10・24反戦・反貧困・反差別共同行動in京都
  基地押し付けのままでええのか!

 十月二四日、京都市の円山野外音楽堂にて、「このままでええの?日本と世界10・24反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」が同実行委員会の主催で行なわれた。集会の途中で雨が降り出し、会場は傘の花だが、京都の諸団体をはじめ釜ヶ崎日雇労組、関西合同労組、全日建連帯労組、各地の市民・学生など約600人が結集した。
 集会は、仲尾宏さん(共同行動実行委代表世話人)の主催者あいさつ、しないさせない戦争協力関西ネットの中北龍太郎さんの連帯あいさつの後、各現場からのアピールが行なわれた。
 最初に、京都・空き缶回収条例反対デモ実行委員会が、京都市での条例制定への経過、これに反対する市役所包囲闘争など闘いの報告を行ない、空き缶回収禁止は空き缶を集めて生活する人々への社会的排除であると訴えた。
 滋賀・ブラジル人学校「サンタナ学園」からは、自分たちで創ったブラジル人学校で学校に行っていない子どもたちを就学させてきたが、このかん多くのブラジル人労働者が解雇されて、校舎の家賃も滞納するなど運営が厳しくなっている、カンパなどのご支援をとの訴えがあった。
 京都朝鮮高級学校からは、高校無償化排除問題の結論がいまだに出ていない、朝鮮高校排除は教育への政治介入であり朝鮮学校つぶしである、高校生の学ぶ権利を守っていくと訴えられた。
 排外主義と闘うネットワーク関西は、「在特会」などの最近の動向を報告しつつ、かれら排外主義者を生み出す社会的政治的土壌を一掃しなくてはならないと訴えた。
 十一月APEC(アジア太平洋経済協力会議)反対闘争と岩国・反米軍基地闘争からも報告があった。愛宕山米軍住宅建設・岩国基地機能強化に反対し、12・5岩国国際集会へ参加しようなどが訴えられた。
 他に、ストップ・ザ・もんじゅ、全日建連帯労組を含め、七団体からの報告であった。
つづいて特別報告として、「韓国併合」100年・「平和の通信使」韓国ツアーの報告が、参加した三浦俊一さん(釜日労)から行なわれた。菅政権も、かっての村山政権と同様、日本と朝鮮半島の歴史の清算を談話の言葉だけで処理しようとしている、これを批判する韓国の人たちの目はきびしいものがあったと報告した。
 ライブで趙博(チョウ・パク)さんの「百年目のヤクソク」が披露された後、岩国・愛宕山を守る会(岡村寛さん)と、沖縄・宜野湾前市長の伊波洋一さんからの各メッセージが熱烈な拍手のなか紹介された。
 そして、沖縄から安次富浩さん(ヘリ基地反対協共同代表)が、講演「何ゆえ、辺野古新基地反対闘争を闘うのか」を行なった。民意を尊重するのが民主主義の原則だ。このかん名護市長選での稲嶺市長の誕生、九月名護市議選での過半数を超える16人の基地反対派の当選、これらで民意は明白に示されている。日米合意でこれを無視し、基地を強制するのは沖縄差別である。これを許さず、反基地を明確にする伊波知事を誕生させて、辺野古の闘いに勝利しよう、と彼は訴えた。
 京都沖縄県人会の大湾宗則さん、服部良一社民党衆院議員がアピールした。服部さんは、「昔、安保決戦と言っていたが、今回の知事選挙は沖縄決戦である」とその勝利を檄した。
最後に集会決議採択、琉球太鼓演奏の後、全員でインターナショナルを斉唱し、雨が続く中、京都市役所前までデモ行進を行なった。
この京都での共同行動は、今年で四回目を迎えたが、課題で一致する広範な共同行動として定着・発展しつつある。(関西N通信員)


