編集部だより

★このごろ口ずさむ歌が昔と変わったことに気がついた。その昔は何かにつけ革命歌を口ずさんだものだ。最近は、寺山修司の「時には母のない子のように」を時折口ずさむ。寺山は、詩人であるばかりでなく劇団「天井桟敷」の主宰、映画の作成、そして競馬への造詣が深く、競馬にロマンを持ち込んだとも言われ、そこから彼の通俗性と一般的に受け取られた。しかし彼は、青森で生まれ、馬と少年期を過ごしたと聞き覚えている。寺山の作品は、暗い土着性が感じられる。寺山の評価は国内よりも海外での評価が高いようである。それも急速な経済成長と離れ、旧来の地域的な文化遺産がかもし出され、独特の世界が作り出されるからだろうか。しかもきわめて反体制的な。東日本の復興にはこの感性を失ってはならない。★野田佳彦が首相となった。千葉県の人間にとっては、船橋の野田と言う訳の判らない冗談がまかり通りそうだ。野田佳彦は船橋市出身で、また千葉最北部には、醤油の町で旧都野田市がある。★自民党は、民主党にマニュフェストを放棄させた三党合意を迫っている。民主党政権にあった社民的側面の完全な放棄を意味する。特に子供手当ての放棄は致命的である。子育て、教育の社会化の可能性を秘めたこの政策の放棄は、新自由主義への回帰ばかりではなく、天皇制保守思想に帰結する。(日下部)