編集部だより

★七月二十一日の衆議院解散で、世の動きは総選挙一色となった。真夏の選挙運動はしんどいものがある。各種の前哨戦と位置付けられた選挙の締めくくり、都議選は民主党の圧勝で総選挙の趨勢が見えてきた。マスコミ各紙も、各党のマニフェストばかりか民主党政権下での変化の状態を想定し始めている。★そのなかでも民主党のマニフェストには注意を払う必要がある。日本の官僚制に手を突っ込むような「無駄の廃止」と議員を各省庁に配置する案が、官僚制そのものを改変できるか見ものである。小泉「構造改革」は省庁改変でお茶を濁しただけで、官僚制には手が付けられず、官僚層の既得権益やでたらめな運営実態が白日の下にさらけ出されただけだった。菅直人氏は、イギリスに行って政府と官僚機構の関係を調査したようだ。★私達は、既存の国家機構をそのまま使用することはない。選挙制度に関しても同様で、あくまでこれを利用するだけだ。現情勢下では、情勢転換と第三極形成のためこの衆議院選を戦うのである。左翼の先輩格である朝日健太郎さんは、今回の選挙に多大な期待を込めておられるが、いかがなものか。開始された裁判員制度に関しても、司法制度そのものの改革に通じるような論じかたをしておられる。グラムシの「ヘゲモニー理論」は今日にどう使えるか、それは私にも関心があることなのだが。(日下部)