7・12都議選
  9条擁護・反石原を
      その先頭に立つ福士敬子さんの勝利へ

 衆議院選挙の前哨戦と位置付けられている東京都議選が、七月十二日に投開票される。
 その杉並選挙区からは、四期目を目指す福士敬子さんが立候補し、奮戦中である。福士敬子さんは、都議会内で「自治市民'93」という一人会派で、一貫してデタラメな都知事石原に対決し、都民の健康、福祉、環境、生活、平和・人権を守り続けてきた。福士さんは、石原都政のオリンピック誘致・築地市場移転問題、新銀行東京のデタラメな経営、八ッ場(やんば)ダム建設、外環道路建設の是非を問う選挙戦を展開している。これらの問題は、東京一極集中をさらに促進させ、無駄な財政出動と環境破壊の元凶となるものでしかない。
 これらの諸問題にたいし、都議会内各会派はあいまいな対応に終始してきたが、新銀行東京問題を契機として、都民の石原幻想の化けの皮がはがれ、自公与党会派さえ石原離れをおこしている。そればかりではなく、石原は枝川の朝鮮学校に追い出し攻撃をかけ、これは和解に応ぜざるをえなかったが、排外主義の頭目としての本性を都政にもちこんだ前歴がある。
 野党に位置する民主党はどうだろうか。都議会第二党の民主党は、衆議院選挙をにらんで野党色を押し出しているが、石原都政に対しては支持が高かったこともあり、是々非々の対応に終始してきた。そればかりではなく、民主党都議会議員の土屋某のごとき人物は、「日の丸・君が代」、教科書問題では、教育現場に押し入り、先進的な教育労働者の「摘発」を指揮する始末である(今回も土屋某は厚かましくも立候補している)。
 福士敬子さんは、問題となった周産期医療、小児医療でも都民の安全を守るため、先頭で奮闘している。わたしたちは福士敬子さんの四回目の当選を期するものである。
 都内在住市民にとって、福士敬子さんのような候補者は、杉並選挙区にしか居らず、他選挙区ではいかなる対応をしたら良いのだろうか。その場合は、政党政派に係わりなく憲法9条改悪に反対することを最低の要件とし、人権と環境保護に取り組む候補者を選ぶべきである。(都民Ku)


「憲法9条改定を許さない6・14全国集会」に550名
  改憲再始動許さず共同行動拡大を

 六月十四日の東京で、「憲法第9条改定を許さない6・14全国集会」が、9条改憲阻止の会などの呼びかけによる実行委員会主催で行なわれた。三宅坂の社会文化会館ホールが一杯となる550名が参加し、例年以上の盛り上がりを見せた。
 集会に先立つ六月十一日、与党が衆議院で憲法審査会の規程を強行採決した。この衆院での憲法審査会規程の与党のみによる制定は、民主党との改憲翼賛を当面かえってむずかしくしているが、来年五月の改憲国民投票法の施行に備えた動きが始まったものとして警戒しなければならない。集会は、これを意識し、憲法闘争のいっそうの拡大を図るためのものであった。
 また、主催の中心の「9条改憲阻止の会」は、六十年安保世代を主力に近年6・15の共同行動を進めてきたが、このかん9条改憲阻止の一点で広く連携を求め、自公政権の自衛隊海外派兵や改憲策動に対し、国会前座り込みなどの闘いを継続し、多くの賛同者を獲得するに至っている。
 集会の第1部では、前国立市長の上原公子さんと原秀介さんが司会を行ない、ヤスミン植月千春さんのカーヌーン演奏で開始された。派遣村報告を全国ユニオン事務局長の安倍誠さんが行ない、非正規雇用労働の現場から園良太さん、国労闘争団から佐久間忠夫さん、教育現場からは「都教委による分限免職取り消し」訴訟原告の増田都子さんなどが報告を行なった。
 講演は中央大学名誉教授の伊藤成彦さんが、憲法9条改定と国民投票法をめぐる現状について行なった。総務省作成の「憲法改正国民投票法」パンフについて、憲法改定案の討論にも至っていない現在、直ちに国民投票が行なわれるかのように見せかけることは違憲行為であり、パンフを回収・破棄すべきものと指弾した。また日本国憲法は、硬性憲法であり改定の限界が前文や条文に明示されておりながら、国会の憲法調査会では一度もそれが論議されていない点を鋭く指摘した。伊藤さんの講演は、日本国憲法の立憲主義にのっとった簡明な内容で、参加者から大いに共感を得た。
 集会に賛同する国会議員、政党からアピールとメッセージが寄せられた。社民党衆院議員の保坂展人さんと新社会党の松枝佳宏書記長は登壇して改憲阻止の決意を述べ、民主党参院議員の大河原雅子さん、平岡秀夫さん、国民新党の自見庄三郎さんからのメッセージが代読された。第1部は、関西からの連帯メッセージが行なわれて終了した。
 第2部は、新城せつ子さんと吉本昇さんが司会で、池邊幸恵さんのピアノとスライドによる「平和のメッセージ」で開始された。沖縄報告の知花昌一さんを始め、不戦兵士の会、東京大空襲訴訟原告団、たんぽぽ舎など各団体からのアピールが行なわれた。
 憲法第9条改定を許さない混声合唱団が、ヴェート−ベンの第九に歌詞をつけた『戦争放棄』を合唱した。海賊対処法案に関する緊急提案が9条改憲阻止の会から、集会宣言が塩川喜信さんから提案され、全員で確認した。
 集会後、小雨降る中、会場から日比谷公園までデモ行進が元気よく行なわれ、9条改憲阻止の決意を打ち固めた。中高年となったかっての闘士たちも、想いをこめた闘いによって現在にしっかりとしたポジションを築きつつある。(東京K通信員)


