12・13第40回釜ヶ崎越冬闘争支援連帯集会
  生存権確保し、労働権奪還へ

 十二月十三日、「第40回釜ヶ崎越冬闘争支援連帯集会」が大阪市西成区・釜ヶ崎の「ふるさとの家」にて開催された。主催は釜ヶ崎越冬闘争実行委員会。釜ヶ崎反失業連絡会の各団体や支援者を中心として約六十名の参加で終始、闘争・団結の集会であった。
 最初にDVD上映が行なわれ、越冬闘争実行委製作の『08越冬闘争の軌跡』、歯科医師で釜労働者への医療活動に関わっている渡邉氏の製作の『第40回釜メーデー』、およびレイバー・フェスタ出品作の3分ビデオ『特掃は命綱だ』の三本を観る。続いて山田実・越冬実委員長によって、越冬闘争の歴史的意味を踏まえての事実上の越冬闘争突入宣言のあいさつがなされ、集会に移っていった。
 最初に、第40回越冬闘争実行委員会を代表して三浦氏から基調報告が行なわれた。報告では、「長年にわたり、闘い抜いてきた越冬闘争だが、今や資本主義本来の姿である弱肉強食の社会、弱い者、働く者からすべてを奪い取っていく時代に突入し、失業と貧困は釜ヶ崎と一般社会の壁を壊しつつある。釜では『仕事なきセンター』の日常化が続く中、老若を問わず、生活保護で生活をしのぐ層が増大し、また、シェルター(夜間緊急避難所)の宿泊者数は二年間で延べ50万人にも達した。労働を奪い、野宿の自由を強制してきた今の社会に対し、非正規・正規を問わず、団結して労働を奪い返す闘いに立ち上がろう。失業が加速したこの一年の中で、昨年の越冬闘争とは違う質をもつ今次の闘いで、この釜ヶ崎越冬闘争を社会化していこう」と訴えた。
 続いて、釜ヶ崎反失連の穴沢氏による今次越冬の闘いを勝利していく決意表明と反失連の今次取り組みの報告を柱として、キリスト教協友会、医療連、釜ヶ崎連帯委員会、釜ヶ崎講座、野宿者ネットワーク等、越冬参加団体・支援団体がリレーアピールを行なった。
 各班の取り組み紹介では、ふとん敷き、人民パトロール、(「勝ちとる会」からの)炊き出し、(「わてらと釜ヶ崎」からの)医療パトロールの各班、また資材、設営、文化の各班などから多様な取り組みの報告と決意表明がなされた。一人ひとりの命の大きさと尊さをかみしめ、闘いの実を結んでいこうという総体の熱意を確認していった。
 厳冬の中、失業で生存権さえも奪われようとしている仲間を一人でも多く救い、助け合い、団結して闘っていく。今次越冬闘争は、こうした運動の原点をふまえて、多種多様な取り組みが運動を支え、これまた多種多様な仲間たちの緊密な連携と団結に支えられて、成功裏にすすめられていくであろう。
 鳩山民主党新連立政権下、労働の復権と生活の奪還の闘いの成否は、非正規・正規の垣根を打ち破り、どのように仕事の仕組みづくりを求めていくのか、またそれを「野宿者支援法」等々の既存の法を有効巧みに利用しながらいかに押し進めていくのか、また労働組合をはじめ反失業の運動を担う各組織がいかに団結し行動を押し広げていけるのか、これらに係っているだろう。
 仕事をよこせ、仕事をさせろ、働いてメシを食わせろ、という釜ヶ崎労働者の発信が、今次越冬闘争の勝利的展開の中で、全国の寄せ場をはじめ、反失業・反貧困を闘う仲間への熱い連帯の後押しになることを念じつつ、集会を締めくくっていった。
 なお十二月二八日から一月九日までの釜ヶ崎越冬闘争では、三角公園にて、「炊き出し」が二八日から一月九日まで連日行なわれ、「越冬まつり」が三十日から一月三日まで開催される。また大阪府・市要求行動である「お礼参り」が一月四日・朝七時・三角公園集合で取り組まれる。(関西I通信員)