編集部だより

★北アフリカ・中東の民主革命において、インターネットが、民衆の連帯・連携に大きな役割を果たしている。少し前にはウィキリークスのネットを駆使した情報の探索・暴露が、超大国アメリカの覇権外交を揺るがした。ネットが、国家を震撼させる時代に入っているのだ。★「aicezuki」は、逆読みの「いくぜCIA」という説が当たっているように思う。CIAはいただけないが、日本における本格的なネット世代の進出を感じさせる事件ではある。★われわれは今、産業(モノ)から人間(関係性)へ、人々の欲求(社会の目的)が位相転換していく過渡にある。その中で情報通信ネットワークは、支配・隷属というタテの関係を壊し、ヨコの関係で事を成していく社会のインフラとなるものである。★しかしネットが真にその力を発揮するのは、信頼関係の上に立つときである。資本主義社会は、信頼関係が希薄化してゆく社会だ。しかも「先進国」は、社会(関係)が崩壊する事態に直面している。そこでのネットは、「匿名」という裏世界から足を洗えない。ネットが、悪事や極右に利用されやすい所以である。★「先進国」では、資本主義にかわる万民共通の世界観、価値観、目標の構築が問われている。それは、ネットを民衆の武器とする上でも、確かな基盤となるものである。(深山)