「民自公3党合意」で新自由主義を推進
  野田新政権に全面対決を

 九月二日、野田佳彦を首相とする新しい民主党主導政権が、菅政権に代わって発足した。野田新内閣は、その政策の詳細はこれからとはいえ、民主党主導のこれまでの二つの内閣と比べても、より明確に新自由主義的であり、官僚依存的であることが疑いない。財界優先の東北復興・原発依存・消費税増税・日米安保「深化」の野田政権、これと全面的に対決し、民主・自民の二大ブルジョア勢力を打倒する労働者人民の「第三極」政治勢力を形成せよ。
野田政権の性格の第一は、2009年政権交代以降の民主党政権と独占資本家団体との若干の齟齬を払拭し、大ブルジョア政権としての階級的性格を露骨にさせていることである。
日本経団連の米倉会長は、民主党代表選挙での野田の勝利に小躍りして喜んだ。米倉は、菅政権による浜岡原発停止や、政権末期の脱「原発依存」政策(政権延命のための政治利用でもあったが)などに不満を述べていたが、野田の登場によって、電力独占資本の権益維持に目途がついたというわけである。
その性格の第二は、野田政権は民主・国民新の連立とはなっているが、その実際は、八月九日の民主・自民・公明の「3党合意」を推進する大連立的な政権ということである。
野田が組閣前に、自公と三党会談を行なったことは異例である。民自公3党合意は、今年の赤字国債発行法案を成立させるために、民主党が「子ども手当」などマニフェスト主要政策を取り下げるというものであった。基本公約を捨ててでも自公と取引するという政治が、野田政権では当たり前となる。こうして、労働者人民の要求を一定程度反映していた09年の民主・社民・国民新「3党合意」のほうは、ほぼ完全に打ち捨てられた。
したがって第三に野田政権は、民主党公約違反の消費税増税、これに踏み切る政権であり、財務省官僚に主導された政権である。
しかし、野田新政権の下、大連立的にブルジョア政治がどんどん進められるのかというと、その保証もまったくない。自民党など反動的野党勢力は、第三次補正予算までは大連立的であっても、その後は、あくまで解散要求と議席回復・政権奪還を優先させるだろう。ブルジョア政治の混乱は今後も続いていく。
そして、新自由主義政治が露骨になれば、その修正政治も再び出てこざるをえない。現在の資本主義体制を守ろうとするかぎり、そのマッチポンプを繰り返すしかないのである。この二つのブルジョア政治の争闘は、民自公など議会与野党にせよ、今回融和が図られたと言われる民主党内各派にせよ、それらを貫いて続いていく。
我々の課題は、この争闘をも利用できるだけの、強大な労働者人民の政治勢力を形成することである。