今こそ労働運動の出番だ


 労働者とすべての人民は闘わなければ、生きていけない時代に突入した。昨秋以降、非正規労働者をはじめ労働者の労働権が急速に破壊され、すべての人民の生存権が脅かされている。戦後最大のマイナス成長の犠牲は、国民に均等にふりかかってくるのではない。無責任な資本主義は格差拡大をもって延命せんとする。メーデー行動は闘いの第一歩だ。要求をかちとり、運動と組織を前進させ、新しい社会をめざして団結せよ。


〔釜ヶ崎メーデー〕

 働いてメシを食わせろ!
        フ困窮を第一として運用すること、一、越年対策の年齢制限・期間短縮を行なうな、である。
 就労については、府は、「特掃は昨年度と同規模で行なう」「55歳未満の就労は各部局でセンターと連係を深め、求人の獲得を目指す」と、回答してきた。橋下知事の下で、特掃の縮小か、と危惧された昨年のメーデー時期に比し、事業継続が確認されたのは前進だ。緊急雇用対策基金に基づく事業については、府では予算が年22億、三年で67億であり、各市町村へ半分を配分し、残り11億を活用し事業を行なう、と回答してきた。六月からの実施に向け準備に入るとの事で、これにより年間七千四百人の雇用が実現できると言ってきた。ただし、定期雇用が前提となるので、毎月百二十名が月約八日程度の現金仕事につけるが、その間は輪番からはずれる。残りの輪番登録者は従来通りの輪番につくが、定期雇用者の分だけ輪番が早くまわり、若干特掃従事が増えることになるというものである。週三日の就労を、と要求してきた事からすれば、野宿解消にはとてもつながる規模ではない。
しかし、かつての緊急雇用対策金が、全国唯一、釜ヶ崎において具体的な特別清掃事業という具体的な仕事として実現したように、今回の対策基金を条件付きであれ具体的雇用として実現させたことは前進である。市は、同規模で同時期に実行するとしているが、未だ具体的な回答にはなっていない。市は、早急に実施策を出せ。
定額給付金についても闘争中だ。二年前、大阪市は釜ヶ崎で職権で住民登録を削除した。そして、居住実態により、公園や道路上の仮小屋でも住民登録ができるのが法の原則にもかかわらず、「社会通念」を持ち出した判例をたてに、大阪市では住民登録できない状態にある。諸団体成員の住民票を釜ヶ崎の適切な場所に登録させよ、という要求にも拒否をつづけている。対応策を出さないまま、市は総務省にうかがいをたてています、という待ちに徹している。現に四月十八日より申請書の送付が始まっている。定額給付金は駄策とはいえ、住民登録できない釜ヶ崎労働者が、非市民として排除されることは絶対に許されない。
生活保護の適用についても、東京日比谷の「派遣村」での申請、釜ヶ崎での二月初めの集団申請、三月二十一〜二十二日の大阪反貧困・相談会の申請等での、緊急の大量居宅保護受け付けや宿泊費の支給などで運用が緩んでいる様にはみえる。しかし、緊急時の特別対応とするだけでなく、また、稼働能力の判断の優先ではなく、まず困窮の実態を優先して制度内に抱えること、まず生活を安定させてから稼働能力の活用を発揮する方向でなければ、とりわけ、この間増加する非正規の稼働年齢層の失業―貧困の事態に対応できず、野宿に至った層の、野宿生活の長引きを結果するだけである。
釜ヶ崎労働者に対する現在の施策を更に、「働いてメシを食う」事を真に実現させるように前進させる事が、現在の非正規に対する施策、新たな仕組みを実施させる事にもつながっているのである。 (関西S通信員)
 

〔中之島メーデー〕

  競争社会より共生の社会を
              釜日労・反失連が合流

 五月一日、大阪城公園・教育塔前にて、第八十回「中之島メーデー」が開催され、一千名が参加した。
 「競争より共生の社会を!」をメインスローガンとする実行委形成による「闘う中之島メーデー」である。今年は「働く者たちの人権を守ろう、正規・非正規の別なし均等待遇を」が掲げられた。
 昨年より中之島公園から大阪城公園に会場を移し、午前中、実行委参加の各労組が、前段行動を行ない、参加してきた。全日建関西生コン支部は、石原産業へのデモを、全港湾大阪支部はクボタの雇用切れ解雇に対し本社抗議を、ゼネラルユニオンは同じくクボタの下請会社への受注縮小に対する申入れを行ない、また十時半より、大阪ユニオンネットワークとして大阪府に対し、府教委の三百四十六名の非常勤教務事務補員等の解雇に対する申入れ等の行動を取り組んでの、メーデー開始となった。
 釜メーデーを闘い抜いた釜日労・反失連百八十名の隊列が、一番乗りで会場右翼を占める中で、前段イベントとして趙博ライブが行なわれ、十二時よりメイン集会が開かれた。
 まず全日建の司会により始まり、冒頭、昨夜急逝された全日建の川村さんに対する黙とうが行なわれた。関生太鼓によるオープニングが行なわれ、全港湾大阪支部の大野委員長による開会宣言が行なわれた。
 連帯あいさつとして、大阪労働者弁護団から北本弁護士が、関西共同行動から中北弁護士が、沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会より服部良一さんがたった。続いて、社民党、新社会党の順で府下の議員と候補者が紹介された。市民派議員として、府下の各市からの市会議員が演壇に並んだ。
 争議アピールに移り、前述の午前中の取り組み労組以外にも、解雇問題を闘う労働組合が紹介され、力強いアピールを行なった。全労協より、団結ガンバローが行なわれ、デモに出発した。デモは、府庁前より本町まで南下し、御堂筋まで進み、北上して市役所前まで行なわれた。
 釜日労、反失連百八十名は、市役所前まで、暑いと思われる日差しの中、隊列を崩さず貫徹した。市役所前では、大阪市に対し、就労施策実施案の提示と定額給付金執行への差別をするな、と訴えて、長丁場のメーデーを闘い抜いたのである。(関西S通信員)


