編集部だより

★麻生によって、「山雨来らんと欲して、風楼に満つ」の時は、いささか長引かされた。それにしても色々あった。★まずは麻生が、大方の予想に反して、相対的に有利な総裁選直後の総選挙実施をやろうとしなかったことである。一日でも長く総理大臣の椅子にしがみついていたいという麻生の個人的エゴが露呈してしまった。★麻生政権が、政権維持のため、景気対策を口実になりふり構わぬバラマキを強行した。政権交代が不可避なら国庫を空にしてしまえ、あとは野となれ山となれと。★政権交代後の首相と目されていた小沢がアメリカ帝国からの一定の自立志向を表明するや、アメリカに教唆された麻生は、地検特捜部主演の小沢つぶし国策捜査劇を策した。だが、小沢を民主党代表から下ろすのには成功したものの、小沢路線はつぶせず、鳩山・民主党の巻き返しを招くことになる。★アメリカ軍部が、政権交代前に対日権益と米日軍事一体化と自衛隊による前線任務の分担を確かなものにしておくため、朝鮮に対する軍事的緊張状態を意図的に高めた。麻生は、政権浮揚のためこれに悪乗りし、敵地攻撃論を支持した。★麻生は、当初、日本郵政・西川総裁を辞めさせようとしたが、小泉と財界中枢の圧力にあって断念。自民党の核心に、どっこい弱肉強食路線が生きていることを満天下に明らかにしてしまった。★終る政権の首相のあがく様を見せてもらった。権力への執着からする動揺、権力維持のために何でもする危険、民衆不在。それも終わろうとしている。パンドラの箱が開かれる。(深山)