編集部だより

★かつて経験のない熱さだ。お年寄りたちがバタバタと倒れている。若いからといって油断できないのが、熱中症だ。★猛暑日は九月にまで延長している。だが、政治の世界も熱い。民主党の九月党代表選は一騎打ちとなり、駆け引きが激しい。★それぞれの路線・政策をよく吟味する必要がある。と同時に、基礎的な政治姿勢・政治手法の吟味も問われる。★密室談合、院政、権力の二重構造、議員世襲制、贈収賄、恩と義理など、まだまだ日本政治が脱却しなければならない課題は多い。★院政といえば、その歴史は古い。それは、古代末期、藤原氏の摂関政治を覆し、上皇−天皇の専一的な専制政治を復権させるものであった。★しかし、その前提には九世紀からの穢れ観の肥大化がある。神である天皇は、世俗政治にまみれて、その神聖性を落としてはならないのである。従って、天皇の担当は宗教的側面と、暦制、最上級官職の任命、大赦などに限定し、世俗社会の政治経済などの諸問題は上皇が担うこととした。★今日では、この意味がやや変わって、表舞台はカイライに任せ、当人は有権者の目の届かない闇に潜んで、そのカイライを操る意味合いが強くなっている。★院政と言えば、田中角栄氏がすぐ頭に浮かぶが、果たして、愛弟子はその政治体質をどこまで克服できるのだろうか。(竹中)