鳩山政権の公約破棄を許さず、日米安保政策を転換させよう

沖縄海兵隊は全面撤退せよ


 鳩山連立政権は、十一月八日の沖縄県民大会、十三〜十四日のオバマ米大統領来日を経た十一月末現在の今も、いぜん普天間基地問題での「県外・国外」移設の公約着手を行なわず、課題を先送りするあいまいな態度を続け、その実、この民主党公約・政権公約を破棄する動きを強めつつある。
沖縄県民の圧倒的多数が「県内移設」を拒否し、その県民意思は県政与党にも拡大しつつある。そうである以上、仮に鳩山政権が県内移設容認へ転じたとしても、闘いが続くだけであって事態の解決は何もない。来年一月の名護市長選挙では新基地建設反対候補が勝利する公算が大であり、そうなれば鳩山政権の苦境が深まるだけのことである。
事態を解決するためには、普天間移設先の論議の以前に、民主党が堅持するとする日米安保体制はどのように見直されるべきなのか、政権のその基本政策、対米対処の基本方針が問われている。鳩山政権が「対等な日米関係」を掲げ、「東アジア共同体構想」を掲げるのならば、まずもって当面、米海兵隊の沖縄・日本への駐留、先制核攻撃を認めたアメリカの拡大「核抑止」への依存、安保条約上の義務を超えた「思いやり予算」、米兵犯罪への刑事手続をあいまいにした日米地位協定、これら自民党支配の時代に長年惰性的に続けられてきた諸問題が、今こそ見直されなければならないのである。
「殴りこみ部隊」米海兵隊、この唯一の海外駐留が、なぜ今も沖縄・日本で続けられているのか。沖縄海兵隊の全面撤去、それは何ら過激な要求ではなく、東西冷戦の終結、主要国の多極化など世界情勢の変化をふまえれば、日米安保体制を守ろうとする人々にとっても充分現実的な選択肢なのである。普天間基地の海兵航空部隊をはじめとする沖縄海兵隊の全面撤去、それを実現する過程でこそ、「普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地断念」という現在の要求は完全にかちとることができる。
十一月九日、沖縄の有識者である宮里政玄(対外問題研究会代表)、新崎盛暉(沖縄大学)、我部政明(琉球大学)ら十八氏によって、「オバマ大統領へ 沖縄からの声」と題する声明が発せられた。この声明は、普天間問題の「根本的な解決は、米海兵隊の沖縄からの全面撤退しかありません」という主張を強く掲げたものであり、また、その沖縄海兵隊全面撤退の現実性、軍事的合理性についても明らかにした説得力のある声明である。
我われ日本の革命勢力は、日米安保の粉砕、アメリカ帝国主義の一掃を目標の一つとしているが、その目標を実現する過程において、安保体制の枠内でも当面の見直し策を闘いとることを否定するものではない。我々は、国際的な平和と連帯、労働者人民の利益を推進する立場から、当面の政策転換を断固要求するものである。
十三日の鳩山・オバマ首脳会談の結果は、そのような政策転換とは正反対であった。鳩山は「日本外交にとって日米同盟がすべての礎」とまで述べ、日米同盟基軸の再確認に終わっている。普天間問題での閣僚級作業部会が設けられたが、両政府のくいちがいを当面取り繕うものでしかない。オバマは「作業部会は日米合意の履行に焦点を絞るものだ」とする他方、後日鳩山は「日米合意が前提なら、設けた意味がない」と正論を述べている。
それでは鳩山はどうするつもりなのか。彼は十一月二七日・三十日と仲井真沖縄県知事と会談し、仲井真知事が掲げる「沿岸案の沖合移動・代替施設建設中の普天間機能の分散」を検討している。仲井真知事の案を口実とし、この類を〇六年日米合意を修正するものだなどとして、鳩山が「県内移設」容認に転じる危険性が高まっている。すでに「死に体」の仲井真知事から鳩山政権が同意を取っても、沖縄県民から同意を取ったことには何らならない。沖縄民衆の闘いはさらに燃え盛り、仲井真を知事の座から追放してしまうだろう。
鳩山政権の一時しのぎの対応を許さず、普天間閉鎖・新基地阻止・沖縄県内移設断固反対の運動をさらに拡大しよう。そしてさらに沖縄海兵隊全面撤去など、抜本的要求を日米両政府に突きつけて闘おう。


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