沖縄差別・女性差別暴言を糾弾する
  辺野古手続きを中止せよ

 十一月二八日那覇市の記者懇談の場で、田中沖縄防衛局長が辺野古アセスの評価書提出の時期を明言しない理由として、「男女関係にたとえると、これから犯す前に犯しますよと言いますか」という主旨の驚くべき暴言を吐き、翌二九日、一川防衛相から更迭された。
 田中の暴言は、辺野古新基地建設が沖縄を強姦することであることを自認し、犯すか犯さないかの対象として沖縄に対処していることを示した沖縄差別・女性差別の極致の暴言である。彼の更迭で済む問題ではない。日本政府の沖縄への対処のすべてが、問いただされなければならない。
 任命責任を追及された一川防衛相も十二月一日の国会で、普天間返還問題の起点となった95年米兵少女暴行事件について「詳細には知らない」などと述べ、さらに事件を百%逆に描いて「少女乱交事件」などと発言した模様である。
 もはやお話しにならない。野田首相は一川を即刻更迭し、評価書年内提出の方針を撤回せよ。
 この暴言事件によって、普天間基地の「県内移設」はますます不可能となった。政府がやるべきことは、評価書提出・埋め立て申請などではなく、昨年「5・28日米合意」の見直しに転ずることである。
 オバマ米大統領は十一月十七日のオーストラリアで、アジア重視を戦略的に決定とする演説を行ない、豪州北部への海兵隊2500人配備を明らかにした。この海兵隊はどこから移転するのか、グアム移転の紛糾はどうなっているのか、野田政権は米政府に問いただすことから始めるべきである。(A)