「韓国併合」100年−3・1朝鮮独立運動91周年
今こそ100年に及ぶ不正常な関係に終止符を!2・27集会

「日韓(韓日)民衆共同宣言」の署名始まる

 二月二七日、東京・文京区民センターにおいて「『韓国併合』100周年−3・1朝鮮独立運動91周年 今こそ100年に及ぶ不正常な関係に終止符を!2・27集会」が開催され、約200名が参加した。主催は、日韓民衆連帯全国ネットワークなどによる「『韓国併合』100年 真の和解・平和・友好を求める2010年運動」。
 集会は、「東北アジアの真の和解と平和のための2010年日韓(韓日)民衆共同宣言」を日韓で同時発表し、その賛同署名運動を3・1から両国で開始することを明らかにした。
 最初に、日韓民衆ネットの渡辺健樹さんが主催者挨拶し、百年の節目で官民でいろいろな動きがあるが、我われはこれを真の過去清算・和解・平和の転換点としていこう、そのために「日韓民衆共同宣言」の取り組みを進めようと基調報告を行なった。
 講演は、、社会運動史で著名な伊藤晃さんが、「日本と朝鮮半島の過去・現在を問い直す」との演題で行なった。
伊藤さんは、「韓国併合」百年の今年に鳩山・小沢民主党政権が、天皇訪韓を実現させようとしていることを、つぎのように批判した。日本が東アジアのヘゲモニー国家になるために、韓国との間のわだかまりを解くことが支配層の重要課題となっており、天皇訪韓にその役割を期待している。しかし、それは不正常な関係をもたらし、今ももたらし続けている日本の責任をあいまいにしたままで、「国家間の和解」をしようというものだ。和田春樹氏ら「中道リベラル派」による天皇訪韓提唱もあるが、天皇は支配層の戦略に従った言動以外なしえないし、また、日本の民衆意識の変革を課題としないまま、天皇に日本国民の謝罪・追悼の意を伝えさせようというのは問題だ。つまり戦後日本の民衆意識が問われている。戦後民主主義・平和主義とウラ・オモテの戦後ナショナリズムへの批判が必要だ。
報告では、排外主義集団「在特会」による朝鮮学校襲撃を許さない報告を在日女性のぺ・アンさん(NPO役員)が行ない、昨年十二月四日の京都朝鮮第一初級学校での襲撃の映像も上映された。彼女は、「レイシストを生み出しているのは、かれらを放置している政府・マスコミだ。高校教育無償化から朝鮮学校を除外する政府の動きは、在特会とどう違うのか」と糾弾した。また、日本軍「慰安婦」問題の解決にむけての報告を中原道子さん(VAWW−NETジャパン)が行ない、日本政府の謝罪・補償を求める各国議会の決議・日本の地方議会決議の進展を受け、鳩山政権に解決への踏み込みを求めた。
つづいて、韓国ゲストのハン・チュンモクさん(韓国進歩連帯共同代表)が特別アピールを行なった。彼は、同時来日の民主労働党コン・ヨンギルさんのメッセージを紹介しつつ、「韓日共同宣言」についての韓国側での取り組みなどを報告した。
最後に、この「日韓(韓日)民衆共同宣言」が読み上げられ、また各運動団体からのアピールをもって終了した。この「共同宣言」は、日韓とその国際関係において、過去清算・朝鮮半島の統一・平和構築と非核化など包括的な政策提言・態度表明となっている。日韓両国の進歩的・民主的勢力が、これらの政策内容で一致して闘うこと自体がすばらしいとも言える。
なお昨年3・1集会に続き、「在特会」ら数十名が、会場入り口で集会妨害騒ぎを執拗に演じていたが、集会参加者には連中への怒りというよりも哀れみを感じさせ、差別・排外主義者を生む社会体制を変える必要性を再確認させるものであった。また、在特会は論争相手としての保守・右翼勢力の域ではなく、もはや社会的・法的に罰せられるべき人権侵害集団となっている。差別禁止法がある国なら有罪となる「不逞鮮人」などの差別扇動、暴騒音、集会施設への威力業務妨害。警察官は阻止線を張っているだけで、これらを傍観していたが、検察・警察が人権侵害の不法行為を放置するならば、在特会と通底していると見られるだろう。(東京W通信員)


