菅政権による対米一辺倒・新自由主義推進を粉砕しよう
  沖縄知事選勝利から国政転換へ

 菅民主党政権は現在、昨年「政権交代」マニフェストにおける「国民の生活が第一」や「東アジア共同体」の政策基調から、あらゆる政策で後退し、公約の破棄あるいは改ざんをすすめつつある。これに対し、民主党内を含む多くの国民大衆の憤まんが高まる中、11・28沖縄県知事選挙が近づきつつある。この県知事選挙における伊波洋一予定候補の勝利は、普天間返還問題のみならず、国政全般での再転換の号砲となるだろう。
 鳩山から菅への移行で明確に現われてきたものは、民主党マニフェストにおける日米同盟堅持と新自由主義の側面の前面化である。菅政権は、横浜での十一月APEC会議などを通じて、アメリカ帝国主義が主導するTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加をはじめ、大資本のための経済自由化へいっそう踏み出そうとしている。この道は、インフラ・原発などの輸出には有利であっても、国民生活と国内農業をいっそう破壊するものでしかない。外交においても、半ば破綻している5・28日米合意の踏襲を続け、また日米安保で中国対処という危険な道を踏んでいる。
 菅政権の行き詰まりが見えてきた。沖縄県知事選挙を転機として、労働者人民が求めた「政権交代」の本当の道へ、政治を立ち戻らせる闘いが問われている。


東京10・22
 普天間閉鎖・撤去!辺野古新基地反対
 県内移設がってぃんならん大集会

      伊波勝利へ高揚

 十月二十二日の東京では、予定候補・伊波洋一さんを迎えて、十一月二八日投票の沖縄県知事選挙の勝利などを訴える集会、「普天間基地の閉鎖・撤去 辺野古新基地建設反対 10・22県内移設がってぃんならん大集会」が文京区民センターで開催された。沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの呼びかけで、会場超満員の450名以上の盛況であった。
 最初に、一坪関東ブロックから下地さん、代表世話人の外間さんが挨拶する中、到着した伊波洋一さんが会場に入場、指笛と拍手で一気に雰囲気は盛り上がった。
 つづいて服部良一衆院議員が、「知事選に勝利し、今度こそ辺野古移設を葬むりさろう」と挨拶したあと、沖縄から参加した仲村善幸さん(名護市議会議員、ヘリ基地反対協事務局長)と、伊波洋一さん(前宜野湾市長)、両氏からのアピールが行なわれた。
 仲村善行さんはおもに、九月十二日の名護市議選と、十月十五日の名護市議会決議の意義について次のように報告した。
市議選では、辺野古基地問題は表立った争点ではなかったが焦点であった。稲嶺市長を支える与党議席を12から過半数の16に増やして勝利したが、合計得票数でも一月市長選の稲嶺票を大きく上回っている。振興策神話が崩れ去った、その勝利であった。この地殻変動を知事選勝利につなげたい。
十五日の市議会では、普天間「県内移設の日米合意」撤回を求める決議・意見書が賛成17、反対9で採択された。名護市議会での辺野古移設反対決議は十数年ぶりであるが、公明党の二名が初めて反基地に回った。これで市長、市議会がそろって、97年市民投票で示された民意にたどり着いたことになる。辺野古移設はもはや不可能である。
鳩山政権に我われは真意で期待していたが、「日米合意」の裏切りによって、これは沖縄差別だと実感することになった。日米合意推進のままでは、民主党政権の崩壊は避けられない。その菅政権が期待する仲井真知事は、「県内移設反対と言わないのは、普天間が固定化される懸念があるから」と言う、これは「県内」賛成ということであり、その再選を許してはならない。
伊波洋一さんは、今回の知事選挙は、あらためて県民全体の県内移設反対の意思を示す県民投票でもあると述べつつ、次のように県政の抱負を語った。
基地問題については、在日米軍基地に関する日米の合意は5・28だけではなく、米軍基地を制約する日米合意もあることを指摘したい。米国はカーター政権時代に基地の安全・環境基準に連邦法・州法を適用するとし、さらに海外基地についても基準を定めることとした。それで2000年に日米で環境原則共同発表が行なわれたが、しかし日本政府はその合意の手続き部分を隠し、米軍の好き勝手を放置している。つまり冷戦時代の基地の在り方がそのまま続けられており、沖縄だけでなく、本土の基地も異常な運営が続けられている。海兵隊の存在自体が米議会では問われているのに、日本政府はいぜん冷戦思考を続けているのである。自治体の米軍基地への申し立てに関する合意もあるが、米議会向けの紙切れになっている。わたしは知事になったら、これらの合意を明らかにして、日米関係を変えていく。
振興策については、沖縄振興費というのはその決済を中央官僚が握っていて、たとえば沖縄高速道は無料化されたが、その分159億余の振興費が中央の道路公団に還流している。他方、現県政では福祉予算が切り捨てられている。これを県民のための振興策に変え、島々の特性にあった自立的発展を進めなければならない。
「尖閣」問題については、石垣や与那国への自衛隊配備に反対し、平和的な解決を進める。沖縄は、琉球として古くから中国との付き合いがある。沖縄の知事として、軍隊ではなく、話し合いで平和関係を作っていく。
以上、仲村さん、伊波さんの話は、きわめて有意義なものであった。
その後、フォーラム平和・人権・環境、全労協、日本平和委員会の三団体から連帯挨拶が行なわれ、つづいて首都圏で沖縄反基地の活動をすすめてきた諸団体が1分間スピーチを次々と行ない、最後に、県知事選勝利!基地撤去!の団結ガンバローで、集会を意気揚々と締めくくった。
なお、会場出口には、伊波後援会への記名カンパが続々と積み上げられた。(東京W通信員)


大阪10・29
  伊波洋一さんを励ます集い
    沖縄勝利で日本も変わる

 大阪では十月二九日、普天間基地即時撤去!辺野古新基地建設反対!を前面にかかげた「伊波洋一さんを励ます集い」が開催され、中央区民センターに450名が参加、ホールは熱気にあふれた。主催は、関西在住の沖縄出身者を中心とした「集い」実行委員会。
 しかし残念なことに、参加予定であった伊波洋一さんは台風のため来られず、また服部良一衆院議員も国会のため来られず、メイン発言者としては山内徳信参院議員一人の参加となったが、伊波洋一後援会の共同代表でもある山内さんは、来る沖縄県知事選挙について次のように熱烈に訴えた。
 沖縄で勝てば日本の進路も変わる、沖縄が勝てば日本の民主主義も確立する、平和への道を歩もう、辺野古に基地は絶対に作らせない、そのために知事選に必ず勝利しよう、と。
 そして、伊波洋一さんからのメッセージが、万雷の拍手のなか読み上げられた。関西の労働者・市民は、沖縄県民と連帯し、ともに闘い、この政治決戦に勝利することを誓ったのであった。(関西A通信員)