京都6・13
  緊急行動で包囲糾弾された「在特会」排外デモ
    外国人排斥を許さない

 六月十三日京都で、「外国人排斥を許さない6・13緊急行動」が行なわれ、全国から約三百人が参加、午前中から三条河川敷で集会が開催された。
 この行動は、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)なる排外主義右翼団体の同日の京都デモに抗議する緊急行動である。在特会とは今年四月に埼玉県わらび市で、不法滞在を理由として両親が強制送還され、日本政府により家族と分かれて暮らすことを強いられたカンデロン・ノリコさんの自宅・学校に押しかけ、「日本から出て行け」と信じられない排外主義行動を行なうなど、最近各地でその許しがたい行動を展開し始めている連中である。
 緊急行動であったにも関わらず、呼びかけ人で百名、団体で五十団体が全国から賛同の声を上げて開催されたが、この緊急の広がりは、在特会にみられる排外主義、ファシズム運動が一過性のものではなく、深くこの失業・貧困の時代にその根源を持っていることへの、仲間たちの鋭い危機感の現われである。また集会の会場は、色とりどりのプラカードやゼッケン、太鼓、鐘からダンスまでが混在するにぎやかな盛り上がりをみせ、この闘争への関心の広さを示していた。
 集会には、難民支援など市民団体、宗教者、日雇全協の各支部などの労働組合と多様に参加し、関西の仲間からは、ファシスト粉砕、労働者が国際主義で闘うことの意義が語られ、また、渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合(のじれん)の仲間からは、野宿者への排除と、現在強まっている外国人排斥の動きが、差別排外主義に基づく民衆への分断攻撃として共通すると捉え、これらと断固対決していく決意が表明された。
 集会後のデモは、更に工夫をこらしたものになり、多くの京都市民の注目を集め、この闘いの意義を訴えるビラが街往く人々に手渡されていった。四条河原町交差点をにぎやかにUターンして一旦会場に戻り、各参加者は様々に鋭気を養い、在特会のデモへ糾弾の嵐を浴びせるべく、各配置へ整然と移動し、その時を待ったのである。
 「外国人は出ていけ」「在日外国人の特権を許すな」「朝鮮人は国に返れ」等の耳を覆いたくなるような、在特会デモ(百余名程度)の激しい排外主義コール。これに対し、各交差点で待ち受けていた仲間たちは横断幕を高々と掲げ、最大出力のスピーカーを使って力強く、ファシスト粉砕、排外主義を許すな、労働者に国境はない、団結して闘うぞ、国際主義で闘うぞ!の嵐のようなシュプレヒコールで反撃し、機動隊に守られてダンゴ状態の奴らに闘いの広がりを嫌と言うほど見せつけてやったのである。
 四条河原町交差点では、四方に闘う仲間が今か今かと待機し、釜ヶ崎日雇労組の部隊もしっかりと一角を担っていた。在特会のデモ隊の登場とともに爆竹が打ち鳴らされ、交差点を揺るがす糾弾の嵐が浴びせかけられた。これに恐怖した排外主義者の中からは、機動隊に守られていることをいいことに、機動隊の隙間から、抗議する仲間につかみかかる者、けりかかる者が随所で見かけられた。
その情景はまた、この時代が大きく労働者階級の側に立つ者と、排外主義でもってそれに敵対し、ファシズム運動として、戦争への道を大衆運動として形成せんとする者との、闘いの非和解性の今日的表現であったと言えよう。
 我々も戦列の強化を急ぐ必要がある。古い経験主義、狭いセクト主義ではなく、広く運動をつないで闘う人民の勢力を創出しなければならない。麻生政権による緊急雇用対策などバラマキ支出とそれをもっての総選挙が近づいているが、我々はそれさえ利用しつつ、かれらの政権延命の策謀を粉砕し、闘う陣形の強化を急ぐ必要がある。(関西M通信員)


