四閣僚の決定は許すことのできない重大な犯罪である。私たちはこの欺瞞にもはやだまされない。
 私たちは持てるすべてを注ぎこみ、四月一七日より五月五日まで集団的かつ完全なハンガーストライキを決行する。今こそ脱原発を実現するため命の叫びを上げようではないか。
  四月一七日(火)
    経産省前
     テント広場