〔日比谷メーデー〕

  日系ブラジル人労働者が
       熱烈にアピール


    第80回日比谷メーデー式典が、5月1日に東京・日比谷公園で行われた。金融資本が引き起こした金融危機は昨年来日本にも波及して、大量の労働者の首切り、困難な休職、生活破壊が行われている。メーデー会場にはそれと闘う多くの労働者が参加した。外国人労働者の参加も目立った。オープニングでは、韓国の民衆歌謡グループ「コッタジ」が労働歌を披露してメーデーの雰囲気を盛り上げた。
 開会宣言を田宮高紀民間労組懇代表が行い、石上浩一国労東京書記長が主催者挨拶を行った。決意表明は、派遣切りと闘う禅全造船関東地協いすゞ自動車分会の仲間が神奈川での闘いを報告し、埼京ユニオンの仲間は「日系ブラジル労働者の使い捨てを許さない」と書かれた横断幕を掲げるブラジル人労働者とともに登壇して、断固闘う決意を表明した。全労協女性委員会の仲間は男女雇用差別が激しい日本を変えるための闘いを進めようと訴え、国労東京闘争団の仲間は、高等裁判所の不当判決を許さずに1047名全員の勝利まで闘うと力強く表明した。メーデーアピールの採択後、参加者は二つのコースに分かれて五月晴れの東京をデモ行進した。(東京H通信員)


〔新宿メーデー〕

  野宿労働者主体に

 第15回新宿メーデーが、東京・新宿区立柏木公園で、新宿連絡会(新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会)の主催により開催された。このメーデーは野宿を余儀なくされた労働者が主体だということもあり、昨秋に発する世界金融恐慌の影響を強く反映し、前回を上回る三五〇名が参加した。
 集会では山谷、池袋、新宿の仲間が発言した。司会は、新宿連絡会の笠井さん。
 俺たちは、行政の追い出し攻撃には「俺たちはゴミじゃない」と反撃し、生活保護申請行動をやり、自立支援センターや緊急一時保護センターを作らせ、ホームレス自立支援法を制定させ、地域生活移行支援事業(低家賃住宅)を勝ち取り、施設の待遇改善や技能講習事業を実施させるなど、仲間の力で少なからぬ成果を重ねてきた。もちろん、行政ができないことは俺たちでやると、炊き出し、夜間巡回、医療相談をやり、NPOも設立し、アパートを借りす際の保証人確保問題も解決し、自前の職業紹介機能・生活保護世帯のサポート機能・宿泊機能などを高め、無縁仏にならないようにと共同墓地まで確保してきた。
 しかしここにきて、不況が深まり野宿を余儀なくされる仲間が増えてきているにもかかわらず、行政の動きが完全に止まっている。企業支援には湯水のように税金を垂れ流しながらである。新宿地域の夜間巡回で確認した仲間の人数は、地域移行支援事業を勝ち取った〇四年以降しばらくは三〇〇名だったが、六〇〇名に跳ね上がっているのだ。俺たち自身が声をあげていかねば、何も解決しない。仲間の支え合いを大切にし、地域に根差してやれば、国も東京都も無視はできない。希望をもって頑張っていこう、と。
 集会後、新宿連絡会の稲葉さんを先頭に、新宿連絡会と池袋連絡会の赤旗をたなびかせてデモに出発。途中、都庁前で交渉団を送りだしつつ、「仕事を作れ!」「屋根をよこせ!」と元気よく新宿中央公園までのデモを行った。(東京M通信員)


〔愛知・安城地区メーデー〕

   派遣切りの三河地方で

 愛知県東部の三河地方には多くの自動車関係企業があり、このかん多数の派遣労働者などが解雇された。これらの人びとに対し、二〜三月には豊田、岡崎、刈谷などで、労働団体や法律家による相談会が開かれてきた。
 その三河地方で安城・西尾・蒲郡の各地区労などを参加基盤に五月一日、「第80回安城地区メーデー大会」が安城市の交流広場にて開催された。
 五月晴れの日ざしの下、全労協系や全労連系などの労組員や市民が約250名が参加。役員選出の後、西三河南地域労連からの大会議長、国労刈谷分会からのメーデー実行委員長による挨拶、各政党などの来賓挨拶と続く。メーデー宣言の後、「労働者派遣法の抜本的改正を求める決議」を全員の拍手で採択。最後に団結ガンバローでしめて、市内にデモを繰り出した。
 
 またメーデーの翌日二日には名古屋市で、許し難い右翼の外国人排撃の策動に対して、笹島日雇労働組合や地域の市民・外国人・キリスト者が抗議行動を行なった。
 「在日特権を許さない市民の会」なる右翼団体が五月二日、「外国人参政権に断固反対」などと叫んで、札幌・東京・名古屋・福岡で同時に排外主義扇動を開始したのである。この連中は、四月に埼玉県蕨(わらび)市でフィリピン人一家を標的にした「追い出しデモ」をやった輩だ。この日は、最期の勅令=外国人登録令が施行された日である。
 かれらは、街宣右翼と異なりネットの拡大を通じて市民を巻き込もうと企んでおり、また嫌韓右派レイシズム(人種主義)が特徴である。
 かれら右翼の策動を許さず、「憲法改悪反対・自衛隊海外派兵反対・生存権保障」を掲げた笹日労などによる情宣隊が名古屋・栄で布陣した。かれら右翼の「日の丸」を掲げたデモに対し、すかさず抗議の嵐を叩きつけたのである。(名古屋・I)