6・13愛宕山に米軍住宅はいらない
岩国基地大強化反対・関西学習交流集会

  岩国住民との連帯強め

 六月十三日、大阪市のいきいきエイジングセンターにおいて「6・13愛宕山に米軍住宅はいらない・岩国基地大強化反対・関西学習交流集会」が約150名の労働者・市民の結集でもたれた。この集会は、「09岩国・労働者反戦交流集会実行委員会」と「アジア共同行動日本連絡会議」の共同開催で、「しないさせない戦争協力関西ネットワーク」が協賛してのものであった。
 今回の学習交流集会では、現地岩国にて「愛宕山米軍住宅」建設に反対し活動してこられ、周辺地域・自治会の結束に苦心しておられる岡村寛さん(愛宕山を守る市民連絡協議会・世話人代表)を招いて、とりわけ2005年以降、「基地沖合拡張」「空母艦載機移転」に伴なう国・県によるズサンな「都市計画案」変更、すなわち「米軍住宅建設案」浮上に反対してきた取り組みが報告された。
 まず、この問題の若干の歴史的経過に触れると、1992年に沖合延長・埋め立て案が自民党側から出され、議決を経て、国は「岩国基地沖合移設合意」に基づいて、山口県を事業主体とした「愛宕山造成事業」を策定、実行に移した。当時、愛宕山近辺に住む人々は基地沖合移設によって基地騒音は軽減されると期待し、また切りとられた山の跡地は病院・学校等に新生されるということで、工事期間中の振動・騒音にも耐えた。しかし何故か、基地の拡張のための土砂採取が完了した時点から、「人口減少」を理由とするこの「都市計画事業」の赤字宣伝がまことしやかに言われ始めた。
 そして、05年の日米安保協議委員会による在日米軍再編合意の決定で、厚木からの空母艦載機移転という基地の増強、米軍住宅問題が表面化する。
 08年、艦載機移転反対を鮮明にしていた井原市長に変わり、新市長に就任した福田氏が、「愛宕山地区」の国への買い上げ要望を出す中で、逆に「米軍住宅案」を突きつけられる。
 集会で、愛宕山を守る市民連絡協代表の岡村さんは、「こうした国のあとだし的なやり方に怒りを感じ、許すことはできない。こうした度重なる仕打ちに負けることなく闘っていく」と発言した。また昨今の米日の共同戦争体制強化の中、岩国住民の飛行騒音への苦情件数も史上最高に達している。
 岡村さんは、「だが、岩国住民は負けていない。私たちは陸・海・空の各分野でがんばっている。すなわち署名宣伝活動を中心とした住民運動、埋め立て承認処分取り消し訴訟、爆音損害賠償訴訟の三つ。住民意識は時にはしぼみがちになるときもあるが、粘り強く闘っていく」と結んで、大きな拍手が寄せられた。
 この後、今後の運動展望に関しての参加者との質疑応答があり、続いて服部良一氏(山内徳信参院議員秘書、衆院近畿比例区予定候補)からは今国会における「海賊対処法案」審議の状況が述べられ、「もっと危機感をもって対処、行動していかないと体制側に取り込まれる。総選挙で奮闘するので支援のほどを!」と結んだ。全港湾労組の陣内さんは、大阪における艦船入港阻止行動等の闘いと沖縄辺野古の新基地阻止の闘いとの結合を!と訴え、最後に中北龍太郎さん(しないさせない関西ネット)が「関西における更なる反基地運動の構築を!」と締めくくった。
 共催団体である労働者反戦交流実行委員会とアジア共同行動日本会議はこの間、現地岩国における共同闘争を担い、関西に岩国の闘いを大きく宣伝している。
 闘いの勝利は、現地岩国住民の力と我々の連帯の力にかかっている。現地の運動に学びつつ、さらに滋賀あいばの、大阪伊丹などの関西における反基地運動の強化でこたえていこう!(関西I通信員)