 排外主義封じる社会的包囲へ
       三月・京都集会、五月・関西大集会へ闘いすすむ

 二月十四日、五月に開催する反排外主義集会の実行委員会の第一回会議が、大阪で持たれた。呼びかけは「排外主義と闘う関西ネットワーク」で、昨春来の在特会らの排外主義行動に一連の闘いを共に担った仲間たちである。
 この会議には、関西各地から実に多くの仲間が結集し、実行委員会がさながら大衆集会と思わせる盛況であった。排外主義の台頭に対し、連日と言っても過言ではない防衛行動を担い、それを通じて闘いの輪は確実に強く大きくひろがっている。
 排外主義集団「在日の特権を許さない市民の会」「主権回復を目指す会」の全国的な動きに、一時は出遅れた感のあった我われの闘いではあるが、いまや反排外主義の戦線は、関西を始め、福岡、四国、京都、埼玉、東京など各地で結集軸となる団体が形成され広がっている。
 この日、在特会は「緊急全国総会」なるものを開催している。その会で、在特会・桜井誠は、我われの防衛対抗行動を意識してか、今からの闘いは「血みどろの戦い」、「実力行使しかない」、「勝った方が正義」等の扇動的発言を繰り返しており、実際、今年に入ってかれらの攻撃は暴力性を激化させている。
 かれらに対し、関西においては、各集会防衛と同時に大衆的企画が進められている。京都においては3・28円山公園での、「民族差別・外国人排斥に反対し、他民族共生社会をつくりだそう!朝鮮学校への攻撃を許さない!」集会が多くの賛同で呼びかけられており、また大阪でも先述の五月末の集会、このかんの闘いの集大成とも言うべき大集会が準備されている。
 こうした一連の闘いが、「今こそ排外主義的な動きを封じる社会的包囲網の形成を」(五月集会実行委結成よびかけ)という戦略方向と連動していることは言うまでもない。
 在特会や主権回復会らに結集する若者の存在が、今日の貧困と失業の時代を背景としていることは自明である。若者の閉塞感、未来への絶望が、社会的弱者への、他民族への攻撃へと転化されること、これは歴史が示す通りである。しかし我われは、かれらの発生根拠をしたり顔で分析するだけの社会学者であってはならない。
 我われは、新自由主義が作り出した貧困と差別、ゴジラ化した資本主義の仕組み自体を問い直し、労働者民衆を我方に組織する闘いとして、この排外主義集団との闘いを構えていくべきである。そのためにこそ、排外主義に対する社会的包囲網の形成を全人民的な共同闘争へと発展させなければならないのである。(関西S通信員)
 

2・11「紀元節・日の丸・君が代」と闘う京都集会
  沖縄靖国訴訟から学ぶ

 二月十一日の京都市で、「紀元節・日の丸・君が代」とたたかう2・11京都集会が、今年も京都会館にて約七十名の参加でもたれた。
 集会は、部落解放同盟京都府連の西島書記長の主催者あいさつに続き、大阪弁護士会の丹羽雅雄氏が「改定安保50年と沖縄・靖国」と題して講演を行なった。丹羽氏は、「すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク」代表で、また沖縄靖国訴訟などで活躍中。
丹羽氏は次のように講演した。1952年講和での第二次琉球処分・米軍政への沖縄譲渡のなかで、沖縄人と旧植民地出身者の切捨て政策が確立された。その後、沖縄への軍人・軍属「遺族援護法」の適用にあたって、沖縄人は自らの意思で戦闘に協力し、集団自決したとする靖国思想による同化がすすめられた。今日の普天間問題でも、沖縄の歴史意識を認識して闘っていく姿勢が必要だ。沖縄・靖国合祀取消訴訟は、沖縄民衆による自決権確認の訴訟でもある。沖縄戦の歪曲を許さず、戦争・戦後責任を問うていこう。
さて京都の地では、このかん「在特会」なる急進右翼が跳梁し、昨年は京都初級朝鮮学校への襲撃をはじめ、外国人地方参政権を認める決議をあげた近隣自治体への妨害など、排外主義行動をエスカレートさせてきた。これに対し、朝鮮総連京都府本部を中心に迅速な大衆的抗議行動がすすめられており、関西一円の労組・市民団体が「在特会」を許さない動きを強めている。こうした情勢下、長年続けられてきた「京都・紀元節反対集会」の意義は重要だ。
集会後、参加者は雨にもひるまず、「2・11建国記念日反対!天皇制美化を許すな!」「沖縄・辺野古の基地建設許すな!」などを叫んで、京都市街を行進・情宣した。(関西I通信員)