編集部だより

★十月の都立墨東病院での医療事故に係わり、厚労大臣の舛添と都知事石原が責任のなすりあいという茶番を演じた。根本にあるのは、医師不足、看護師不足であることは間違いない。★医療の格差は深刻で、都市部と地方の格差ばかりとはいえない状況にある。病院勤務医と開業医との勤労時間、収入における差は歴然としている。先日には、勤務医の過労死の労災認定が行なわれた事態もおきている。都市部でさえも勤務医が次々と辞めていき、病棟閉鎖に追い込まれる基幹病院さえ現われている。★かつて全国各地で医学部が作られた時期があった。これにより医師が大量に輩出されると思われたが、今の医師不足は何なんだろうか。当時、医師の過剰を危惧した医師会は、厚生省に圧力を加え医学部の定員削減を図った。約三分の二にしたと言われている。★これではとても病院での勤務は成り立たない。重労働に耐えかね、勤務医から開業医に転進する医師が大量に出るのも当然といえる。専門家の意見では、医師数は倍ほど必要との見解もある。当然医師の収入も抑えられるだろう。このことに一番気がかりなのは、開業医を中心とした医師会である。医師会こそは自民党の最大のスポンサーの一つで、最大の集票マシンでもある。★また官僚どもは、医療・福祉の拡大は資本の生産性に結びつかないとの詭弁を弄し、削減に奔走している。これでは彼らの言う社会の安全が保障できるのであろうか。(日下部)