編集部だより

★東日本大震災の発生以降、東京でモノ不足になったものは多いが、その一つに本や新聞に使う「紙」がある。トイレットペーパー類は一時急激に店頭から消えたが、同じ紙製品でも、新聞用紙などは日用品でないためか大きな話題にはならなかった。しかし、ぼくらを含む関係業界には影響が大きかった。★運動・左翼関係の紙媒体でも、震災後、用紙が中質紙から上質紙に変わってしまうのが散見された。本紙の紙は、ある種の中質紙で新聞用に向いている。印刷は外注しているが、なんとかこの紙を確保してもらい、震災後の発行も同じ紙で続けることができた。白っぽい上質紙は透ける感じになり、新聞に向いていない。★いぜん回復しないのが、「たばこ」である。JTのたばこは消えたままで、洋モクも品薄だ。喫煙者は少数派になっているためか、これも話題にならないが、ぼくら愛煙家にとっては厳しい事態が続いている。★福島原発の放射能問題で、これこれの低線量なら、ガンの余剰発生率は喫煙に比べてこんなに小さいという言い方がされる。内部被曝にならないかぎり、それはウソではないが、自己責任で喫煙のデメリットも引き受けることと、誤まった政治で、その原発で、被曝させられることとは全然話しが違う。★そして、まったく回復しないのが永田町の「政治」である。(若杉)