編集部だより

★今年もまた、槐(ニセアカシア)の花がたくさん咲いた。樹の根元は、落下した花で一杯に敷き詰められた。★だが、今年はそれ以上に目を引いたのが、ネズミモチである。例年になく、ネズミモチの花が満載であった。このようなことは、筆者にとって今まで経験がない。★白い小さな花は、まるでシャボン玉がつぎつぎと、むくむく涌き上がるように樹の上部を飾った。たくさんの花は、しばらくして落下し、矢張り樹の根元をじゅうたんのように敷き詰めた。★ああ、今年はネズミモチの実が鈴なりになるな、と思った。ネズミモチの実は、紫黒色のもので、ちょうど大きさも見た目も、ネズミの糞に似ている。もしかしたら、名前の由来はここにあるかもしれない。★植物に限らず、生命体は種の絶滅の危機を迎えると、種を保存するために、繁殖にいそしむと言われる。こんなにもネズミモチの花が咲くのは、異常ではないか、もしかしたら福島の原発事故と関係はないのか、と素人判断で連想する。★そう思わせるほど、原発事故は大惨事であり、今もなお放射能を吐き続けている。小さな子を持つ母親や父親は、原発の危険性を真剣に検討している。★隣の薬局店には、事故後すぐに張り出された「節電で脱原発を」の広告文字が、今日も光り輝いている。(竹中)