編集部だより

★連日福島原発震災事故の報道が飛び交う中、突如としてアメリカ発のビンラディン殺害の報が舞い込んできた。大震災で時間軸が大きく変容したと思える今日、十年ほどタイムスリップしたような感覚にとらわれた。ああなるほどオバマも「対テロ戦争」をやっていたのだと。★でも今になってビンラディンなのか。新聞報道によると、DNAによる本人確認後海に放棄となっている。いかにも胡散臭い。米帝は、アルカイダという虚構を手に入れて、軍事的プレゼンスを再確立した。それとともにイスラム社会では、反米の象徴としてアルカイダの名は一般化してしまった。9・11の実像がいまだに論議の対象なっているのに(それは米帝にとっても、反米にとっても真実は二の次である)。★福島原発事故は、オバマにとってもとてつもない痛手だろう。アメリカではスリーマイル島原発事故以来新設がない中、環境政策の中心に原発を据え、世界に売り込もうとしていた。その矢先に今回の福島原発事故が起きてしまった。アメリカの米軍の「支援」活動はすばやかった。広島・長崎に戦後真っ先に米軍が入っていったのと同様に。★米帝の、オバマの影が薄くなるなかで、「ビンラディン殺害」が起死回生となるか。しかし歴史は逆周りをしない。(日下部)