「JR不採用問題 解決へ!2・16中央集会」に四千名
  納得できる「雇用・年金・解決金」を

 二月十六日・東京では、全労協参加組合や全港湾などで作る「10けんり春闘全国実行委員会」によって、各争議での会社・背景資本を追及する「2・16けんり春闘東京総行動」が展開され、またこれに連動し、午後六時半からは日比谷野外音楽堂にて、「JR不採用問題解決へ!2・16中央集会」が「4者4団体」の主催で開催された。
 この採用差別から二十四年目の国鉄闘争の決起集会は、与党3党が解決案を作りつつあるという国鉄闘争四半世紀のまさに正念場であることから、冷たい雨模様にもかかわらず、約4000名の参加で盛り上がった。
 集会は、まづ高橋伸二・国労中央執行委員長が主催者あいさつ、ついに解決が見えるところまで来た、各当事者・各組合・支援の「4者・4団体」が一致団結して解決をかちとろうと訴えた。
 つづいて平和フォーラム、全労連、都労連の三団体が連帯あいさつを述べた。
 メイン報告と言える情勢報告を、二瓶久勝・国鉄闘争共闘会議議長が行なった。二瓶さんは、「鉄運機構(旧国鉄)が交渉に応じないため、政治解決となった。我われの解決要求は、『雇用・年金・解決金』の三項目がそろった解決だ。三項目が入らない与党の和解案なら、我われはそれを蹴る。金銭だけでなく、路頭に迷わせない解決が必要だ。三項目の、その内容が問われる。4者・4団体の分断を狙っている官僚や政治解決反対の勢力を許さず、我われは一致して臨んで行く」と訴えた。(また彼の発言では、解決金について最低2000万円以上との数字も飛び出したが、昨年の鉄建公団訴訟二審判決が「期待権侵害の慰謝料」550万円としたことに対し、不当労働行為是正の賃金補償としては、それ相応な額が問われることは確かである。)
 当事者として小野浩二さん(国労闘争団全国連絡会議)、また音威子府闘争団家族の杉山智子さんが発言し、最後に、納得できる解決「雇用・年金・解決金」を勝ちとろうとの集会アピールを採択した。
 一部報道で、三月中に提示される与党3党の解決案は、和解金1650万円・年金1300万円、55歳以下の230人の雇用をJRに要請、という内容と報じられたが、こうした政治解決案が示されても、官僚と前原国交相、鉄運機構が同意するとは限らない。政治解決である以上、〇三年最高裁判決(JRに法的責任なし)の枠内という制約があり、旧国鉄の不当労働行為を救済できる範囲に限界がある中での解決となる。
 それでも、納得できる解決を勝ちとり、国鉄分割民営化の方法による国家的不当労働行為に対し、一定の是正を勝ち取って闘争を終結させるならば、今後につながる解決と言えるだろう。(東京A通信員)


2・20釜講座
  センター40年から「非正規」を考える

 二月二十日、大阪市のエルおおさかにて、第13回釜ヶ崎講座「講演の集い」が開催され、約六十名が参加した。主催は、市民と釜ヶ崎をつなぐ活動を展開している市民団体「釜ヶ崎講座」。
 今回の講座のテーマは、「釜ヶ崎40年!歩みと現在 西成労働福祉センターから見て」と立てられ、講師は海老一郎さん(全国一般西成労働福祉センター労働組合)であった。
 JR新今宮駅を下車すると、すぐ目に付くのが労働総合センターの煤けたビルである。釜ヶ崎にこのセンター(職安・労働福祉センター・医療センター)ができて四十年を迎える。
 海老さんからは、釜ヶ崎でのここ半世紀の労働と生活に関する施策の変遷をたどる報告を受け、日本列島総釜ヶ崎化といわれる現況のなか、全国の非正規雇用労働者の労働と生活を守るために必要な仕組みづくりをどうするか、こういう課題を提起してもらった。
 参加者には新たな参加の方が多く、釜ヶ崎の経験からの非正規問題への提起は、ひろく関心があるものと思われた。(大阪A通信員)