10・10戦争あかん!基地いらん関西のつどい
  岩国、沖縄と手を結び

 十月十日の大阪市では、新里米吉さん(沖縄県議)、井原勝介さん(元岩国市長)を迎え、沖縄への基地押しつけ絶対反対!米軍基地はどこにもいらない!を掲げての「戦争あかん!基地いらん・10関西のつどい」がエルおおさか大ホールにて開かれた。主催は、しないさせない戦争協力関西ネットワーク、南大阪平和人権連帯会議、日朝日韓連帯おおさか連絡会議など6者の呼びかけによる実行委員会。
 会場には、労組では全港湾、全日建連帯など民間主力労組が多数結集し、約800名が集まった。釜ヶ崎日雇労組も、京都市によるアルミ缶回収条例の改悪に反対する現地行動にも連続して、秋期政治行動第二波として約40名が参加した。
 主催あいさつで中北龍太郎さん(しないさせない関西ネット共同代表)が、「5・28日米合意は、民主党政権が沖縄民衆の気持ちをまったく理解していないことを明白にしたが、一方、本土の岩国でも、空母艦載機移転・基地強化の一環として、愛宕山米軍住宅建設の攻撃が強められている。沖縄、岩国の人々を結び、闘いをつくっていこう」と本日の行動の意義を訴えた。
 岩国の井原勝介さんは、今も地元で市民運動に携わるが、市長としての行政経験を回顧しつつ、「この国は、住民自治・民主主義という点では、まったくの後進国と言わざるをえない。愛宕山地区の開発・活性化と言いつつ、秘密裏に米軍住宅建設が浮上・画策されてきた。2400億円というぼう大な工事費のおこぼれに、一部の人々は目がくらみ、市民をだましながら、一連の基地整備計画が進みつつあるが、今後も地元住民と共に反基地・自治権確立のためにがんばっていく」と発言した。
 沖縄の新里さんは、民主党の鳩山、岡田、菅ら各氏の野党時代の沖縄基地公約を皮肉たっぷりに紹介しつつ、政府の5・28日米合意路線、また「本土」メディアの無理解ぶりを批判した。「マスコミや評論家は、五月の鳩山来沖の前後から、辺野古移設を断念すれば日米同盟にヒビが入るとか、海兵隊撤収は中国・朝鮮への『抑止力』の減退だとかの、キャンペーンを張り続けた。しかし私たちは、二月の全会一致での県議会決議などの成果を、4・25県民大会の成功へつなぎ、現在も十一月知事選の勝利へひたすら活動中です。」「沖縄ではこのかん幾度となく確固たる民意が示されてきたが、政府はいぜん県内移設を断念していない。県知事選勝利ではっきりさせよう」とアピールした。
 国会議員からは、辻恵さん(民主党衆院議員)、服部良一さん(社民党衆院議員)が報告。辻さんは、「このかん5・27普天間声明署名の提出など、国会で多数派工作をしてきた。いぜん政府の考えを変えられないでいるが、国外撤去の実現、政権立て直しのためにがんばる」と発言した。
 さらに集会では、沖縄知事選予定候補である伊波洋一さんからの連帯メッセージが披露され、また米軍犯罪被害者救援センターの都さん、10・24京都共同行動実行委からアピールが行なわれた。都さんは、去る九月初旬岩国市で起きた米軍軍属による轢き殺し事件の救援と今後の対策等について報告した。
 集会は、会場カンパが手渡される中、新里、井原両氏が固い握手、最後に集会決議文を拍手で採択して終了、北区・天満方面へデモ行進を展開した。
 この集会は、沖縄知事選を目前とするため、その選挙必勝という主旨が強く出たものであった。これは当然ではあるが、沖縄での選挙の結果に関わらず、「本土」での反基地大衆運動をどう発展させていくのか、我々に問われるこの課題での提起が弱いようにも思われた。沖縄知事選支援に全力をあげつつ、「本土」自身の闘いを強化しよう。(関西I通信員)


成田空港
  騒音地獄化の30万回発着
      12・5東峰現地行動で阻止しよう

成田国際空港株式会社は昨年十月、平行(B)滑走路の2500m化を完成させ、供用を開始した。平行滑走路でもジャンボ機の使用が可能となり、年間発着回数は20万回から22万回に増加した。これにより東峰、天神峰地区はこれまでにも増して騒音、排気ガスが激しくなり、住民の生活は苛酷な状況下に置かれることになった。
 一方、羽田空港では新滑走路の完成により、今年十月三十一日以降、国際定期便が就航し、フランス、カナダ、アメリカ、中国をはじめアジア諸国など16地点を結ぶ国際定期便の路線が開設され、海外の航空会社16社(全日空、日航との共同運行が多い)が就航する。これで羽田は国際ハブ空港への道を大きく踏み出すことになった。
成田空港会社はこのことに危機感を募らせ、何としてでも年間30万回発着を実現しようとしている。平行滑走路の発着回数を増やすためには「く」の字型に曲がった誘導路を直線化する必要がある。さらに新たな誘導路も設置しようとしている。そこで支障となっている団結街道(市道)を成田市と図って廃道にし、封鎖してしまった(6月28日)。神峰現闘本部を撤去するために裁判に訴え、司法権力を使って奪取しようとしている。
また空港会社は昨年七月、一坪共有地6ヵ所(木の根1、横堀現闘本部を含む4、東峰1で共有者約70名)に対して金銭での売却を迫る裁判を起こしている。シンポ・円卓会議の結果、事業認定を取り下げ強制代執行という手段を取れなくなった空港会社は裁判により土地を強奪しようとしているのだ。
 一坪共有地裁判は、「反対同盟・大地共有委員会」として横堀、木の根、東峰地区の一坪共有地で、さらに個人(横堀地区)が空港会社を相手にして闘われている。裁判闘争を闘い抜き、空港会社の一坪共有地強奪策動を粉砕しよう。
十月十三日、国土交通省、千葉県知事、空港周辺自治体首長、空港会社による「4者協議会」は、年間発着30万回を合意した。1・5倍の発着枠増加で最も騒音の被害を受ける成田、芝山の住民からは対策の不充分性、性急な合意への不安、不満が多く出されているが、それらをないがしろにして合意決定は強行されたのだ。
利潤のみをひたすら追い求め、用地内農民追い出しや周辺住民に被害を押し付けながら、空港機能拡大を目論む空港会社を断じて許すことはできない。
三里塚・用地内農民と連帯して闘おう! 空港の軍事使用を許すな! 12・5東峰現地行動(午後1時30分、東峰共同出荷場)に結集しよう!(S)